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英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


by culturalnews
サンタアナ市のバーワー博物館の中国「兵馬俑」(へいばよう)展示(1ページから6ページへ)

5月18日~10月12日

日本の歴史は紀元前3世紀ごろまで、さかのぼることができるが、その理由は、このころ朝鮮から日本への人の移動が起こり、記録が残されているからだ。日本の文化はすべて、朝鮮や中国からもたらされたものだ。日本独自の文字も、中国の文字から発達したものだし、中国から仏教を学ぶことは天皇の願いでもあった。

つまり、中国の歴史を学ぶことは、日本の歴史を理解する上で、必要なことなのだ。現在、サンタアナ市のバーワー博物館で開催中の「兵馬俑」展は、中国の歴史を学ぶだけではなく、日本文化の源流を探るという見方をすることもできる。

兵馬俑は、秦の始皇帝(紀元前259年から紀元前210年)の陵墓の周辺に埋葬された兵士や馬をかたどった等身大の陶器の像で、今回の展示は、これまでアメリカで行なわれた最大規模の展示になっている。展示品は約100点にもおよび、その中には、皇帝の軍隊にいた約20体の等身大の兵士像が含まれている。そして、この兵士像の衣装や表情がすべて異なっているのは、驚くべきことだ。

「兵馬俑」展は、バーワー博物館と、ヒューストン自然博物館、ナショナル・ジオグラフィック博物館による共同企画で、展示総指揮はスタンファード大学名誉教授のアルバート・デイエン博士が務めている。展示品は、中国・西安市周辺にある11カ所の保存施設から貸し出された。

「兵馬俑」は1974年に発見された。これまでに、約1000体の等身大の兵士像が発掘されているが、さらに7000体以上の兵士像が埋まっていると推測されている。秦の始皇帝の陵墓の建設には38年かかったという記録が残されている。皇帝に即位してすぐに工事が始められたのだ。陵墓自体は、大きな構造物であるために、歴史的に知られていたが、「兵馬俑」については、記録が残っておらず、忘れられた存在だった。

発掘から推測されることは、「兵馬俑」を作るために約1000人が集められ、87の組に分かれて仕事をした。行程は、流れ作業で行なわれているが、兵士像の表情や衣装、ポーズは、すべて異なるものが作られている。職業も、兵士、召使、音楽師、軽業師などさまざまな職種が作られた。動物も作られており、皇帝の日常生活が陵墓の中で、再現できることを目的としていたようだ。

バーワー博物館の展示は、秦の始皇帝の陵墓の内部のふんいきが感じられるようにデザインされている。見学者が最初に入る第一ギャラリーは、数体の兵馬俑が、見学者を待ち構えるような構図に配置されている。そしてギャラリーを巡回して行くにつれて、考古学者が兵馬俑を発掘した過程が体験できるように構成されている。

入場料は、平日が大人25ドル、学生・高齢者(62歳以上)19ドル、週末は大人27ドル、学生・
高齢者21ドル。毎週金曜日の午後4時、5時、6時、7時がそれぞれ先着100人までが無料になっている。

アメリカ弓道セミナーを7月16-19日にカリフォルニア大学アーバイン校で開催(1ページから6ページへ)

弓道は日本で数百年の歴史があるが、全国的に統一した教授法が作られ始めたのは1930年代のことだ。1949年に全日本弓道連盟が組織され、弓道のスタンダードが確率した。アメリカでは、アメリカ弓道連盟が組織され1992年から毎年、アメリカ弓道セミナーが開かれている。

このセミナーは、これまで、サウス・キャロライナ州、インディアナ州、北部カリフォルニアで行なわれてきたが、今年のセミナーは、南カリフォルニアで弓道が行われるようになって100年になるのを記念して、カリフォルニア大学アーバイン校のベレン・イベント・センターで7月16日から19日まで行われる。アメリカ、カナダ、そしてアルゼンチンから百人以上が参加する。

全日本弓道連盟は、4人の範士八段をトレーナーとして派遣する。範士八段の弓道家は日本でも100人以下で、最高レベルのトレーナーだ。アメリカ弓道セミナーは、7月16日から18日は午前9時から午後5時まで開かれ、一般も練習を見学できる。7月19日は、弓道技量の認定試験が午前9時から行なわれ、これも見学できる。

皇太子のロサンゼルス訪問 (1ページから2ページへ)

皇太子は、ブラジル日本人移民100周年記念行事に参加した後の帰国の途中、6月25、26日にロサンゼルスに立ち寄られた。2日間の滞在中、唯一の公式行儀として、リトル東京の全米日系人博物館を見学された。

6月26日、午前11時、全米日系人博物館の海部優子副館長の案内で、皇太子は、常設展示の第二次世界大戦中の日系人の強制収用、と20世紀初頭の日本人移民の展示「コモン・グラウンド」を見学された。その後、ロサンゼルスの日系社会のリーダー30人を謁見された。

「美の標準」日本民藝館の仕事(2ページから6ページへ)

「美」とはなにか、という問いに、民藝運動の創設者、柳宗悦は、過剰な装飾を取り除き、直感的に美しいと思えるもの、という説明をしている。東京・駒場にある日本民藝館は、1936年に柳宗悦(1889-1961)によって設立された。

日用品の中の「美」を評価する民藝運動は、柳の元に、陶芸家の濱田庄司、河井寛次郎らが集まり発展した。英国人陶芸家バーナード・リーチは濱田庄司の弟子で、民藝運動の創立メンバーのひとりでもあり、英文書籍で民藝を紹介している。

所蔵品は、柳、濱田、リーチの陶器、棟方志功の版画などの有名作家の作品と、江戸時代から20世紀初頭にかけての無名の職人たちが作った陶器、絵画、染色などが集められている。日本民藝館は、こうした民藝品を収蔵・展示するための初めての試みで、その展示は見学者を間違いなく魅了する。

6月17日から8月31日までは特別展「陶匠・濱田庄司―没後30年記念」を開催中。月曜日が休館日、入場料は1000円。 (東京大学特任講師・板津木綿子(いたつ・ゆうこ)さんからのレポート)

サクラクレパスが大相撲ロサンゼルス巡業の優勝トロフィーを提供(2ページ)

6月7、8日に行われた大相撲ロサンゼルス巡業の表彰式で、大阪に本社を置くサクラクレパスの西村貞一社長が、朝青龍に優勝トロフィーのサクラ・カップを贈呈した。サクラクレパスでは、相撲からヒントを得たボールペンとシャープペンの「相撲グリップII」を発売した。また、サクラクレパスは、ロサンゼルス巡業に150人の子供たちを無料招待した。

サクラクレパスは、2007年の大相撲ホノルル巡業でも、優勝トロフィー「サクラ・カップ」を提供している。

68回二世週日本祭りは、8月16日から24日に開催(3ページ)

恒例のリトル東京で行なわれる「二世週日本祭り」は今年で68回を迎える。オープニング・セレモニーは7月13日に行われ、メインイベントは、8月16、17日と8月23、24日に行われる。

2008年クイーン選考コンテストは、8月16日にディナーが京都グランド・ホテルで、その後のシーはアラタニ日米劇場で行なわれる。チケットは、ディナーとショーがひとり160ドル、ショーだけがひとり75ドル(バルコニーは65ドル)。8月16日には、相撲大会も日米文化会館プラザで行なわれる。

8月17日のグランド・パレードは午後5時に出発する。今年のグランド・マーシャルはフレッド・ホシヤマ、名誉グランド・マーシャルはダニエル・イノウエ連邦上院議員。

8月23、24日の日米文化会館の展示では第1級の盆栽を育てている南風会の展示などが行なわれる。入場料は、無料。8月23日には餃子早食いコンテストが行われる。8月24日は、日米文化会館プラザで午後4時まで、太鼓ギャザリングが行われて、その後、ファースト・ストリートで最後の締めくくりイベント音頭が行なわれる。音頭では見物人も踊りに参加できる。

二世ウィーク期間中は、リトル東京の各所で、生演奏が行なわれるので、日本の音楽を聴くことができる。二世ウィーク事務局の電話番号は(213)687-7193.

北京オリンピックを祝い、ロングビーチの日本庭園で折り紙フェスティバル
(3ページ)

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校内の日本庭園で7月13日、正午から午後4時まで、折り紙フェスティバルが行われる。今年は北京オリンピックが行なわれることから、折り紙フェスティバルも中国文化と折り紙の関係をテーマに取り上げる。紙はもともと中国で発明されたもので、折り紙の起源も、中国まで、さかのぼることができる。記録によれば、紀元105年に中国の宮廷で、鶴、亀、龍など好運、長寿を表す折り紙が作られている。

7月13日には、約40人の折り紙のエクスパートが日本庭園に集まる。また同時に切り紙細工も披露される。

有名太鼓演奏者ケニー・エンドウがオレンジ・カウンティ仏教会の青年太鼓グループと共演(3ページ)

オレンジ・カウンティ仏教会は青少年グループ活動の募金活動のために、8月3日午後4時から同教会の多目的ホールで有名太鼓演奏者ケニー・エンドウのコンサートを行う。チケットは大人30ドル、子供(16歳以下)は10ドル。同教会の青年太鼓グループ大恩太鼓もステージにでる。

太鼓奏者・林田ひろゆきのロサンゼルス・デビュー・コンサート(3ページ)

東京で活躍している太鼓奏者の林田ひろゆきとジパングが9月16日午後8時と9時30分の2回、ロサンゼルスのジャズベーカリーで、ロサンゼルス・デビュー・コンサートを行う。ジパングは男5人と女2人の構成。チケットは30ドル。また、ガーデナのマルカイで開催のヘルス・フェスタにも出演する。日程は、後日発表される。

林田は長崎県出身で、1984年から8年間、太鼓演奏団として世界で活躍している鼓童(こどう)のメンバーだった。その後、イトウ・タキオ太鼓バンド、東京打撃団を経て、独立した。

ロサンゼルスの盆フェスティバル(3ページ)

7月5、6日 サンフェルナンドバレー本願寺
7月12、13日 西本願寺ロサンゼルス別院
7月12、13日 禅宗寺(曹洞宗)
7月12、13日 パサデナ仏教会
7月19、20日 オレンジ・カウンティー仏教会
7月19、20日 ベニス本願寺
8月2、3日 ガーデナ仏教会
8月2日   サンディエゴ仏教会

ロサンゼルス東京会が設立10年を記念して写真コンテスト(3ページ)
設立10周年記念式を10月26日にリトル東京の京都グランド・ホテル(旧ニューオータニ・ホテル)で行なうが、同時に「東京」テーマにした写真コンテストを開催中。写真の大きさは8x10インチ、あるいは8X12インチ。モノクロ、カラーいずれも可。締め切りは9月30日。問合せはstakase@earthlink.netへ。

江戸時代の日本画「プライス・コレクション」展示会がロサンゼルス・カウンティ美術館で進行中(4ページ)

江戸時代中期の日本画約100点を集めた「プライス・コレクション」が6月22日から9月14日まで開催されている。ロサンゼルスの有名日本画コレクター、プライス・ジョー、悦子夫妻が集めた伊藤若冲の作品が中心。そのほか、丸山応挙、琳派の大型屏風も展示されている。江戸時代は夜間の照明はなく絵画は日中の明かりで見るものであったことから、大型屏風の展示コーナーでは、日照の変化を再現するために照明が暗くなったり明るくなったりする工夫がされている。

日米文化会館で日本の民藝展(4ページ)

日本文化を愛した故ムリエール・ポリア博士が残した日本の民藝品が、リトル東京の日米文化会館に寄贈され、その展示会が7月12日から8月3日まで、開かれている。

いけばなと現代美術合作展が全米日系博物館で開催中(4ページ)

イサム野口、アンディー・ホール、ロバート・マップルスロープなどの現代美術家の作品の展示と池坊、草月流、小原流のいけばなの展示。いけばなは毎週、入れ替えが行なわれ、毎月1回、各流派のデモンストレーションが行なわれる。6月22日は池坊、7月20日は草月、8月24日は小原の各流派のデモが行われる。博物館の入場料は、8ドル。

「中国の影響:日本絵画の変遷」をテーマの展覧会をクラーク・センターで開催中(5ページ)

中国は日本の文人(ぶんじん)にとっていつもお手本の国であった。日本画も中国の絵画を手本に書かれていることが多いが、17世紀半ばから中国との交易が途絶えると、日本の文人のライフスタイル、行動、絵画に日本独自の特徴が目立つようになってきている。

日本人がいかに多くの影響を中国から受けて来たか、これまで、知られていなかった中国の道教をベースにした読み物(版画本)の原本などが展示されている。8月2日まで。

ロングビーチ市から高校生が四日市市の環境問題サミットへ参加する
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ロングビーチ=四日市市姉妹都市委員会は、三重県四日市市が行なう、第1回中学生環境サミットに、学生8人、付き添い大人2人を派遣する。派遣費用は四日市が負担する。中学生環境サミットは、四日市市の友好都市、中国・天津市からも中学生を招待する。ロングビーチの代表は8月11日に出発し、20日に帰国する。
# by culturalnews | 2008-07-30 15:35 | 月別の日本語要約
●江戸時代の中流階級に好まれた日本画を集めたプライス・コレクション(1ページと4ページ)

「若冲と江戸絵画」展のタイトルで、2006年から2007年にかけて、東京国立博物館、京都国立近代美術館、九州国立博物館、愛知県美術館を巡回したオレンジ・カウンティの日本美術収集家プライス夫妻の日本画コレクション約100点が、6月22日から、ロサンゼルス・カウンティー美術館で公開される。この展示会についてロサンゼルスの日本絵画専門家のメイヤー・マッカーサーが解説する。

ロサンゼルス・カウンティー美術館での展示会が近づくにつれて、ジョー・プライスと悦子プライスの喜びはだんだん大きなものになっている。プライス夫妻の江戸絵画展の日本での公開は、入場者数の記録を作った。日本でのこの江戸絵画展では、多くの日本人の若者が会場に来たのだ。展示をみた若者は口コミやブログで江戸絵画展のすばらしさを広めたのだ。

東京国立博物館では2006年夏、6週間の展覧会期間中に31万9000人の入場者を記録した。これは、2006年に世界の主要美術館で行なわれた展示の入場者数として最高だった。日本の他の3カ所の美術館での展示でも入場者数は多く、今年4月まで行なわれたワシントン・スミソニアン美術館での展示でも、多くのひとに感動を与えた。

6月22日からロサンゼルス・カウンティー美術館で始まる展示会が、プライス・コレクションの最後の展示となり、最終的に、これまで巡回した美術館の入場者の合計は100万人を越えることが予想されている。ロサンゼルスでの展示のタイトルは「想像力の時代:プライス・コレクションによる日本画(1615-1868)」で、江戸時代のもっとも有名な画家たちの日本画を描いた掛け軸や屏風画など約100点が一堂に公開される。

プライス・コレクションの中心となっているのが伊藤若冲(1716-1800)の作品。江戸時代の日本では見ることができなかった象や虎などの動物や鳥を色彩豊かに、想像力を使って描き上げている。また、その次に有名な作品としては、琳派の画家として有名な酒井抱一(さかい・ほういつ)(1761-1828)による「十二カ月花鳥図」が展示される。同じく琳派の画家、鈴木其一(すずき・きいつ)(1796-1858)の「貝図」も展示される。

若冲、抱一、其一をはじめプライス・コレクションの作品は、たいへん高度な技法と、想像力を使った絵柄の共通点があり、時代を超えて、また世界のどの国のひとにでも、訴える力を持っている。さらに付け加えるならば、このコレクションのほとんどの画家たちは富裕町人層のために絵を描いており、天皇の住む御所や侍の住む屋敷に収める目的で、描かれてはないということだ。つまり、絵の依頼主は、江戸時代の都市に住む中産階級で、支配階級ではなかったということだ。そのことが、プライス・コレクションの作品が、現代の日米で、年齢層を超えて幅広いひとに受け入れられる理由になっている。

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《現代アート作家の中込靖成さんから次のような指摘を受けました》伊藤若冲の代表作は「動植綵絵」(どうしょくさいえ、動植物を描いた彩色画の意)30幅は、鶏、鳳凰、草花、魚介類などが、さまざまな色彩と形態のアラベスクを織り成す、華麗な作品である。綿密な写生に基づきながら、その画面にはどこか近代のシュルレアリスムにも似通う幻想的な雰囲気が漂う。「動植綵絵」は、若冲が相国寺に寄進したものであるが、のち皇室御物となり、現在は宮内庁が管理している。(Wikipediaより)相国寺は足利将軍家や伏見宮家ゆかりの禅寺です。だがら天皇家や侍の為ではないというのは少し違うと思います。代表作が宮内庁御物で長い間一般公開されなかった事が人々に知られなかった事の一つの原因とも言われています。若冲は相国寺の庇護を受けて画業を続けたひとでもありました。寄進した時点での対象は相国寺ですが前記の通り将軍家や宮家と深い関係にありました。
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日本では、プライス・コレクションの入場者の2/3は若い世代だった。「若い人達が、わたしのコレクションを見に来てくれたことで、いい作品であれば、年代に関係なく見てもらえることがわかりました」とジョー・プライスは言っている。日本での巡回期間中は、ジョー・プライスは毎日ブログを書いて、日本中のひとと意見交換をしていた。

プライス夫妻は、絵画は万人が楽しむものでなければならない、という信念を強く持っている。悦子プライスは「日本での展覧会の成功は、コレクター自身が、一般のひとのために、作品を選んだことにあり、学者が絵を選定し、学者に見せることを第一目的にしなかった」からであると説明している。美術館の展示でありがちな、アカデミックなふんいきで一般の入場者に権威を押し付けることがなかったからだ、とも言っている。

また、日本画の鑑賞の仕方にも、プライス夫妻はこだわりをもっている。「一日の光線の変化によって日本画の見え方も変わってくる」とジョー・プライスは説明している。日本画は自然光の中で、もっとも美しく見えるように描かれており、それを再現するため、東京国立博物館での展示では、ガラス・ケースを取り払い、照明も一日の変換に合わせて光量が変化するような設営にした。「こうして、本来の日本画を見る環境を作りだしたことで、見るひとに感動を与え、若い人は、絵の前で立ち止まり、涙を浮かべていた。彼らは、こうして身近に日本画を見る経験がなく、このことを経験させてくれた私たちに感謝していた」と悦子プライスは語っている。

ロサンゼルス・カウンティー美術館でのプライス・コレクションの展示も、東京と同じような環境が作られる。ロサンゼルス・カウンティ美術館での展示は、一般ギャラリーと日本パビリオンの両方で開催される。(通常の日本画の展示は日本ビリオンでだけ開催)この日本パビリオンは、建設のときプライス夫妻が多額の寄付をしており、設計は有名なブルース・ゴフ(故人)によるものだ。また、この日本パビリオンは、アメリカの大手美術館では、唯一の独立した日本画専用の建築物である。この日本パビリオンでは、障子に似せた窓を通して光線がギャラリーに入り込むように設計されている。日本パビリオンは、1988年のオープンで、ちょうど20年目にあたる年に、これまでで、もっとも大規模なプライス・コレクションの展示を行なうことになる。100点を越えるプライス・コレクションを、ロサンゼルスのひとが見ることができるチャンスは、これが最初で最後である。

プライス・コレクションの有名な作品は、www.shinenkan.com でみることができる。ロサンゼルス・カウンティー美術館に展示やイベントに関しては www.lacma.org でみることができる。

●日本の宗教団体が、教祖の作った仏像展覧会をアメリカで巡回(1ページと7ページ)

「昭和の仏師」と呼ばれる伊藤真乗を教祖にもつ、宗教教団・真如苑は、その教祖・伊藤真乗の作った仏像・彫像・写真などの作品を一堂に展示する「生誕100周年記念・伊藤真乗のビジョンと芸術」展をことし2月からニューヨーク、4月からシカゴで開催し、5月にはロサンゼルス・ウエストウッドのアートフォーラムでの展示を始めた。最終日は6月29日。休館日はなしで、平日は午前9時から午後9時まで、日曜日は午前11時から午後5時まで。入場は無料。

この展示は、2006年から2007年にかけて日本で「伊藤真乗の目と手」と題して公開され、54日間の期間中に約30万人の入場者があった。

ウエストウッド・アート・フォーラムは、3階建てで、1階には長さ16フィートの巨大な釈迦の涅槃像が展示されている。涅槃像は釈迦が亡くなる直前の姿を現したもので、床に横たわっている姿だ。伊藤真乗は「大般涅槃経」を教義の中心にしており、この涅槃像は1957年に、わずか、3カ月で制作されている。

伊藤真乗は、1906年に山梨県で生まれており、実家は曹洞宗(禅宗)だった。没は1989年。伊藤家には、代々伝えられてきた易学があり、伊藤真乗も、この易学を体得し、広く相談を受けたことから、20代で多くのひとびとが伊藤真乗の周りに集まるようになった。1936年、30歳で、飛行機 
製作所を辞めて、真言宗の門徒集会を結成したことが、真如苑の今日に始まりになっている。

そのご、真言宗醍醐寺派で修行を積み、37歳で、大阿闍梨になる。第二次世界大戦後の1948年に、「まこと教団」を結成、そのご、1951年に「真如苑」に改称している。

伊藤真乗の作った涅槃像は、全国の真如苑の寺院の中に置かれ信仰の対象になっているほか、世界各地の宗教施設や学術施設に寄贈されている。展示には、伊藤真乗の写真や書道も展示されている。また、親交のあった有名人の彫像も展示されている。

ニューヨークの展示は、ギャラリー街として有名なチェルシー地区にある「ミルク・ギャラリー」で行われた。ロサンゼルスでの展示が終わったあとは、8月にはイタリアのミラノ、11月からはフィレンツェを巡回する。

●ヒロシマ-パールバーバー和解の市民集会、6月24日開催(2ページ)

アメリカが広島・長崎への原爆投下の正当性を主張し続け、パールバーバーを日本軍によるだまし討ちのシンボルとして使い続けているかがり、真の日米友好は実現しない、という主張をもつ日本のベテラン・ジャーナリスト松尾文夫氏(75歳)を招いて、6月24日、午後6時30分から、パサデナのアーモリー・センター・フォー・アーツで「ヒロシマ-パールハーバー和解の市民集会」を開く。無料。

松尾氏は、共同通信社の特派員として、1960年代はワシントン、1970年代はベトナム戦争を取材、また、1980年代には、共同通信ワシントン支局長をしていた。共同通信時代の後半は、金融サービス向けの情報サービス「テレレート」の経営陣となっていたが、2002年に共同通信社を定年退職後、ジャーナリスト活動に復帰、2004年『銃を持つ民主主義-アメリカという国のなりたち』を出版、第52回日本エッセイスト・クラブ賞を受けている。2007年10月には英訳版「デモクラシー・ウイズ・ガン」をバークレーのストーン・ブリッジ・プレスから出版した。

松尾氏の著作『銃を持つ民主主義』は、自らの第二次世界大戦中のB29による無差別絨毯爆撃体験から始まり、アメリカの建国精神の中に、武力行使、つまり、銃の使用が正当化される思想が埋め込まれていると、解説している。アメリカ史としても、新しい視点を持ち込んでいる。

『銃を持つ民主主義』のなかで、松尾氏は、イギリス・アメリカ空軍によるドイツの古都ドレスデンの無差別絨毯爆撃を取り上げ、爆撃50周年の記念式典で、イギリス・アメリカとドイツによる和解のセレモニーが行われたことを紹介、日米間の「和解」を提唱している。

6月24日の「和解の市民集会」は、松尾氏が英訳本のPRのため、ロサンゼルスを訪れるのに合わせてカルチュラル・ニュースが企画した。後援は、南カリフォルニア日米協会とアーモリー・センター。市民集会への参加申し込みは、カルチュラル・ニュースへ。

●映画「眉山」のロサンゼルス上映、6月29日開催(2ページ)

日本語奨学基金のオーロラ・ファンデーションの資金集めのための映画「眉山」の上映会が、6月29日午後6時から、リトル東京のアラタニ日米劇場で行われる。午後5時からはオーロラ写真家中垣哲也?さんの「オーロラ・ファンタジー・ショー」も上映される。

「眉山」はオーロラ・ファンデーションの名誉会長を務めるシンガー・ソングライターさだ・まさしの原作。さだ・まさしは、1998年の第1回オーロラ・ベネフィット・コンサートに出演している。

●オレンジ・カウンティー仏教会でケニー遠藤の太鼓コンサート、8月3日開催
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オレンジ・カウンティー仏教会は、同教会内のボーイスカウト、ガールスカウト、ジュニア仏教青年会の資金集めのための「ケニー遠藤太鼓コンサート」を8月3日午後4時から、同仏教会内の多目的会館で行う。チケットは大人30ドル、16歳以下は10ドル。

●「太鼓プロジェクト」の「リズミック・リレーションズ2008」コンサート、7月12、13日(3ページ)

新進の太鼓演奏グループとして活躍中の「太鼓プロジェクト」は、昨年に引き続き、フォード野外劇場で7月12と13日に「リズミック・リレーション2008」コンサートを開く。午後8時開演。チケットは、35ドル、30ドル、学生・子供は12ドル。

太鼓プロジェクトを始め、東本願寺ロサンゼルス別院の凡夫太鼓、きつね太鼓(子供グループ)、UCLAの愉快太鼓が地元から参加するほか、アメリカで太鼓演奏を広げた功労者のサンフランシスコ太鼓道場の田中誠一師匠が特別出演する。

●カリフォルニア州立大学モントレーベイ校で、日本舞踊リサイタル、6月22日(3ページ)

日本舞踊の坂東拡七郎(ロサンゼルス)は、6月22日、午後1時から、カリフォルニア州立大学モントレーベイ校で、初の日本舞踊リサイタルを開く。坂東拡七郎は、外国人として初めて、歌舞伎の弟子入りを許され、昨年まで、坂田藤十郎門下、中村雁京として京都で修行をしていた。

モントレー・リサイタルでは、坂東拡七郎が指導する坂東流モントレー教室の生徒と共に、日本舞踊と歌舞伎の18演目が上演される。チケットは20ドル。

●ディスカンソー・ガーデンの盆栽ショー(3ページ)

ディスカンソー・ガーデンの38回目の盆栽ショーが、6月13日から15日にかけて行われる。南カリフォルニアの盆栽ショーとしては、規模の大きなもののひとつ。午前9時から午後4時30分まで。ガーデンの入場料が必要。

●日本人町のサウンドとボイス・ショー、6月21日(3ページ)

リトル東京のアラタニ日米劇場25周年を記念して、ポピュラー音楽ショー「日本人町のサウンドとボイス」が、6月21日午後7時30分から、同劇場で行われる。チケットは、45ドルと50ドル。

●日本紹介の記事:名古屋をどり、9月6日―15日(4ページ)

日本舞踊は歌舞伎公演のように、1週間以上の定期公演がほとんど行われないが、名古屋の日本舞踊・西川流(西川右近家元)は、日本が戦争に負けた直後から、毎年「名古屋をどり」と題した一般向けの公演を続けており、今年は第61回目を9月6日から15日まで、名古屋市の中心街にある中日劇場で開催する。昼の部は午前11時開演で、舞踊劇「良寛さんのかくれんぼ」夜の部は午後4時開演で「夢舞」。いずれも西川右近家元の演出と作舞。総勢100人以上の踊り手が出演する。チケットは、8400円、5250円、2100円。問合せはカルチュラル・ニュースまで。

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西本願寺ロサンゼルス別院のお盆カーニバル、7月12、13日
洗心仏教会の歓喜会・お盆、6月28日
オレンジ・カウンティ仏教会のお盆カーニバル、7月19、20日
協栄トレジャーの浴衣販売、15ドルから

●四川省大地震は中国を団結させる(6ページ)
軍事ジャーナリスト神浦元彰の世界分析(英訳はアラン・グリーソン)

5月12日に起こった中国四川省の大地震は、(この記事が書かれた5月末で)死者6万8000人、行方不明者1万9000人の被害をもたらしているが、復旧作業が進むにつれて、中国国民の中国政府に対する信頼感が大きくなる、北京オリンピックが開かれるときには、この大地震は、中国国民を団結させる効果をもたらすかも、しれない。

●シェフのまな板(スシ・シェフ学校の経営者アンディー松田のコラム)(6ページ)

夏になるとイベントが各地が行なわれる。サクラメントでは、6月10日にコンベンション・センターで「スシ・マスター」のカリフォルニア1位を決める大会が午後5時30分から8時30分まで開かれる。これまで、サクラメント、サンフランシスコ、ロサンゼルスの3カ所で予選が行なわれ、その優勝者が決勝戦を行なう。私は、今年も審査員として参加する。

ロングビーチに係留されている豪華客船クイーン・メリー号の側の駐車場で、「スシ・アンド・サケ・フェスティバル」が6月14日、午前10時から午後4時まで行なわれる。約5000人の入場が見込まれる。スシ・シェフ学校は、ブースを出して、寿司作りを披露する。

6月26日は、サンフランシスコで行われるサンフランシスコ・マガジン主催第8回ベスト・オブ・ベイ・エリア・パーティーに参加する。場所はコンコース・エギゼビション・センターで、午後6時から11時まで。わたしは柚子レストランのブースで、ウニを使った料理を披露する。

翌6月27日は、サンフランシスコの柚子レストランで、午後3時から5時まで、母と娘のためのスシ・クラスを開く。6月28日は、同じ柚子レストランで、午後2時から5時まで、一般向けのスシ・クラスを開く。

リトル東京の全米日系人博物館では、7月12日午後1時と3時の2回、スシ作りのデモンストレーションを行なう。それぞれ、約1時間の実演。量販店のターゲットによる後援で、この日に博物館の入場料やスシ作り見学は無料となる。

スシ・シェフ学校では、8月4日から8日まで、第1回の酒ソムリエ・クラスを開催する。レストランのソムリエを対象に、酒と日本食の組み合わせについて毎日4時間講義を行なう。

●7ページ サンディエゴのお知らせ。
浮世絵とモダン・アートの組み合わせ、磯村ふじこ個展「イースト・ミーツ・ウエスト」がラメサ・ギャラリーで5月23日にオープン、7月3日まで展示。

海上自衛隊の練習艦隊に太鼓グループ。5月10日にサンディエゴ港湾内の空母ミッドウエー博物館の艦上で、日米合同演奏会があり、海上自衛隊からは、太鼓演奏が披露された。第25回目の海上自衛隊練習艦隊のサンディエゴ寄港で、5月8日から11日まで霧島、鹿島、朝霧の3隻(乗組員合計750人)が参加した。

●全米日系人博物館で、いけばなと現代美術の協同展、6月15日から9月7日まで(8ページ)

「リビング・フラワー:いけばなと現在美術」展がリトル東京の全米日系人博物館で6月15日から9月7日まで行われる。イサム・ノグチ、アンディー・ウォホール、ロバート・メイプルソープなどの現代美術家の作品の展示と池坊、草月流、小原流のいけばなの展示。いけばなは毎週、入れ替えが行なわれ、毎月1回、各流派のデモンストレーションが行なわれる。6月22日は池坊、7月20日は草月、8月24日は小原の各流派のデモが行われる。博物館の入場料は、8ドル。

カルチュラル・ニュースは、ロサンゼルスで体験できる日本文化イベントを英語で知らせる新聞です。日本文化に関心をもつ、アメリカ人に教えてあげてください。日本への理解が深まり、日本へ行ってみたいという気持が強くなると思います。

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# by culturalnews | 2008-06-30 07:26
●カリフォルニアの自然に溶け込む日本の茶室(1ページから5ページに続く)

サンタバーバラ植物園は地元で育った植物だけを集めた植物園であることを売り物にしているが、およそ日本の景色とかけ離れたこのカリフォルニアの自然の中に、茶室が置かれている。

この茶室がサンタバーバラに運ばれてきたのは1949年のこと。日本で作られた後、分解されて実業家ロイス・グレートウッド氏の所有地であるレモン果樹園の中に組み立てられた。この茶室は、日本の実業家からグレートウッド氏への贈り物だった。

1958年に茶室を含む屋敷はエスベンシェイド一族の所有となった。エスベンシェイド家の娘アリスは、子供のころ、この茶室で遊んでいたが、後に成人して日本を旅行し、生け花や茶道に出会い、茶室の価値を理解するようになった。

その後、エスベンシェイド家が、この屋敷を手放すことになり、新しい所有者が茶室を取り壊し、その場所に住宅を建てる計画を持っていたので、サンタバーバラ・(三重県)鳥羽・姉妹都市委員会がエスベンシェイド家と一緒になって、移転先を探し、1998年に現在のサンタバーバラ植物園内に移築された。

茶室の周りは、カリフォルニア原産の植物ばかりで、日本の植物は見当たらないが、庭園デザインは伝統的な日本の庭に基づいている。

この茶室は、裏千家15代・鵬雲斎(ホウウンサイ)家元から、「心看庵」という名前をもらっている。サンタバーバラで長年、生け花を教えていたハーティ・アン・ルックさんを記念して付けられた名前なのである。

現在、この「心看庵」は、裏千家の教師免状を持つ、ソロバング(サンタバーバラの隣)に住む笠井宗京さんと茶道を勉強するひとびとによって管理されている。笠井さんは、これまで、20年以上にわたって、サンタバーバラ近郊で、頼まれれば、どこにでも出かけて、茶道を紹介し続けているひとだ。

笠井さんは、日本で子供の時から裏千家の茶道を習っていたが、2003年から2004年にかけて6ヶ月、京都の裏千家本部で、集中講義を受け、一級師範の免状を受けた。笠井さんの茶道クラスは、ソロバングの自宅とこの「心看庵」の2カ所で行われている。

4月11日には、サンタバーバラ鳥羽・姉妹都市委員会の斡旋で、ロサンゼルス総領事が初めて、「心看庵」を訪れることになった。この日、手塚義雅総領事代行と千鶴夫人がロサンゼルスから訪れ、「心看庵」で、サンタバーバラ市のマーティー・ブルム市長を始め、市議会議員、サンタバーバラ植物園の管理職たちとお茶を楽しんだ。

来客にお茶を運ぶ役を務めたリンダ・マシューズさんは、現在、サンタバーバラ鳥羽・姉妹都市委員会の会長を務めている。やはり姉妹都市委員会の中心的役割を果たしているサンタバーバラ在住の脇田孝子さんといっしょに、4月11日のロサンゼルス総領事訪問の準備をしたひとだ。

マシューズさんさんが、初めて、茶道に出会ったのは7歳のときで、叔母に連れられてサンフランシスコのゴールデン・ゲート公園内のお茶会に行ったときだった。その後、夫の転勤で、福岡に行き、そこで、福岡市が開いていた外国人向けの茶道クラスを取ったことが、茶道に入るきっかけとなった。

その後、マシューズさんの夫の転勤先は、横浜、京都、東京、ワシントン、そしてサンタバーバラと続くが、そのたびに転勤先で茶道の先生を見つけることが、マシューズさんの生活の一部となってしまった。マシューズさんにとって、茶道で作る人間関係は、例え、年齢の若い「コウハイ」との付き合いであっても、いつも人生を豊かにしてくれるものになっている。

「心看庵」では、年4回、サンタバーバラ植物園の「季節のお茶」シリーズとして一般が参加できるクラスを開いている。1回の定員は7人までで、女性は白色のソックス、膝が隠れる長さのスカートを着用しなければならない。首や腕に装飾品を付けていけない。また香水も付けてはいけない。男性もやはり白いソックスで、ズボンを着用すること。ジーパンは不可。

「季節のお茶」シリーズの日程は、サンタバーバラ植物園に問い合わせること。
電話番号: (805) 682-4726 ホームページ www.sbbg.org または www.sbteahouse.org

●50年以上にわたって日本舞踊を海外に紹介する花柳若奈師匠(1ページから6ページに続く)

日本舞踊の花柳若奈師匠は、50年以上にわたって、日本舞踊を海外に紹介している。現在、ロサンゼルスに住む若奈師匠が、初めての海外公演に参加したのは、1953年、わずか20歳の時だった。この海外公演は、第二次世界大戦後、日本から初めての本格的日本舞踊公演で、当時の日本舞踊のトップ舞踊家・吾妻徳穂師匠が率いる「アズマ・カブキ・ダンサーズ・アンド・ミュージッシャンズ」によって行なわれた。この公演旅行では、ニューヨーク、ボストン、フィラデルフィア、ワシントンDC、ロサンゼルス、サンフランシスコを回った。

「アズマ・カブキ・ダンサーズ」第二回の海外公演は、1955年から1956年にかけて、ヨーロッパの13カ国を巡業した。

若奈師匠は、26歳の時、日系二世で、ニューヨーク育ちのエンタテーナー、ジェリー伊藤と東京で結婚式を挙げるが、そのわずか、1カ月後の1959年1月には、ロサンゼルスで、NBCテレビの「ジャパン・スペキュタクル・ショー」に出演した。

1978年には、トロント大学の招聘で、アイルランド人で詩人・劇作家のイェイツ作「鷹の井戸」の振り付けを行い、自らも踊った。このトロント公演は、イェイツが、1916年に初めて、「鷹の井戸」をロンドンで公演したとき、舞台に立ったのが、若奈師匠の義父にあたる伊藤道郎(イトウ・ミチオ)だったことの縁で、実現したものだった。

「鷹の井戸」は、当時、日本に能というパフォーマンスがあることを聞いたイェイツが、自らの創作で書き下ろした「能」脚本だった。伊藤道郎は、当時、アメリカ・ヨーロッパで活躍するモダン・ダンスのパイオニアであり、第一級のダンサーだった。

若奈師匠は、東京の富裕層の環境で育った。8歳の時に、花柳流家元、二代目花柳壽輔から稽古を受けるという幸運に恵まれた。若奈師匠の兄弟は、才能豊かな人材ばかりで、作家の山口瞳は、実兄だった。

東京で、第一級の日本舞踊家として、また、若手を育てる日本舞踊の厳格な指導者として活躍していたが、夫のジェリー伊藤が脳溢血を患い、母国語の英語での言語回復訓練が必要なことから、すでに、2人の子供が住んでいたロサンゼルスに1997年に引越しした。

ロサンゼルスでの若奈師匠は、ロサンゼルス市広域芸術振興基金プログラムの下に、日本舞踊教室を開いている。1年間にわたるこのプログラムは、人種、性別、年齢に関係なく、日本舞踊の基礎を教えるというものだ。

また、カリフォルニア伝統芸術同盟の振興基金を受けた、中級者用の個別指導教室も行っている。UCLAの日本人学生が主催する「日本文化ナイト」やUCアーバイン校でのイベントに参加して日本舞踊を披露するボランティア活動もしている。

このほか、若奈師匠自身の舞踊団体として「ワカナ・ハナヤギ・コンサーバトッリー・オブ・ジャパニーズ・クラシカル・ダンス」を結成し、日本舞踊の上級者を育てている。

ロサンゼルス市広域芸術振興基金による1年間のプログラムの発表会が、6月28日午後1時30分から、リトル東京のメリノール・カトリック・センターで行われる。入場は無料。詳細問い合わせは、(310) 842-3779 へ。

●2008年相撲グランプリには日本大学から選手が参加(2ページ)

●日米文化会館の子供の日イベント、5月18日(2ページ)

●大相撲ロサンゼルス巡業、6月7、8日(3ページ)

●テメキュラ姉妹都市委員会が主催する日本文化紹介「子供祭り」、6月1日(3ページ)

●桂カイシさんの英語落語、5月25日(3ページ)

●日本人グループによるコーラス・フェスティバル、6月15日(3ページ)

●太鼓グループ「タイコプロジェクト」がフォード野外劇場で「リズミック・リレーション88」を公演、7月12、13日(3ページ)

●映画「眉山」、日米劇場で上映、6月29日(3ページ)
●映画「はんなり」サンタモニカのレムリー映画館で上映、6月26日から7月2日(3ページ)

●京都の着物スタイリスト冨田伸明(トミタ・ノブアキ)さんが着物紹介のためのイベントを南カリフォルニアで開催(4ページ)

着物をデザイン・製作し、テレビ番組に提供したり、各地で着物ショーを企画・主催している京都の着物スタイリスト冨田伸明さんが、3月11日から17日にかけて、ラスベガスを含む南カリフォルニアで、日本から豪華衣装を持ちこんで、アメリカ人に日本の着物を紹介するイベントを行なった。国際交流基金ロサンゼルス事務所との共催イベント。

冨田さん(44歳)は、27歳のときに、京都に着物販売の「京香織」を設立した。映画やテレビ番組に衣装を提供するために、着物を自らデザインし、製作まで、手がけるようになった。NHK紅白歌合戦の出演者にも着物を提供していることで、全国的に有名になっている。

南カリフォルニアでは、サンタアナのバーワー博物館、ロサンゼルスの韓国文化センター、リトル東京の日米文化センター、ウエスト・ロサンゼルスのウインドワード高校、そしてUCLAで、着物ショーを行なった。

冨田さんの着物デザインは、伝統技術とモダン感覚が合わさったもので、着物ショーの始まりでは、冨田さんがデザインしたカリフォルニアをテーマにしたサンフランシスコ帯、ハリウッド着物が紹介された。サンフランシスコ帯は、サンフランシスコ名所のゴールデン・ゲート橋やフィッシャーマンズ・ワーフをモチーフに使っている。ハリウッド着物では、8ミリカメラや「ハリウッド」の文字看板が織り込まれている。

また、富山県氷見(ひみ)市から見える立山連峰の壮大な景色を、正確に縮小して織り込んだ、帯も披露された。この帯を作ったのは、氷見市民の立山連峰を敬愛する気持を表現するため、と製作の動機も説明した。

冨田さんは、京都育ちで、高校を卒業して、京都の呉服問屋で修行している。

ロサンゼルス韓国文化センターでの着物ショーでは、韓国の民族衣装のデザイナーの作品と冨田さんの作品が、同じ舞台で披露された。

(この文章は、ペパーダイン大学の客員講師を務めるジョーダン・ヤマジ・スミスが担当した。スミスは、今回の着物ショーで冨田さんの通訳を務めた)

●東京情報 「東京国立博物館」(4ページ)日本美術の最高作品を集めている東京国立博物館は、浮世絵展示をはじめ、奈良・法隆寺の国宝も常設されている。日本美術を鑑賞するにはもってこいの場所である。(この文章は、東京大学特任講師の板津木綿子(ゆうこ)さんが担当しました。)

●広告:協栄トレジャーが浴衣を販売(4ページ)

●三笠宮妃彬子(アキコ)さまがカリフォルニアでご研究(5ページ)

オックスフォード大学に留学中で、日本美術史研究をしている三笠宮妃彬子さま(26歳)は、1月中旬から4月中旬までの3カ月を、カリフォルニア州中部のハンフォードに滞在され、ハンフォードのクラーク・コレクション、ロサンゼルスのプライス・コレクションを研究された。

彬子さまは、大正天皇の曾孫にあたる。祖父君は、大正天皇の四男、三笠宮。父君は寛仁(ともひと)親王で、母君は吉田茂の孫にあたる信子さま。麻生太郎・前外務大臣は信子さまの兄にあたる。

彬子さまは、2004年3月に学習院大学を卒業後、オックスフォード大学に留学され、現在、博士課程で、日本美術のヨーロッパ人コレクターの比較研究をされている。彬子さまが、イギリスで研究をしていらっしゃるのはウィリアム・アンダーソン(1842-1900)で、現在の大英博物館の日本美術の基礎を作ったコレクター。アンダーソンは、1870年代にイギリス軍の医務官として日本に滞在した。

彬子さまがハンフォードで滞在された場所はクラーク・センター日本美術研究所で、
ビル・クラーク、リビー・クラーク夫妻によるクラーク・コレクションを所蔵している。クラーク・センターは、米日基金の援助を得て、ドラッカー・フェロー奨学金を設立、その第一号を彬子さまに贈った。ドラッカー・フェロー奨学金は、近代経営学の創始者として有名なピーター・ドラッカーとドリス夫人の日本美術コレクターとしての功績をたたえるもの。

19世紀のイギリス人コレクターと21世紀のアメリカ人コレクターの比較研究の報告を彬子さまは4月13日に、クラーク・センターで行われ、約70人が聴講した。出席者の中には、サンフランシスコから長嶺安政総領事夫妻、ロサンゼルス総領事館からは文化広報センター長の丸岡克己領事と夫人がいた。

クラーク・センター日本美術研究所は、フレスノの南郊約45マイルにあり、1995年に設立されている。鎌倉時代から明治に至るまで、幅広く日本美術を約3000点収集しており、個人コレクションとしては第一級と評価されており、ヨーロッパ、アメリカ東部、そして日本からも、研究者が頻繁に訪れている。

「蔵」と呼ばれるギャラリー棟は、壁際に「床の間」を想定した高さ約50センチの台が配置され、その上に畳が敷かれている。日本美術は、畳の上に座って鑑賞されていたため、同じ目線を再現する建築デザインになっている。また、クラーク・センターの図書室は、寄贈によって蔵書が増えている。

クラーク・センターの開館日は火曜日から土曜日で、午後1時から5時まで。入場料は一人5ドル。現在の展示は「中国の影響:中国で描かれた絵画から日本画への変容」で、8月2日まで。8月中と9月の前半は、休館になる。連絡先は電話(559) 582-4915 ホームページは www.ccjac.org.

●日米協会が、日本画コレクターのプライス夫妻に「国際市民賞」を贈呈する、6月25日(5ページ)贈呈式は、プライス夫妻のコレクションが展示されるロサンゼルス・カウンティー美術館日本パビリオンにて。日米協会では、このイベントのスポンサーを募集中。

●日本政府の春の叙勲、ロサンゼルスの篤志家・ジョージ荒谷氏らへ(6ページ)米国ケンウッド元社長、ミカサ陶器の創立者で、篤志家のジョージ荒谷氏(90歳)に旭日重章。元サンキスト組合長、日米協会の会長を務めたラッセル・ローウェル・ハンリン氏(75歳)に旭日中授章。元日本語学園協同システム理事長、川口吉則氏(72歳)に旭日双光章。

●広告:ガーデナ・バレー日本文化センターのカーニバル、6月28、29日(6ページ)
●広告:日本の古道具販売「玄海」5月11日からセール(6ページ)

●ロサンゼルス総領事に伊原純一氏が着任、5月27日に歓迎会が開かれる(7ページ)

スシ職人養成学校経営者のアンディー松田のコラム「東京で、世界の日本食会議が行なわれる」(7ページ)

●広告:日本語学園協同システムの授業見学会、5月31日と6月7日に(7ページ)

●パシフィック・アジア美術館での民芸展、6月6日から2008年1月6日まで(8ページ)

●広告:サンタバーバラ植物園で、盆栽展、5月17、18日(8ページ)

●広告:エバ航空、3月30日から、ロサンゼルスー大阪路線を就航(8ページ)

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# by culturalnews | 2008-05-15 05:42 | 月別の日本語要約
●外国人力士が支える日本の大相撲(1、2、4ページ)

現在、番付に載る外国人力士の数は59人。伝統にこだわる相撲ファンからは、外国人力士が多すぎるという批判も起こり、各部屋ごとに外国人力士の数は1人に制限されている。

外国人力士の登場は、1960年代の後半に始まった。このころの外国人力士は、ハワイや太平洋地域出身だった。彼らは日本人力士に比べて、体格が大きく、力が強かった。幕末の日本で、開国を迫った米国ペリー提督の「黒船」をもじって、「相撲界の黒船」と呼ばれたこともあった。

初めて幕内優勝をした外国人力士は、高見山で、1972年のことだった。1980年代後半には小錦が、外人として初めて大関に昇進した。東関親方(元高見山)は、身長6フィート8インチ、体重500ポンドの曙を育て、1993年には、外国人で初めての横綱を誕生させた。

サモア生まれで、ハワイで育った武蔵丸は1999年に、横綱に昇進した。曙は2001年に11場所優勝の記録を残して引退、武蔵丸は2003年に12場所優勝の記録で引退した。アメリカ本土出身者で、初めて幕内に入ったのは、日本人とアメリカ人のハーフで東京で生まれ、ミズリー州セントルイスで育った戦闘竜(せんとうりゅう)だった。

南アメリカ出身者では、90年代にアルゼンチンから星誕期(ほしたんご)、星安出寿(ほしあんです)が活躍している。現在の相撲界には、アメリカ出身の力士はいない。

モンゴル人の日本到来は、1492年に元寇という歴史があった。1990年代のモンゴル人の日本到来は、若いモンゴル相撲力士たちだった。モンゴルの厳しい生活環境の中から生まれた力士たちだ。

モンゴル力士第一号の旭鷲山は、日本に来て、驚いたのは「お金を出して水を買っていること」ことだったという。モンゴル力士たちは、モンゴルでの貧しい生活から抜け出すために懸命な努力をした。

朝青龍は1999年に土俵入りし、2002年に初優勝した。朝青龍は2003年には3場所で優勝、2004年には4場所で優勝、2005年には、相撲界の歴史初めての6場所全部の優勝という記録を作った。

この無敵の朝青龍を破ったのが、白鵬で、2007年の3月と5月場所だった。白鵬はこの後、横綱に昇進した。これまでのところ、朝青龍は天皇賞(各場所の優勝者)を21回、白鵬は6回それぞれ獲得している。日本人力士による天皇賞獲得は、2006年1月の栃東が最後だった。

このほかアジア出身の力士は、モンゴルが、安馬(あま)、朝赤龍(あさせきりゅう)、鶴龍(かくりゅう)、時天空(ときてんくう)、ベテランの旭天鵬(きょくてんほう=日本国籍取得)らがいる。韓国からは春日王がいる。中国やカザキスタン、太平洋のトンガ出身の力士がいる。

ヨーロッパ人で、初めて幕内入りをしたのは、グルジア出身の黒海で2004年のことだった。その後に続いたブルガリア出身の琴欧州は、現在、大関だ。ロシアからは白露山(はくろざん)と露鵬(ろほう)の兄弟、エストニアからは把瑠都(ばると)がいる。

依然、相撲ファンの中には、日本人の力士だけにこだわる人がいるが、外国人力士の登場で相撲がおもしろくなって来たことは確かである。筆者は、もちろん外国人力士の登場には賛成である。

この記事の筆者、ジム・ユキカゼ・ローリーは、ロサンゼルスのアマチュア相撲取りで、南カリフォルニア相撲協会の設立メンバーの一人。「相撲新報」の編集長。ガーデン・グローブの自宅に土俵を持っている。

●白鵬と朝青龍、モンゴル出身者同士の横綱時代(1、4ページ)

白鵬と朝青龍の活躍で、東西の横綱は共にモンゴル出身者という時代になった。これまでの両者の戦いを見ていると、一方の負けが、片方を優勝に導く、というパターンが生まれている。

2008年初場所では、朝青龍が前頭力士に負けたことが、白鵬の優勝につながった。3月大阪場所では、まず、白鵬が東前頭二枚目の安美錦(あみにしき)に負けた。12日目の取り組みは、白鵬が西の大関、千代大海(ちよたいかい)に負け、朝青龍が天皇杯に手が届くかと思えた。しかし、この日、朝青龍は西の関脇、琴奨菊(ことしょうぎく)に負け、翌13日目、朝青龍は西の大関、琴光喜(ことみつき)に負けた。この日、白鵬は勝ったため、両横綱が共に、12勝2敗となった。

3月大阪場所での千秋楽は、横綱同士の対決を迎えた。朝青龍が小手投げで白鵬を負かし、22回目の優勝を手にした。この記録は、かって貴乃花(現在65歳)が作った記録と同じものになった。

●ヒダノ・スーパー太鼓コンサートは大盛況(2ページ)

世界的に太鼓演奏活動をしている日本のヒダノ修一は、太鼓演奏活動20周年記念とアメリカ・デュー・コンサートを兼ねて、2月16日、リトル東京のアラタニ日米劇場で「ヒダノ・スーパー太鼓コンサート」を開いた。コンサートは、ヒダノ自身とロサンゼルス太鼓センターのトム倉井師によって演出され、ロサンゼルスの日米文化会館、国際交流基金、打楽器製造販売のレモ社、シンバル製造販売のジルジャン社が後援した。

コンサート前半は、組太鼓を使い、ヒダノ自身のソロと、ロサンゼルス太鼓センター24人が共演したヒダノ作曲の「ニライカナイの幻想」と「風流」、倉井作曲の「荒波」などを演奏した。

コンサート後半は、ヒダノがパーカッションを担当し、エレキギターにジェニファー・バッテン、ベースにスリランカ出身で現在ロサンゼルスで活躍しているハッサン・ジェフリー、そしてサンバ・パーカッションにチャロ・エドワルド、ドラムにジョンJRロビンソンが参加し、ロック音楽を演奏した。

また、ロサンゼルスの琴奏者、松山ユキコ、マリンバ奏者の高田ナオコが参加して、ヒダノ作曲の「モン・シェリ」を演奏した。津軽三味線のケブン・メッツが参加して「八木節」「秋田荷方節」が演奏された。

筆者は、カリフォルニア大学リバーサイド校の音楽教授、デボラ・ワング。筆者自身がロサンゼルス太鼓センターの設立メンバーで、ヒダノ・スーパー太鼓コンサートで演奏に参加している。

●US相撲連盟の2008年グランプリが4月19日開催(3ページ)

US相撲連盟は、国際アマチュア相撲選手が参加する第1回相撲グランプリを4月19日に、リトル東京の西本願寺で開催する。午後1時試合開始。チケットは50ドル、25ドル、10ドル。相撲グランプリは、6月7、8日に行われる大相撲ロサンゼルス場所を盛り上げるためと、エストニアで行なわれる世界アマチュア相撲世界選手権へUSチームを送り出すための資金集めを目的としている。

相撲グランプリへの参加選手の出身国は、日本、グルジア、モンゴル、ブルガリアの予定。また日本相撲協会から元横綱・武蔵丸、元大関・栃東(玉の井部屋)、元関脇・安芸島(現・千田川親方)が参加する。

武蔵丸は、現役時代、706勝、12場所優勝の記録を持っている。この記録は、歴代記録で第7位。栃東は、相撲界の6ランクすべてで、1回以上の優勝記録を持っている。安芸島は、前頭時代に16回横綱を負かした記録を持ち「金星の王」と呼ばれていた。現役時代は、647勝を上げ、殊勲賞7回、技能賞4回、敢闘賞8回を記録している。

US相撲連盟の連絡先は、電話(323) 251-1167トロイ・コリンズさんまで。ウエッブサイトはwww.sumoGP.com.

●モントレーパークの桜祭りでも、相撲を披露、4月20日開催(3ページ)

恒例のモントレーパーク桜祭りが、4月19日午前11時から午後7時30分まで、4月20日午前11時から午後6時まで、モントレーパーク市のバーンズ公園で行なわれる。

カリフォルニア相撲連盟による相撲が4月20日、午後1時と2時に行なわれる。無料。カリフォルニア相撲連盟は1998年に発足、相撲をアメリカに普及する活動を行なっている。これまで、アマチュア選手を集めた世界大会も開いている。

昨年のモントレーパーク桜祭りでも、アマチュア相撲世界チャンピョンのバヤンバジャブ・ウランバヤールらが、参加した。

●浄土真宗の盆踊り日程、6月、7月、8月の開催(3、7ページ)

南カリフォルニアの盆踊りは、1930年代後半から浄土真宗のお寺の盆行事の一環として行なわれるようになった。ロサンゼルスの浄土真宗本願寺派のひとつ洗心寺のマス小谷師によれば、浄土真宗では、通常言われている祖先の魂が戻って来ることは信じておらず、盆は、祖先を思い出す日と解釈されている。このため、浄土真宗では、盆は、信者が集まって喜びを表す日という意味で「観喜会」(がんぎえ)と呼ばれている。

盆踊りの日程:アリゾナ仏教会、6月15日;ガーデナ仏教会、8月2、3日;ガダループ仏教会、7月20日;ロサンゼルス本派本願寺、7月12、13日;オレンジ・カウンティー仏教会、7月19、20日;オックスナード仏教会、7月12日;パサデナ仏教会、7月12日;サンディエゴ仏教会、8月2日;サンフェルナンド本願寺、7月5、6日;サンルイスオビスポ仏教会、8月2日;洗心寺、6月28日;ベニス本願寺、7月19、20日;ウエスト・ロサンゼルス仏教会、7月26、27日;ウエスト・コビナ東本本願寺、6月28日;ロサンゼルス東本願寺別院、7月26、27日。

●子供の日をテーマにしたリトル東京ファンフェスタ、5月17、18日開催(3ページ)

ロサンゼルスの日米文化会館は、5月17、18日午前10時から午後4時まで、同会館プラザを中心に、子供の日をテーマにしたファンフェスタを行なう。また、5月17日には第2回日系コミュニティー・ディーが同時に行なわれる。太鼓や日本舞踊の演奏や饅頭作りや書道の実演などが行なわれるアジア・パシフィック工芸展も、同時に5月17、18日に開催される。5月18日は、日本文化再発見ワークショップが、文化会館ビルの中で行なわれる。

●相撲番付の解説(4ページ)

この記事は、相撲の初心者のための解説。番付は、日本相撲協会が発表する公式ランキングで1年に6回行なわれる場所ごとに、ランキングが変わる。番付は、まず、力士を東と西に分ける。野球のメジャー・リーグに相当するのが、相撲では幕内だ。この幕内には、トップから順に、横綱、大関、関脇、小結の42人の力士がいる。

幕内の由来は、上位の力士たちは、試合の待ち時間を、幕の中で過ごしたから。年に6回行なわれるトーナメントは場所と呼ばれ、15日間続く。つまり、この内、8回勝てば、勝ち越し、8回負ければ、負け越しになり、勝ち越した力士は、翌場所では昇進し、負け越した力士は、格下げになる可能性がある。

小結は、東西に各16人づついて、1番から16番まで、順位が付けられている。小結は、場所の前半で、自分より強い相手と取り組むことが多く、きついポジション。関脇は、場所の前半では、比較的楽な取り組みができるよう配慮されている。しかし、大関になれるか、どうかを判定されるポジションにいるため、勝つための努力がより要求される。

横綱は1909年に、称号として正式に使われるようになったが、それ以前は、大関が最高位で、横綱は1791年から使われ始めた名誉称号だった。大関、関脇、小結を三役と呼ぶ。関脇から大関になるためには、3場所連続で、32勝以上の成績が必要。ま2場所連続で負け越すと、大関は、関脇に格下げられる。

横綱に昇格するためには、大関は2場所連続して優勝しなければならない。また、相撲の技量だけではなく、横綱としての人格を備えているかどうかの審査も行なわれる。一度、横綱になると、成績が悪くても、大関に格下げになることはないが、しかし、通常は、横綱は引退を選択する。

●大相撲ロサンゼルス場所、6月7日、8日、チケッチ発売中(4ページ)

大相撲ロサンゼルス場所は、6月7日、8日の2日間のわたって、ロサンゼルス・メモリアルスポーツ・アリーナで開催される。開場は、両日とも、午後4時から。チケットは、420ドル、250ドル、140ドル、80ドル、35ドル。

●ハンフォードのクラーク日本美術研究所の春の展示:日本画に見られる中国の影響、4月5日から8月2日まで開催(5ページ)

中部カリフォルニアのハンフォードにあるクラーク・センター日本美術研究所の春の展示のテーマは「日本画に見られる中国の影響」で、4月5日から8月2日まで開催される。

●クラーク日本美術研究所の恒例春祭りは、4月20日開催(5ページ)

クラーク・センター恒例の春祭りは、4月20日午前10時から午後4時まで、行われる。盆栽展示、寿司作り、日本昔話のストーリー・テリングなどが行なわれる。

●江戸時代の日本画を集めたプライス・コレクションがロサンゼルス・カウンティー美術館で展示される、6月22日から9月4日まで開催(5ページ)

オレンジ・カウンティー在住のジョー・プライス氏が集めた、江戸時代の京の絵師、伊藤若冲(いとう・じゃくちゅう)、円山応挙、長沢芦雪、江戸琳派のほか肉筆浮世絵などの江戸絵画約100点が、6月22日から9月4日まで、ロサンゼルス・カウンティー美術館で展示される。展示タイトルは「想像の時代:プライス・コレクションによる日本美術」。

この展示は、「若冲と江戸絵画」展のタイトルで、2006年~2007年にかけ、東京国立博物館、京都国立近代美術館、九州国立博物館、愛知県美術館を巡回した。2007年11月10日から2008年4月13日までは、ワシントンDCのスミソニアン美術館で展示されていた。

南カリフォルニア日米協会の年次晩餐会で、プライス夫妻を表彰、6月25日開催(5ページ)

南カリフォルニア日米協会の年次晩餐会は、6月25日に、「プライス・コレクションによる日本美術」展が開催されるロサンゼルス・カウンティー美術館で、午後6時から行なわれ、ジョー・プライス氏と悦子夫人が表彰される。今年は、南カリフォルニア日米協会の99周年で、来年は100周年記念が計画されている。

●軍事アナリスト神浦元彰の日本からの視点「中国の軍拡の目的は何か?」(6ページ)

中国が20年間連続して軍事費を毎年2ケタの伸び率で増やしている。北京で開催された3月5日からの全国人民代表者大会(全人代)で、08年度の軍事費は前年比17,6%増の6兆600億円と公表された。昨年には中国の軍事費が日本の防衛費約4兆8千億円を抜いたことが話題になった。

また米国防総省が指摘するように、中国で実際に使われる軍事費は公表された額の2~3倍だという。これは中国が外国から購入する武器などを軍事費とは別に計上し、演習費などを地方政府の予算に組み込んでいるからである。

そのような兆候から、中国はアメリカ軍に対峙できる軍事力を増強し、世界の軍事大国を目指しているという指摘がある。

しかし中国軍はアメリカ軍と競えるほどのハイテク兵器や通信・情報機器を配備することはほど遠い。米中の総合的な軍事力を比較すれば、天文学的な差が歴然とある。

それでもなぜ中国はばく大な軍事費をかけて何を得ようというのか。その謎を解く鍵は“万里の長城”にあると考えた。古代中国の時代から、中国は領土の周辺に巨大な城壁を築くことで、西方や北方から異人の侵攻に備えていた。その城壁国家の象徴が“万里の長城”なのである。

これがアメリカと中国の軍事力の大きな違いである。アメリカの軍事力は“外征軍”である。アメリカ軍の戦争は常に外国で戦うことが宿命であった。しかし中国軍は今も昔も国家の周辺に城壁を築くことが軍事力の目的なのだ。その城壁を崩して、異なった政治勢力、経済システム、伝統文化、交通システムなどを侵入させない軍事力である。

かつて中国軍は人民解放軍と呼ばれた。しかし天安門事件で自国民に銃口を向けて人民解放軍の任務は終わった。新しい中国軍は海洋や領土周辺に城壁を築くことで国民の支持を得ようとしている。

広い中国の領土に軍事力という城壁を築くことはばく大な軍事費を必要とする。しかし外征軍としての戦力は極めて低い。そのような中国流の軍事力の活用方があることを考えなければ、今の中国軍を知ることは出来ない。そこにはアメリカとの軍拡競争に敗れたソ連の二の舞はしないという意味が込められている。

●日米協会が主催する講演会プログラム(6ページ)

4月9日 東京でビジネス・コンサルタントをしているデビー・ハワードさんの「日本の富裕層の嗜好を掴む」
4月16日 カリフォルニア大学サンタバーバラ校の日本文化教授、ジョン・ネイサン氏の著作「東京の気楽な暮らし」をテーマにした講演
5月14日 第二回日米環境問題会議

●日本語教師のワークショップ、4月13日開催(7ページ)

南カリフォルニア日本語教師会は、4月13日(日)午前9時から午後4時まで、シャーマンオークスのノートルダム高校で、春のワークショップを開く。日本語研究者、日本語教師による発表が行なわれる。参加費は会員が10ドル、非会員は30ドル。

●シェフのカッティング・ボード(まな板)アンディー松田のコラム(7ページ)

2年かかってスシ・シェフ・インスツチュート(スシ学校)の教科書になる「スシ・フォー・エブリワン」が完成しました。130ページ、全部カラーです。わたしが、スシ学校で教えている2カ月コースのすべての内容が入っています。一般にも販売をする予定です。

スシ学校で作った日本食紹介ビデオを、ビデオサイトwww.YouTube.comや、イギリスのビデオ・マニュアル・サイトwww.VideoJug.com で見ることができます。検索ワードはAndy Matsudaを使ってください。

4月19、20日は、モントレーパーク桜祭りにスシ・ブースを出します。寿司パックの販売は午前11時からです。また、20日午後2時30分からは、リトル東京の日米劇場で、スシ・マスター・コンテストが行なわれるので、審査員として登場します。

●ジャズの渡辺貞男がオーケストラと演奏、6月7日開催(8ページ)

ジャズの渡辺貞男がバンド「チャーリー・パーカーとストリングス」を率いて、アジア・アメリカ交響楽団と、6月7日、リトル東京のアラタニ日米劇場で公演する。アジア・アメリカ交響楽団の年間プログラムの一環。チケットは、75ドル、35ドル。
カルチュラル・ニュースは、日本文化を世界に広めることを目的に発行しています。
ぜひ、カルチュラル・ニュースを購読してください。すでに購読されている方は、お知り合いに紹介ください。


●カルチュラル・ニュースの10年

2008年は、カルチュラル・ニュースを創刊して、10年になります。文化をテーマにした新聞は経営が難しいと、言われるなかで、ここまで、続けられてきたのは、多くの方のご支援、ご援助があったからです。10年前の創刊は、わたしの個人事業でしたが、2002年から出資金が集まり、カリフォルニア州での株式会社登録を行い、2006年からは寄付金が寄せられるようになりました。

わたしの未熟な経営能力にもかかわらず、10年続いたことに、あらためて感謝の気持をあらわしたいと思います。さて、昨年の決算は、総収入約6万ドルで、赤字が約3000ドルでした。単年度の会計が黒字になるところでまで、もう一歩と思います。

しかし、過去6年間の累積赤字が約8500ドルになりました。この累積赤字を補填するための寄付をお願いしています。これまでも、いく度も、ご援助をお願いしていますが、もう一度の、ご援助をお願いします。

寄付の送金方法については、higashi@culturalnews.com へお問合せください。

また、カルチュラル・ニュースの定期購読、広告のご紹介も、引き続き、よろしくお願いします。

東 繁春 (カルチュラル・ニュース社長(兼)編集長)


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# by culturalnews | 2008-04-19 01:19 | 月別の日本語要約
●必要性が高まる寿司シェフ(職人)作り (ページ1、4、6)

カルチュラル・ニュースでは、過去2年にわたって毎月、スシ・シェフ・インスツチュート(寿司職人学校)の創設者で主任講師のアンディー松田さんのコラムを掲載してきた。この号では、日本食レストラン業界のようすや松田さんの考えを掘り下げて紹介する。

松田さんは、兵庫県西脇市で生まれ、実家は小さなレストランを経営していた。高校を卒業後、5年間、大阪の老舗で修行した後、西脇に戻り、実家のレストランの事業拡大を実現させてから、1980年代にロサンゼルスに渡った。

ロサンゼルスに着いてすぐ、リトル東京の日本食レストランで採用され、わずか1週間で、調理場を任せられるようになった。その後、サンタモニカ、そしてコロラド州アスペンで寿司職人をし、再びロサンゼルスに戻ってロサンゼルス空港のシェラトン・ホテル、そして後にロングビーチのシェラトン・ホテルで寿司作りを担当した。

シェラトン・ホテルに居た1996年に、結腸ガンが見つかり、松田さんは治療が中心の生活をせざるを得なくなった。「気力の衰えを経験し、以前と同じようには仕事をすることができなくなりました。自分のレストランを開くという夢はなくなりましたが、人に教えることはできるかもしれない、と思うようになりました」と松田さんは、当時を振り返って語っている。

ちょうど、その時期に寿司職人を養成する学校を作ろうという話が持ち上がり、1998年にベニスにカリフォルニア・スシ・アカデミーが開校、松田さんは副社長兼主任講師で、この事業に参加する。松田さんは3年間、このアカデミーで教えるが、もっと多く寿司シェフを養成してくれ、というレストラン業界からの要望に、このアカデミーでは十分応えることが出来ないと判断し、独立を決心する。

2002年に、リトル東京内にあるメリノール日系コミュニティー・センター内のキッチンを借りて、松田さんはスシ・シェフ・インスツチュートを開校した。この学校は、2カ月で寿司シェフを養成するコースで、これまで、約700人がこのコースを終了している。

「日本では、一人前のシェフになるには、3年から5年はかかります。しかも、日本では調理場で職人の仕事を見て覚えろ、というやり方のため、教え方というのが存在しません。調理場に入って最初の1年から3年は、職人の仕事をただ見ているだけです」と松田さんは日本のやり方を説明する。

松田さんがスシ・シェフ・インスツチュートを作ったとき、地元ロサンゼルスの日本人社会の反応は冷ややかだった。「わずか、2カ月で、寿司シェフをどうやってトレーニングするのか?」と日本人からの応援はほとんどなかった。

「有能なシェフになるのは、どこの国にいても、簡単なことではありません。シェフになりたい、
という人が来たら、どんな人でも、教えることがわたしの仕事です」と松田さんは説明する。

スシ・シェフ・インスツチュートを宣伝するために、松田さんはイベントに出かけて、寿司作りを披露することを始めた。メキシコ人のお祭りシンコデマヨや、アジア系が集まる祭りロータス・フェスティバル、リトル東京の二世ウィークに出店した。ジャパン・エクスポでは50メートル(英文の50フィートは誤り)の長大な巻き寿司を作るイベントも行った。また、寿司作りを紹介するDVDの制作や、有名調理師学校でアメリカ人シェフに寿司料理を教える仕事も始めるようになった。

寿司シェフ・コースで学びたい、という希望者はアジア系から多く来るようになった。アジア人のレストラン経営者本人か、代わりの従業員が寿司作りを習いに来ている。ロサンゼルスのレストラン業界はきびしい競争にさらされている。近隣に同じようなメニューの店が多く、特に新規開店のレストランは値下げ攻勢をかけてくる。

そのため、レストランは既存メニューの値段を上げることはできず、その替わりに、新しいメニューをさがしている。そこで、店内に寿司バーを作るレストランが増えている、というのだ。

これまでも、カルチュラル・ニュースの松田さんのコラムで何回も紹介してきていることだが、松田さんの学校には、世界中から生徒が集まって来る。世界中で、寿司職人を養成してほしいという要望があるにもかかわらず、その学校はどこにも見つからないのだ。また、魚の水銀汚染の問題や、「スシ・ポリス」と海外では揶揄されている、日本政府が世界中の日本食レストランに点数を付けるという動きが、海外での日本食の普及にマイナスに作用していると、松田さんは指摘している。

とくに「スシ・ポリス」の問題は、手本となっているフランス料理と比べて、あまりにも前提条件が違いすぎる、という。フランス料理の場合は、世界中にフランス料理学校があるからだ。フランス料理店を開きたい経営者やシェフは、そこで、フランス料理を学ぶことができる。しかし、日本料理を学ぶ学校は、日本以外には存在しないのだ。

まず、日本料理を学ぶチャンスを世界中のひとに与え、正しい調理方法を普及させることが必要。その準備がなく、日本食レストランに点数を付ける制度は、現在進行中に日本食ブームの足を引っ張るだけ、と松田さんは説明している。スシ・シェフ・インスツチュートのホームページ www.sushischool.net

[1ページの写真は、アンディー松田さん(中央)と講師のニック・カン(黒い帽子)そして2008年2月の生徒たち。生徒たちは、メキシコ人、ヨーロッパからクロアチア人、ベトナム人韓国人、アメリカ人とさまざまな人種が集まっている]

(この記事はギャビン・ケリーが担当した)

●北米沖縄県人会芸能部の民謡ショー「謡(うた)やびら踊(うでぅ)やびら」、4月20日開催(2ページ)

北米沖縄県人会(750世帯、2500会員)の芸能部(20団体が加盟)の恒例の沖縄民謡ショー「謡やびら踊やびら」が、4月20日(日)午後2時から、トーレンスのアームストロング劇場で行われる。チケットは15ドルで、沖縄県人会オフィスで取り扱っている。

北米沖縄県人会芸能部は、2007年に設立20周年を迎えている。

4月20日の演目は次のとおり:開幕、古典音楽斉唱(野村流音楽協会、野村流古典音楽協会、光史(みつふみ)太鼓の会、興陽会北米支部など)渡(わた)りぞう、瀧落菅撹(たちうつすいがち)、早口説(はやくでぅち)
(赤花会西川敦子琉球民謡研究所)民謡「歌(うた)し橋(はし)かきで」「紺地小」(くんじがぁ)
(宮城流能松会宮城能松琉舞研究所)舞踊「醜童」(しゅんどう)
(玉城(たまぐすく)流冠千会与那嶺恵子琉舞道場)舞踊「日傘踊り」
(幸地由記琉球民謡研究所)民謡「ヤイマ」(八重山)など
(琉球民謡愛好会)民謡「島遊び」(しまあくび)「四季の鳥」
(石原春雄琉球民謡研究所)民謡「新でんさ節」「豊年太鼓」
(照屋勝子琉球筝曲研究所)琴演奏「なりやまあやぐ」「安里屋(あさどや)ユンタ」
(上江州(うえず)洋子琉球民謡研究所)民謡「センスルー」
(宮城能松会沼田美智子琉舞道場)舞踊「加那(かな)よー天川(あまか)」
(真境名(まじきな)本流真境名愛子琉舞道場)舞踊「小浜節」(くばまぶし)
(上江州洋子琉球民謡研究所)民謡「童神」(わらびがみ)
(島琉球民謡研究所、宮城流豊舞(とよぶ)会新垣幸子琉舞道場)民謡・舞踊「新加那よー」(しんかなよー)
(琉球国祭太鼓)太鼓演舞「エイサー」
出演者全員によるフィナーレ

●釈尊の誕生を祝うロサンゼルス仏教連盟の「花祭り」は「仏教と食」がテーマ、4月12-13日開催(3ページ)

西本願寺羅府別院、東本願寺ロサンゼルス別院、曹洞宗北米別院禅宗寺、高野山米国別院、日蓮宗
米国別院、浄土宗北米開教区本院、ロングビーチ仏教会からなるロサンゼルス仏教連盟の2008年の「花祭り」は「仏教と食」をテーマに、4月12と13日、リトル東京の高野山米国別院で行われる。

花祭り法要は、4月13日(日)午前11時からで、東本願寺の伊東憲昭輪番(英語)と西本願寺の松林忠芳輪番(日本語)が説教する。午後1時30分からのレクチャーは、日本食の卸業者、共同貿易社長で、アメリカで寿司を広めた功労者の金井紀年氏、洗心仏教会の小谷覚龍師、高野山の旭清澄(あさひ・せいちょう)・北米総監が講演する。

花祭り前夜の4月12日(土)は午後6時から、高野山で精進料理の会食があり、7時30分からは雅楽演奏が行われる。精進料理は50名限定で、一人50ドル、雅楽だけを聞く場合は、一人10ドルの寄付を受け付ける。

高野山の旭師は、30年前に、高野山で修行中、料理番を務めていた。毎日200人分を調理した経験があり、精進料理に詳しい。

●カリフォルニア州政府ライス・コミッションによる寿司マスター競技、4月20日に開催(3ページ)

カリフォルニア米の販売促進を行っているカリフォルニア州政府ライス・コミッションは、これまで、サクラメント、サンフランシスコで「寿司マスター競技」を開催してきたが、ロサンゼルス地区では初めての地区競技を、4月20日午後2時30分から4時30分まで、リトル東京のアラタニ日米劇場で開催する。競技に参加するロサンゼルス地区の料理人たちは、以下のとおり。

ハーモサ・ビーチのグーグー・スシの料理長ソン・キム
サンディエゴのスシバー・ニッポンの料理長兼経営責任者、松田卓矢
ロサンゼルスのスシ・ケータリング・トシの経営者兼料理人、関利彦
アルハンブラのゲイシャ・ハウスの料理長、アン・ソー
ロサンゼルスのタカミ・スシ&ロバタ・レストランの料理長兼経営責任者、ケニー山田

ロサンゼルス地区からの上位2名と、サクラメント、サンフランシスコ地区からの選抜者を集めて、6月10日にサクラメントで、「寿司マスター競技」ファイナルが行われる。

アラタニ劇場では、日本食の試食をはじめ、ステージ・ショーも行われる。入場料は一般席65ドル、指定席が75ドル。チケットの申込は、ロサンゼルスの主催者、日米文化会館か、サクラメントのカリフォルニア州政府ライス・コミッションへ。

●トーレンス市の「ブンカサイ」、4月26-27日開催(3ページ)
千葉県柏市と姉妹都市縁組をしているトーレンス市の姉妹都市協会は、日本テーマのイベント「ブンカサイ」を4月26、27日、トーレンス市の市役所となりの文化センター施設で行う。
●モントレーパーク市の「サクラ・マツリ」、4月19-20日開催(3ページ)
●リトル東京の「サクラ・マツリ」、4月5-6日開催(3ページ)
●日本政府機関が後援する日本食PRイベント、3月13日開催(3ページ)
日本貿易振興会(JETRO)日本国総領事館、国際観光振興機構(JNTO)が後援し、日本食文化協会主催の日本食PRイベントと酒の試飲会が、3月13日午後6時から、オレンジ・カウンティーのハイヤット・リージェンシー・ホテルで行なわれる。翌14日から、アナハイム・コンベンション・センターで食品業者が集まる「ナチュラル・プロダクト・ショー」の開催に合わせて行なわれる。

● 京都文化博物館で「源氏物語千年紀展」、4月26日から6月8日開催(4ページ)

2008年は、「源氏物語」が書かれて一千年になる年になることから、京都市中京区三条高倉の京都文化博物館で「源氏物語千年紀展」が4月26日から6月8日まで行われる。国宝・重要文化財の約40点をはじめ、海外からの里帰り作品を含む、絵画、書跡・典籍、版本、工芸など合計約180点が展示される。会期中に大幅な展示替えが行なわれる。

話題性のある展示としては、ちょうど一千年前に源氏物語が宮中で読まれていたことがわかる絵巻
国宝「紫式部日記絵巻」(鎌倉時代)五島美術館蔵や、五十四帖すべてを描く「源氏物語画帖」の最古の作品でハーバード大学サックラー美術館所蔵の「源氏物語画帖」土佐光信筆 (室町時代)がある。

入場料は、大人1300円。特別展示は午前10時から午後6時まで。月曜日が休館日。

●横浜の日本新聞博物館で風刺漫画家・近藤日出造展、4月20日まで開催(4ページ)

横浜市中区の官庁街にある日本新聞博物館(横浜情報文化センター、2~5階)では、「風刺漫画の父-近藤日出造の世界展」を4月20日まで開催中。新聞紙面に“わさび”を効かせる風刺漫画。この展示では風刺漫画の第一人者・近藤日出造(本名・秀蔵)の生誕100年を記念し、政治家・著名人の似顔絵、筆や机といった愛用品などを通じて、その偉業を振り返える。読売新聞社、日本新聞博物館の共催。

(横浜からのレポートは、南カリフォルニア大学で博士課程中の板津木綿子(いたつ・ゆうこ)さんから。板津さんは、現在、東京の津田塾大学で講師を務めている)

●着物スタイリストによる着物の着付けと講演、3月11日から17日まで開催(4ページ)

国際交流基金(ジャパン・ファウンデーション)ロサンゼルス事務所の主催による、京都の着物スタイリスト冨田伸明(とみた・のぶあき)による着物の着付けと講演が、3月11日から17日までラスベガス、南カリフォルニアで行なわれる。

冨田さんは、NHK紅白歌合戦の出演者の着物スタイリストとして有名。株式会社「京香織」の社長。「京香織」は着物デザイン、製作からテレビ・ドラマやイベントの着付けにスタイリストを派遣している。

今回同行する着付師は、熊木馨(くまき・かおる)さん。熊木さんは、1990年に「きものさろん花子」を設立している。

着物の着付けと講演の日程:3月11日、ラスベガス=サハラ・ウエスト図書館、3月13日、オレンジ・カウンティー=バーワーズ博物館、3月15日、ロサンゼルス・コリアタウン=韓国文化センター、3月16日、ロサンゼルス・リトル東京=日米文化会館、3月17日、UCLA=ファカリティー・センター

●クラーク・センターのスプリング・フェスティバル、4月20日開催(4ページ)

中部カリフォルニア、ハンフォードにある、クラーク・センター日本美術文化研究所では、恒例のスプリング・フェスティバルを4月20日(日)午前10時から午後5時まで行なう。折り紙、水引作り、盆栽展示や盆栽オークションが行なわれる。ハンフォードには、全米で知られている盆栽庭師の宮田ケンジさんが住んでおり、宮田さんの盆栽の手入れも披露される。

また、美術館で開催中の「日本の四季の花」展示は、3月29日まで、延長される。春の展示は、4月5日からで「中国の痕跡:中国様式の絵画の日本的な変化」をテーマに8月2日まで行われる。クラークセンターの美術館は、8月中は閉館する。

●ジャパン・フィルム・フェスティバル、4月11日から20日まで開催(4ページ)

アメリカでの日本映画というと、アニメや恐怖映画ばかり紹介されているが、多様性を誇る日本映画の全貌を伝えたいと「ジャパン・フィルム・フェスティバル」が、4月11日から20日まで、ロサンゼルスで開かれる。

「オールウェイズ三丁目の夕日」「フラガール」「夕凪の街・桜の国」など最新作から黒澤明の「椿三十郎」「隠し砦の三悪人」など、幅広く、約20作品が上映される。

上映場所は、4月11日から18日までが、リトル東京のイマジン・エイジアアン・センター、4月18日から20日がアーバインのスタープレックス・シネマ。上映日程は、未発表。

● 正派若柳流華の会、新春公演の写真(5ページ)
1月19日にリトル東京のアラタニ日米劇場で行なわれた正派若柳流華の会(若柳久三師匠)の新春公演の記念写真。上が長唄「風流陣」、踊り手は、若柳久女、若柳清花、若柳彩花、若柳彩女。下が長唄「賤機帯」(しずはたおび)、踊り手は、若柳久三、若柳彦左衛門。

●サンタクラリタの中学で、折り紙体験(5ページ)
着物着付けや江戸千家の茶道のお手前を通して、日本文化を教えているモアパーク在住の芥川婦身さんは、2月21日に、サンタクラリタ市のリオノルテ中学に招かれ、日本の折り紙を、生徒たちに披露した。この日の折り紙講習は、リオノルテ中学の図書館教師ロクサン・スロラウブさんが企画した、外国文化プログラムの一環。

●大相撲ロサンゼルス場所で、子供相撲の出番、6月7-8日開催(5ページ)

大相撲の地方巡業でしか見られないものに、初切(初っ切り=しょっきり)がある。初切とは相撲の禁じ手を面白おかしく紹介する見世物で、相撲の取組の前に、決まり手四十八手や禁じ手を紹介する。江戸時代から行われているが、現在では大相撲の花相撲や巡業などでしか見ることができない。

この初切が、ロサンゼルス巡業では見ることができる。またこの初切の中で、ロサンゼルス地元の子供が土俵に上がり、本物の力士と取り組むという趣向も用意されている。土俵に上がる子供は、5歳から10歳までの男児で、本人と保護者ともに、A席券(140ドル)を購入することが条件。申込は、ファックスでハワイの実行委員会事務局まで。

●ピアノで奏でる日本の旅コンサート、4月5日開催(6ページ)
ピアニスト、上野淳子ギャレットさんによる「日本―ピアノの旅:日本のピアノ音楽100年」コンサートが4月5日(土)午後2時からグランデール市のブランド図書館で行なわれる。日本で最初にピアノを用いた音楽は、1900年の滝廉太郎による作曲だった。それから、100年間の、日本音楽の変遷を紹介するピアノコンサート。無料。

●サンディエゴで琴とフルート・コンサート、3月20日から26日まで開催(6ページ)
宮城流の琴の師範免許をもつ、サンディエゴ在住の乗倉昌代さんと、クラリネットやフルートなどの専門家ロバート・ウイリアムズさんのコンビによるコンサートが、3月20日から26日まで、サンディエゴ地区で行なわれる。

●UCLAで日本のアニメやポップ・カルチャーをテーマにした研究会、3月13日から15日まで開催(6ページ)

●日米協会の恒例「カリフォルニア・グレイ鯨」見物航海、3月30日実行(6ページ)

●「招き猫」の絵本を出版(6ページ)
ロサンゼルスで30年間、写真館を経営していたサニー関さんは、数年前に引退し、絵本作家を目指しているが、関さんの第一作「ザ・テール・オブ・ラッキー・キャット」がイースト・ウエスト・ディスカバリー・プレスから出版され、英語版のほか、中国語、韓国語、ベトナム語など、アジアの国のことばを併記した版にも発展している。全米親の会出版賞も受けて、最近は大手量販店のターゲットでも販売されている。絵本は、「招き猫」の人形ができた経緯を語ったもので、実際に350年前に東京都世田谷区の豪徳寺が舞台だっと言われている。

●台湾のエバ航空が、大阪-ロサンゼルス線を就航(7ページ)

3月30日から、台湾のエバ航空が、週3回、火曜日、金曜日、日曜日発で、台北-大阪(関西空港)-ロサンゼルス線を就航させる。ロサンゼルス-関西空港便は、昨年9月末に日本航空が路線を廃止したため、現在は、どの航空会社も運行していない。

●日本政府の支援を受けて発足した日本食海外普及団体の事務局長が「スシ・ポリス」を否定
(7ページ)

「スシ・ポリス」と海外のマスコミから揶揄された日本政府の情報発信の源となったのが、2007年7月に農林水産省の支援で発足した「日本食レストラン海外普及推進機構」(略称JRO)。キッコーマンの茂木友三郎会長を、推進機構の会長に据え、事務局長には、外食産業の業界団体、日本フードサービス協会の加藤一隆専務理事が選ばれている。

このJRO事務局長の加藤氏は、2月22日、ビバリー・ヒルトン・ホテルで日本食レストラン経営者、日本食品メーカー駐在員らを集めた会合で、JROの目的は、「スシ・ポリス」と呼ばれる世界の日本食レストランを格付けすることではなく、日本からの日本食材の輸出促進であると、説明した。

加藤氏が専務理事を務めている日本フードサービス協会は、食料管理制度の撤廃や、牛肉の輸入制限の撤廃を求めて、長年、農林水産省と対立してきたを紹介した。JROの緊急の課題は、日本食材の海外への輸出が促進できるように、日本や各国にある障壁を改善することと、日本食調理のための衛生マニュアルを普及させること、と説明した。

JROのロサンゼルス支部は、当面は、経営コンサルタント会社パシフィック・アライアンス・グループの社長、佐野吉弘氏に委託されることになった。

●江戸時代に生まれたカンザシを今に伝えるKuniko Kanawaさん(8ページ)

江戸時代に発達したツマミ・カンザシの技法を習得し、ロサンゼルスでこのツマミ・カンザシを作り、インターネットで販売しているのがKuniko Kanawaさん。

江戸時代には、五カンザシと呼ばれる種類が発達した。華カンザシ、耳かきカンザシ、松葉カンザシ、玉カンザシ、ひら打ちカンザシの5種類。江戸ツマミ・カンザシは、華カンザシの種類のひとつで、布を摘まんで立体感を出すことが特徴。

現在、日本には、ツマミ・カンザシを作れる職人は15人しか残っていない。Kanawaさんは日本生まれだが、アメリカで暮らすようになって、日本の伝統文化に関心を持つようになった。2007年夏に、千葉県に住む職人から特訓を受け、技を受け継いだ。カンザシが購入できるホームページはhttp://atelierkanawa.com

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# by culturalnews | 2008-03-24 15:01 | 月別の日本語要約