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英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


by culturalnews

カルチュラル・ニュース2009年10月号の日本語要約

◎日米文化会館のジェームズ・アーバイン日本庭園の改修工事が完成、11月8日にお祝いのイベント(1,6ページ)

2年間をかけて行われたロサンゼルス日米文化会館のジェームズ・アーバイン日本庭園の改修工事が完成したので、11月8日午後1時から、お祝いイベントが行われる。

ジェームズ・アーバイン日本庭園は清流苑という日本語名も持っている。1980年に完成しており、日米文化会館の完成と同時に、ロサンゼルスの日本人の歴史100年を記念する目的でもあった。

1981年9月には、ホワイトハウスで、ナンシー・レーガン大統領夫人の列席の下で、アメリカ苗床業者協会から全米景観賞を受け、アメリカ国内でも、有数の日本庭園であることが認められている。

しかしその後、日本庭園を維持していくための資金不足におちいり、庭園は荒廃してしまった。
2007年夏から始まった改修工事では、日本庭園としての美しさを取り戻すだけではなく、結婚式などの会場としても使えるように、レイアウトの変更も行われた。

ジェームズ・アーバイン日本庭園は、東端の小高くなっている滝から水が流れ出し、二手に分かれた流れが西側で、ふたたびひとつの流れに合さる、というレイアウトになっている。この二手に分かれる場所に配置された島の部分に、結婚式などができるスペースが作られ、また、このスペースの上に配置することができる移動式舞台も用意されている。

水の流れの上には、3つの橋が架けられ、見学者に庭園内を散策してみたい、気持ちにさせている。今回の改修工事の監修をしたのは造園専門家として有名なロサンゼルス在住の上杉武夫博士で、上杉博士はジェームズ・アーバイン日本庭園が1980年に完成したときの造園設計者でもある。

上杉博士は今回の改修にあたり、万葉集から大きなヒントを得ている。滝から二手に分かれるまでの水流はアメリカでの日本人一世の経済的・社会的な苦労を表現し、二手に分かれる水流は戦争によって日米が引き裂かれた体験をもつ二世を象徴、二つの水流がふたたび合さってひとつの流れになることは三世世代を表している。

改修工事費は、カリフォルニア州公園リクリエーション局からの補助金と個人からの寄付金でまかなわれている。

◎京都在住の日本舞踊家、西川千麗さんの日本舞踊レクチャーがカル・アーツ大で(1,6ページ)

京都在住の日本舞踊家、西川千麗さんが10月6日にカリフォルニア大学バークレー校、10月8日にサンフランシスコ・アジア美術館、10月10日にポートランド大学を回って、10月13日正午にカリフォルニア・アーツ(芸術)大学(略称=カルアーツ)で、45分間のビデオを中心とした日本舞踊レクチャーを行う。

千麗さんは、名古屋の日本舞踊家元・西川鯉三郎師匠の弟子で、日本舞踊をベースにした創作舞踊を得意としている。最新作は、19世紀のフランス人女性彫刻家カミーユ・クローデルをテーマとした「カミーユ・クローデル」でこれまで、ヨーロッパで上演している。

今回は、ビデオを使った日本舞踊の解説のみで、千麗さんは日本語で話し、英語通訳がつく。日米文化会館の主催講演会で、申し込み電話は、日米文化会館(213) 628-2725内線133番へ。
◎江戸凧保存会の土岐幹男さんがロサンゼルスの小学校を回り日本の凧を紹介(2,7ページ)

千葉県長生郡長生村に工房をかまえ、江戸凧の保存と、凧に普及活動をしている土岐幹男(とき・みきお)さんが9月29日から10月2日にかけて、今年で8年目になるロサンゼルスでの小学校訪問を行い、日本の凧をアメリカの子供たちに紹介した。

この学校訪問は、日立製作所のアメリカ代表事務所がスポンサーになっている「日立・日本の凧ワークショップ」プログラムの一環で、今回は、12の小学校と1つの中学で、計約900人の生徒に日本の凧を実際に作ってもらい、校庭で凧揚げをした。学校訪問の手配は、南カリフォルニア日米協会が行った。

写真(1ページ)は土岐さんが9月30日に訪れたロサンゼルス小学校3年生の生徒たち。ロサンゼルス小学校をはじめ、土岐さんが訪問する公立小学校では、予算の制約で美術や音楽の教育がいっさい行われていない。土岐さんの凧ワークショップは、ロサンゼルス小では2009-2010年度の初めての美術の時間になった。

ワークショップは、各学校とも2時間で、子供たちは、土岐さんが日本から持ってきたロケット型に切ってある和紙にマジックで絵を書いて、竹ひごを後ろに貼り付けて凧を完成させた。

土岐さんは、東京の生まれで、デザイン専門学校を卒業後、江戸角凧と呼ばれる伝統凧に出会い凧の制作と普及に専念するようになった。土岐さんの作った凧は、ワシントンDCのスミソニアン博物館をはじめ、東京・中央区日本橋の「凧の博物館」(日本の凧の会)、「たばこと塩の博物館」(東京都渋谷区神南)、石川県内灘町の歴史民俗資料館「風と砂の館」の「凧コーナー」に展示されている。 www.mikiotoki.com

◎全米規模に広がった「寿司マスター」コンテストに、会場は満員(2ページ)

今年で3年目になるカリフォルニア・ライス・コミッション主催による「寿司マスター」コンテストは、キリン・ビールがスポンサーになったため、予選地域がフロリダ州とワシントンDC地区に広がった。9月20日にロサンゼルスのアラタニ日米劇場で行われた全米ファイナル・コンテストには、サクラメント地区、サンフランシスコ地区、ロサンゼルス地区の勝者の中から選ばれたカリフォルニア州代表のチェフと東部2カ所の代表が、昨年の優勝者に挑戦した。

約800人収容のアラタニ劇場は、有料チケット(一般60ドル、VIP125ドル)購入の見学者でいっぱいになった。結果は、昨年の優勝者、サンフランシスコのサンラク・レストランの中村トモハルさんが2009年「寿司マスター」に選ばれた。

競技は「盛り込み」と「シグニチャー・ロール」の2皿で、腕を競いあった。アメリカで使われている寿司米は、大半がカリフォルニア州内で生産されたものが使われている。カリフォルニア・ライス・コミッションは、カリフォルニア州内のコメ生産業者によるコメ販売を促進する団体で、州政府の認可を得ている。

◎アンディー松田の寿司学校コラム:世界に広がる寿司シェフのコンテスト(2,7ページ)

9月20日の「寿司マスター」コンテストは成功に終わり、今後も、こうしたコンテストは発展すると思う。ワシントンDC地区での「寿司マスター」地域予選は、主催者のカリフォルニア・ライス・コミッションが直接、現地で日本文化イベントをやっている団体に連絡を取り実現しているが、ワシントンDC地域には、全日本寿司連盟と関係を持っている寿司シェフのグループもあり、今度、このグループが参加すれば、ワシントン地区予選は、もっと盛り上がると思う。
また、ニューヨーク市マンハッタン地区には「五絆(ごはん)ソサエティー」という日本食をアメリカ人チェフに広めるという目的の非営利団体もできている。www.gohansociety.org 

次回の大きな寿司チェフ・コンテストは、11月14日にロンドンで行われる「寿司アワード2009」だ。日本食と日本酒の普及を目的にしている「イート・ジャパン」の主催で「セブン・寿司サムライ」(7人の寿司チェフ)が挑戦する。このイベントはBBC放送のフード番組として放送されることにも、なっている。「セブン寿司サムライ」の中の一人は、アメリカ西海岸からも参加する。

わたしの夢は、アメリカの「寿司マスター」、イギリスの「寿司アワード」、そして全日本寿司連盟の代表があつまり「寿司オリンピック」を開催することである。

◎日本語教師会が設立25周年を記念、11月1日に定例ワークショップ(2ページ)

南カリフォルニア地区の大学、高校、各種学校で日本語を教える教師が集まるTJSCは、今年で設立25周年を迎える。25周年記念を兼ねた、定例ワークショップは11月1日(日)にロサンゼルスの日米文化会館で行われる。テーマは「21世紀に必要なスキル」で、講師はカリフォルニア大学サンディエゴ校のとうさく・やすひこ教授とカリフォルニア州立大学ロングビーチ校の片岡裕子(かたおか・ひろこ)教授。

参加費は、昼食代込みで、会員は30ドル、非会員は50ドル。ワークショップの定員は90名で、予約が必要。当日になっての参加は受け付けない。

TJSCは、25年前、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のプサワット・ようこ博士とロサンゼルス校のやすはら・えり博士によって設立された。当初のメンバーは30人だった。現在は約150人の会員に増えている。

◎米文化会館の「活動写真シリーズ:日本映画の黄金時代」12月20日(3,6ページ)

ロサンゼルスの日米文化会館が国際交流基金からフィルムの提供を受けて定期的に行っている「活動写真シリーズ」は12月20日(日)アラタニ日米劇場で、午前11時から「妻のこころ」(成瀬巳喜男監督、1956年)、後2時から「プーサン」(市川崑監督、1953年)、後4時から「青い山脈」(今井正監督、1949年)を上映する。また、この3作に出演しているロサンゼルス在住の女優、杉葉子さんが舞台あいさつをする。

◎鳥獣戯画は12世紀のアニメ、日米文化会館の小阪博一さんが指導、10月25日(3,6 ページ)

ロサンゼルスの日米文化会館で行われている「オン・ベランダ・シリーズ」では10月25日(日曜日)午後1時から、同会館のアート・ディレクターの小阪博一さんがまんがの元祖と言われている「鳥獣戯画」の描き方を教える。

「鳥獣戯画」は12世紀に描かれた作品で、巻物になっており、巻物を広げていくと、物語が展開するようになっており、まさに12世紀のアニメと言える。
「オン・べランダ・シリーズ」は日米文化会館の日本庭園が見渡せるガーデン・ルームで毎回行われている。

◎カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のEBM日本庭園での菊祭り、10月31日、11月1日(3ページ)

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校内のアール・バーン・ミラー日本庭園で毎年行われる菊祭りは、今年は10月31日と11月1日の週末に行われる。オレンジ・カウンティー菊協会メンバーが菊を展示し、また即売会も行われる。入場料は7ドル。

◎ディスカンソー・ガーデンの日本庭園フェスティバルは11月7、8日(3ページ)

ロサンゼルス・カウンティーが運営しているディスカンソー・ガーデンでの恒例「日本庭園フェスティバル」は11月7、8日の週末に行われる。草月流ロサンゼルス支部の北島蓉幸さんによるいけばな展が「民家」で行われる。太鼓演奏やお茶の提供など、日本文化が披露される。

◎日本舞踊・花柳若奈師匠の喜寿を祝うダンス・リサイタル、11月22日(3ページ)

日本舞踊の花柳若奈師匠が喜寿を祝うダンス・リサイタルを、11月22日(日)午後3時からトーレンスのアームストロング劇場で行う。入場券は30ドル。リサイタルは約2時間30分で、演目は「長唄・老松」(花柳若奈ほか)「清元・玉や」(花柳若青羅)「大和楽・鐘」(花柳若奈々)「常磐津・山姥」(花柳若奈)「清元・助六」(花柳若奈)。「写真で語る若奈の歴史」スライド・ショーも行われる。入場券の申し込みは (310) 842-3779 花柳若奈ダンス・スタジオまで。

◎東京国立博物館の「皇室の名宝-日本美の華」展示、10月6日から11月29日(4ページ)

平成天皇の即位20年を記念して東京国立博物館では10月6日から「皇室の名宝-日本美の華」展示が行われる。普段は皇室内に所蔵され、一般には公開されていない美術品が公開される。11月3日までの1期では、横山大観、上村松園などの現代と、伊藤若冲、狩野永徳などの近代の作家の作品が展示される。

江戸時代中期に活躍した伊藤若冲の作品「動植綵絵」(どうしょくさいえ)30幅が一堂に展示される。

11月11日から29日までの2期では、正倉院宝物が展示される。(報告は、東京在住の板津木綿子=いたつ・ゆうこ=さん)

◎サンディエゴ美術館で2010年11月から浮世絵展(4,6ページ)

サンディエゴ美術館で、約400点の浮世絵が所蔵されていることが分かり、この展示会が2010年11月から2011年5月まで行われることになった。

◎「鉄腕アトム」の作者・手塚治虫について、サンフランシスコ在住のフレッド・ショットさんが講演(4,5ページ)
「鉄腕アトム」の米国アニメ版「アストロ・ボーイ」が10月23日からアメリカで公開される。カルチュラル・ニュース10月号では、7月14日にロサンゼルスで行われたアニメ・漫画専門家のフレッド・ショットさんの講演録を掲載し、「鉄腕アトム」のできた背景を読者にお伝えする。

◎軍事ジャーナリスト神浦元彰のニュースの裏側 「普天間飛行場の新基地建設はキャンセルか」(6ページ)

日米両政府が06年に合意した米海兵隊・普天間飛行場の移設がキャンセルされる可能性が高くなった。市街地の中心にある普天間飛行場は、航空機が墜落した際、大惨事が起きることが予測された。そこで日米政府が合意したのが米軍キャンプ・シュワブ基地沿岸に新基地を建設する移設案だった。

しかし今年8月末の衆議院選では、新基地建設を推進する4人の自民党候補(小選挙区)はすべて落選し、新基地反対を訴えた4人の野党候補が当選した。昨年6月の沖縄県議会選挙でも、与野党が逆転する結果となり、新基地反対を訴える議員が議会の過半数を越える結果となった。

これを受けて翌月の7月、沖縄県議会では基地建設反対決議が行われている。基地建設に必要な環境評価調査(アセスメント)も、地元の反対で中断したまま、工事着工のめどさえついていない。

ここにきて大きなニュースが飛び込んできた。それは今年4月上旬に、嘉手納基地の米空軍F15戦闘機(50機)の削減を米政府が日本政府に打診してきたという。同時に米空軍・三沢基地のF16戦闘機約40機をすべて撤収させる計画も示されていた。今までは、三沢と嘉手納の米空軍戦闘機部隊は、北朝鮮の崩壊を見届けて撤退するものと思っていた。しかしアメリカは、もはや北朝鮮の軍事的脅威に備える必要性がなくなったと判断したと思われる。

となると、普天間飛行場の移設問題は、F15の撤退(一部)で余裕ができた嘉手納基地に収容するほうが、軍事基地としての効率性がはるかに高い。それに北朝鮮の軍事的な脅威が消滅したのに、約1挑円の建設費を投入して、新基地を建設する必然性が問われることになる。中国に対峙する基地としては、沖縄はあまりに中国に近すぎるからだ。

以上のような事情から、キャンプ・シュワブ沿岸に新基地建設はキャンセルされたと思われる。
鳩山新政権で外相になった岡田氏は、「昨年までの民主党マニフェストでは、普天間飛行場の移転先は「県外か国外」と書いているが、今年の衆院選のマニフェストでは県外という言葉は入っていない」と話す。

長く沖縄県民を悩ませた普天間飛行場移設問題は、嘉手納に移転することで、ひとまず終止符が打たれる見方が強まった。

◎ロサンゼルスのコレクターの寄付を受けてデンバー美術館に竹細工専用のギャラリーがオープン(8ページ)

デンバー美術館は9月26日に、アジア美術の展示会場の中に、東アジアの竹細工だけを展示する専用ギャラリーをオープンした。このギャラリーは寄付者の名前を取ってウォルター&モナ・ラッツ・ギャラリーと名付けられた。

ウォルター・ラッツさんは、日本が敗戦を宣言した直後に日本に上陸した米軍兵士だった。1947年5月にトルーマン大統領が米兵と日本人女性との結婚を認める命令を出すが、ウォルターさんと神奈川県湘南出身のモナさんとの結婚は、この大統領命令が適用された最初のグループだった。

ウォルターさんは、その後、軍属として日本に滞在しながら竹細工の収集を続け、集めた作品は、倉庫を借りなければ収まらないほど、膨大な量になっていた。

竹細工をデンバー美術館に貸し出したことが縁になり、ラッツさん夫妻を記念したギャラリーができることになった。ウォルターさんは2003年に92歳で亡くなっているが、モナさんは、現在もロサンゼルスに健在。ウォルター夫妻は1978年からロサンゼルスに住んでいる。

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by culturalnews | 2009-10-21 14:54 | 月別の日本語要約