英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


by culturalnews
◎映画「おくりびと」(英語タイトル=ディパーチャーズ)の監督インタビュー(P1,2,7)

滝田洋二郎監督インタビュー(配給会社から提供されたインタビュー記事を掲載。写真は5月に滝田監督の共同記者会見がロサンゼルスで行なわれたときに、カルチュラル・ニュースが撮影)

質問項目
この映画を作ろうというアイディアはどうやって沸いてきたのですか?
滝田監督
プロデューサーから納棺師の映画を作りたいという依頼を受けました。『納棺師日記』という本を読んで、この仕事のことは知っていましたが、実際にどのようなことをするのかは分かりませんでした。しかし、脚本を読んだときに、たいへん身近な話題であることに気が付きました。死をテーマにすることは、たいていの人はいやがりますが、わたしはそのテーマに人をひきつける魅力を見出しました。こうゆう感性は映画監督なら誰にでも、あるものだと思います。

質問項目
この映画を作らなければならいような個人的な理由があったのでしょうか?
滝田監督
死についての私の経験は限られたものだったので、このテーマを与えられたときは、興味を持ちました。葬式には参列したことはありますが、このような納棺をするという作業があることには、まったく気がつきませんでした。わたしが子供だったころ、葬式は自宅でやるもので、死が身近にありました。映画を作るための資料集めをしていて、わたしは、突然、人間はいつも死と隣合わせにいることを理解しました。葬式のとき、家族や親戚は死を受け入れています。

質問事項
今、この映画をどうしても作らなければならないと思った理由は?
滝田監督
死は人間すべてが経験しなければならないものですが、自分の死について考えることは誰しもいやなことです。この映画で他人の死を見ながら、自分に置き換えて、観客が自分の死について考えてくれことを期待しています。

質問事項 (以下は回答は略します)
映画作りには啓発するものが必要でしょうか、それとも、良いスタッフに恵まれていれば作れるものでしょうか?
この映画の特徴は何でしょうか?
この映画を作り終わったあとで、監督自身が変わったことは何でしょうか?

この映画のシーンの中で、監督自身が一番好きな場面は何ですか?
納棺という仕事は、人が死んだときに当然必要なことですが、これまで、知られていませんでした。この仕事について、どのように調べたのですか?

脚本を、コミカルな作品が得意な小山薫堂に依頼されていることに興味を持ちました。小山さんの書かれた脚本どおりを使われたのですか、それとも書き直しがあったのですか?
チェロ演奏がこの映画の中で、重要な役割を果たしていますが、作曲家の久石譲さんにはどのような指示をされたのですか?

日本でもアメリカでも仕事を失う人が増えています。これまで慣れた仕事をあきらめて、経験のない仕事をやらざるを得ない主人公の立場は、共感をよびます。俳優の本木雅弘さんはうまく、この仕事をこなしました。監督は俳優にどのような演技指導をされたのですか?

◎南カリフォルニアの日米協会が100周年記念行事を実施中(P1)

16人のアメリカ人と日本人によってロサンゼルスに日米協会が設立され、今日の会員数2000人を越える南カリフォルニア日米協会に発展したのが100年前。日米協会は2009年に行なわれる日本間係イベントの冠スポンサーになり、100周年を宣伝している。

日米協会が100周年記念後援行事と銘打っているものは、ゲッティー美術館で行なわれた江戸時代の漆工芸品展(ヨーロッパへ輸出された作品の展示、3月3日から5月25日まで)日本食材の日本からの輸出を促進するために酒フェスティバル(3月5)ドジャーズ球場での100人による着物観戦と着物を着た試球式(4月16日)全米日系人博物館での冨田伸明キモノ展(4月17日)。

100周年記念行事のメインイベントは、6月15日にユニバーサル・スタジオ内の劇場を借り切って行なう100周年記念晩餐会で、ワシントンの藤崎一郎・駐米大使が出席する。

◎春の叙勲で、UCLA名誉教授が旭日中綬章を受ける(P1)

UCLA日本研究センターの初代所長で、UCLAで歴史を教えていたフレッド・ノートヘルファー名誉教授(70歳)が春の叙勲で「旭日中綬章」を受け、その伝達式が5月12日にロサンゼルス総領事公邸で伊原純一総領事によって行なわれた。

ノートヘルファー名誉教授は1939年に東京で生まれている。父親は宣教師だった。第二次世界大戦中も日本で過ごしている。東京のアメリカン・スクールを卒業後、ハーバード大学に進み、後に駐日大使となるエドワード・ライシャワー氏から影響を受けている。

◎カリフォルニアの元実業家が日本美術を広めた功績で、旭日中綬章を受ける(P2)

中部カリフォルニアの農業地帯ハンファードに住む元実業家のウィラード(ビル)クラーク氏(78歳)が、日本美術を広めた功績で旭日中綬章を受け、その伝達式が5月22日に長嶺安政サンフランシスコ総領事によって公邸で行なわれた。

伝達式にはクラーク氏の運営する美術研究センターの支援者、職員そして、クラーク氏の家族など約100人が参加した。クラーク氏は職員やセンター運営理事会メンバーのひとりひとりを紹介し、同氏の叙勲がこれら関係者のお陰であるとさいさつした。

クラーク日本美術研究センターには一級品の日本画や日本美術品が約1500点集められており、収蔵品は年3回の展示で公開されている。ギャラリーには年間約5000人の入場者がある。

インターン・プログラムでは、毎年2人の日本美術の若手学者ヨーロッパや日本から呼び寄せて1年間、同センターに滞在させている。現在は12代目のインターンが東京から、13代目のインターンがドイツから来ている。

また高名な経営学者、故ピーター・ドラッカーを冠にした奨学金も出しており、2008年にはこの奨学金で三笠宮妃彬子(あきこ)さまが3カ月、クラーク・センターに滞在されている。5月22日には、彬子さまからのお祝いの花束が長嶺文子(あやこ)総領事夫人によってクラーク氏に伝達された。

◎軍事アナリスト神浦元彰の日本レポート:マスコミが報じないニュース「新型インフルエンザの空港検疫に自衛隊が初めて出動」(P2)
翻訳は東京在住、アラン・グリーソン

メキシコで発生した新型インフルエンザが世界各地に広まっている。日本は島国のため、昔から「災いは海の彼方からやってくる」という国民性が強い。だから主要な空港や港湾では世界で最も厳しい検疫体制が敷かれている。

その厳戒の成田空港に(5月に)新型インフルエンザ対策で自衛隊が初めて投入された。これは成田空港の検疫官が不足し、厚生労働省の要請で自衛隊の衛生部隊を派遣した。内訳は医官10名と看護官20名。すべて感染症や疫学専門の隊員である。さらに中部空港、関西空港にも、同じように自衛隊の衛生科隊員が検疫支援に向かった。

しかし、なぜ自衛隊の衛生部隊が空港に派遣されるのが初めてなのか。実は自衛隊に防疫能力があることをタブー視された時代があったからだ。日中戦争の時、日本は関東軍防疫給水本部として中国に派遣した731部隊は、チフスやペストの研究と称して、中国人を使った人体実験を繰り返し、実際の戦闘でも細菌を使った過去があった。

そのため自衛隊の衛生部隊は、けが人を救助し、病気を治す医療活動を重視し、細菌戦や化学戦への対処能力があることを積極的に公表することはなかった。しかし化学戦対処能力は地下鉄サリン事件(95年3月)によってタブー視されることはなくなった。そして今回、新型インフルエンザ対策で出動したことが、自衛隊関係者は細菌戦対処能力もタブー視することがなくなったと考えている。731部隊の亡霊もようやく消えようとしている。

◎第7回北米タイコ・コンフェレンスが8月7-9日にロサンゼルスで開催(P3,5,7)

2年ごとに開かれている北米タイコ・コンファレンスが、今年はロサンゼルスで開かれる。今コンフェレンスは登録者のみしか参加できないが、一般公開のコンサート「太鼓ジャム09年」の入場券の発売が始まっている。

「太鼓ジャム09年」の開催は8月8日土曜日の午後8時と9日日曜日の午後3時の2回。出場グループは、ラスベガス雷太鼓、ウエスト・コビナのキシン太鼓、プロの演奏活動をしているポートランド太鼓と、やはりプロ活動のロサンゼルスのオン・アンサンブル。

チケットはオーケストラ席が35ドル、バルコニー席が32ドル。

◎太鼓関連記事3本(P3)

シャスタ山ドラムフェスティバル、8月1日=北部カリフォルニアのシャスタ山を会場に行なわれる太鼓コンサートで、今年で5年目。約1000人の参加が見込まれる。入場料は25ドル、20ドル、15ドル。

マコト太鼓10周年記念コンサート、8月22日=パサデナの秀明アート・カウンセルが主宰するマコト太鼓の10周年記念コンサートがサンガブリエル・ミッション・プレイハウスで行なわれる。出演はマコト太鼓の中村浩二(グラミー賞受賞者)、サンフランシスコ太鼓道場の創立者田中誠一氏など。

輪島きりこ太鼓保存会アメリカ支部=6月11日にウエスト・ロサンゼルスのニベイ財団で太鼓クラスを行なう。その後、8週間の連続の太鼓クラスを予定。石川県の能登半島に伝わる伝統太鼓。

◎オレンジ・カウンティー仏教会の盆フェスティバル、7月18、19日(P3)

オレンジ・カウンティー仏教会は浄土真宗本願寺派の寺院だが、盆フェスティバルの1週間前の説教は、7月12日で、日本語部のゲストは高野山米国別院(真言宗)の旭清澄総監。

◎ロサンゼルスの日米文化会館のイベント(P3)

6月26日は野外上映で、無料のアニメ映画上映会=鉄腕アトム、鉄人28号、ボルトロン。午後7時30分からプラザで。

6月28日=日米文化会館の第29回アニバーサリー・ディナー・表彰式。会場は日米文化会館。

◎イベント紹介(P3)
裏千家淡交会ロサンゼルス協会の募金茶会=6月27日(土)パサデナ仏教会内の茶室で。ひとり45ドル。申込は6月3日まで。

ニベイ財団の日本スタディー・クラブ講演会=6月23日(火)はカリフォルニア州立ポモナ工科大学名誉教授の上杉武夫先生による「日本の庭の美しさ」。午後6時30分からディナー。講演は午後7時30分から。参加費は10ドル。

ガーデナ・バレー日本文化センターのカーニバル=6月27、28日。入場は無料。フード、ゲーム、エンターテイナメント。

◎ロサンゼルス・カウンティー美術館(LACMA)の新展示(P4)

LACMA日本館学芸員、ホリス・グッダル=当美術館の日本部門では年に、3、4回の展示作品の入れ替えを行なっている。展示物が小さい場合、作品が代わっても、見過ごしてしまうこともよくあるので、あらためて、現在、LACMA日本館で展示中の作品を紹介しておく。

最上階(3階)の2つの展示ケースでは平戸焼(三河内焼とも言う)の見事な陶器が展示されている。平戸藩が朝鮮から連れてきた陶工によって17世紀初めに始まった平戸焼は時の将軍家への献上品やヨーロッパへの交易品として優れた芸術性を維持してきた。19世紀になり、平戸藩御用窯から民間の陶芸業者に担い手が代わっても、優れた陶芸の伝統は守りつがれている。

寄贈品の徳利の陳列では、日本全国で作られた徳利を見ることができる。備前焼と丹波焼を並べて展示してあるので、この2つの産地の違いを比較してみることができる。備前焼は上薬を使わない焼き方で、粘土そのものの色や感触が作品を作り上げる。

プラザ階(2階)ロビー展示では、現代陶芸作品を見ることができる。新進作家の作品と並んで、人間国宝・松井康成の「練上」手法による作品がある。このほか、漆器作家の北村タツオ、鈴木睦美、山村慎哉らの精巧な作品が展示されている。

イースト・ウイングの階下には、アメリカで初めての神道で使う面の展示が行なわれている。面は桃山時代(14世紀から)江戸時代(19世紀)までが集められている。

◎ロサンゼルス・カウンティー美術館(LACMA)日本館の常設展示について(P4)

LACMA日本館は、日本国外では唯一の独立した日本美術専門の建物である。開設から20年の間に収拾された所蔵品の展示が行なわれている。

◎日本で陶芸に出会ったアメリカ人作家による茶碗、ぐい呑の展示会(P4)

ロサンゼルスのジュリー・バギッシュさんは30年前、夫の仕事で金沢に滞在中に陶芸に出会った。ロサンゼルスでは裏千家に入門して25年、茶道を学ぶことで、茶碗作りにも理解が深くなっている。茶碗とぐい呑の作品展が6月15日から27日まで、ティワンガのマックグロータリー・アート・センターで開催される。(メイヤー・マッカーサー記事)

◎パサデナのパシフィック・アジア美術館の日本ギャラリー(P5)

同美術館に寄贈されている日本美術品の展示が日本ギャラリーで行なわれている。写真は大正・昭和の日本画家・伊東深水(1898-1972)の「紅」(パート)2008年に寄贈されている。

◎スシ学校経営者アンディー松田のコラム(P5)

2カ月のスシ学校のコースを卒業したあとでも、卒業生にはレストラン経営についてのアドバイスを無料で提供している。

◎サンディエゴ日本庭園内での茶道クラスで5000人目の参加者を記録(P5)

裏千家チュラビスタ教室を主宰するスタット片山アヤコ・宗リョウさんは、サンディエゴ市内バルボア公園にあるフレンドシップ日本庭園内で2001年9月から茶道クラスを毎月第1水曜日に開いているが、この5月5日には5000人目の参加者を記録した。

サンディエゴ・フレンドシップ日本庭園には、茶室がないため、スタットさんは、毎回茶室を作るための道具を運んでいる。茶菓子は、スタットさんの知り合いで、たまたま京都に行く用事があるひとが、毎回、買って来てくれる。

5月5日の茶道クラスでは「日米和親条約=締結から155周年」をテーマに、茶碗はペリー提督の浦賀来航150周年記念の図柄が使われた。

茶杓(ちゃしゃく)は「戯風」の銘を持った、サンディエゴの石井ヨシノリさんの手作り。掛軸はキリスト教徒の社会変革者・賀川豊彦が1941年7月31日に書いたものが使われた。賀川はこのとき、日米の戦争を回避するためのルーズベルト大統領との交渉を日本政府に依頼されていたのだが、交渉が不調に終わり、米国を出発する際に、失意の心情を書き留めたもので、後に表装され掛軸となった。この掛軸は20年前にスタットさんが日本の知人から寄贈された。

◎合気道センター・オブ・ロサンゼルスの設立者、古屋顕正先生の急逝から2年目にあたり、古屋先生の歩みをふり返る(居合道の指導者、ゲーリー・マイヤーによるエッセー)シリーズ2回目(P6)

◎合気道によって不良少年から立ち直った日系アメリカ人(P6)
合気道センター・オブ・ロサンゼルスの合気道の指導者デビット・イトーによる古屋先生との出会いについてのエッセー

◎広告:カルチュラル・ニュース主催:アート&アンティーク・ショー(骨董市)(P7)
8月16日(日)午前10時から午後5時まで、リトル東京の京都グランド・ホテル内で日本美術品、骨董品の展示即売会を行なう。入場券は2ドル。出展者を募集中

◎広告:カルチュラル・ニュース主催:バス・ツアー、クラーク日本美術研究センター行き(P8)
7月18日(土)午前8時30分、リトル東京を出発、9時、ウエストウッド経由、クラーク・センターの夏の展示「美人画展」の見学、参加費=バス代55ドル、ギャラリー入場料8ドル。申込はカルチュラル・ニュースへ。
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カルチュラル・ニュース・クラブを始めました
会員募集中(現在購読されている方は自動的に会員になります)

カルチュラル・ニュースは今年で、創刊11年になります。日本文化・日本美術の愛好家に読まれる英字新聞をめざしてきましたが、新聞発行や美術館見学ツアー、源氏物語の紹介イベントなどの活動を通して多くの方と出会うことができました。

この出会いを、さらに発展させ、日本文化・日本美術をこのロサンゼルスで広めていく活動の場として、このたび「カルチュラル・ニュース・クラブ」を設立しました。会費は1年で25ドルです。このカルチュラル・ニュースの1年分の購読と、カルチュラル・ニュース主催イベントの案内が特典となります。

またグループ・団体会員も作りました。会費は1年200ドルで、1年間、カルチュラル・ニュースを毎月60部差し上げますので、グループ・団体内で、配布できます。

カルチュラル・ニュース・クラブの会員申込書
(すべて、ローマ字で記入ください)
名前:

住所:

Eメール:

Cultural News宛ての25ドルの小切手を添えて、下記に郵送ください。
Cultural News, P.O. Box 48678, Los Angeles, CA 90048
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日本からの申し込みの場合は、年会費は6000円、または60ドルです。

下記の郵便振替口座をご利用ください。
口座名:カルチュラル・ニュース日本支局 
口座番号:00220-0-45054
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グループ・団体会員についてのお問合せは下記まで、ご連絡ください。

カルチュラル・ニュース 発行責任者・編集長 東 繁春
電話 (213)819-4100  Eメールhigashi@culturalnews.com
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# by culturalnews | 2009-06-14 13:31 | 月別の日本語要約
朝日新聞への投書 2009年5月27日
  
 新聞業界の不振が長く続き、その原因は若者の活字離れ、インターネットによる無料情報の氾濫と言われている。しかし、この説明は、まるで、破綻している米GM社が、車が売れないのは、消費者が悪いと言っているのと同じではないか。

 新聞が売れなくなっている第一原因は、新聞に商品価値=情報価値がなくなっていることである。日本人の日常生活における海外から、とりわけ米国からの影響は年々大きくなっている。米国での政治・経済・文化の動きが日本国内に直結している時代である。

  朝日新聞はロサンゼルスには百人、ニューヨークとワシントンには、それぞれ二百人の記者を常駐させるべきだ。そうしなければ、朝日新聞は、今の日本の読者が求めるニュースを提供できない。

 この数は、全国の朝日新聞記者二千人の四分の一に当たる。新聞社もそれくらいの大リストラが必要な時代に来ている。日本の製造業は八十年代から、生産設備を海外に移転する大リストラをしたために、世界的競争に勝ち残っている。

 それに比べると日本の新聞社は、過去三十年間、ほとんど変革をしていない。
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# by culturalnews | 2009-05-27 16:34 | エッセー
◎クラーク日本美術・文化研究センター(中部カリフォルニア・ハンフォード)の夏の展示企画 「日本的な美:魅惑、退廃、好色、怪奇」5月24日から8月1日まで (P1、P2、P5)

展示の説明=世界的に知られている浮世絵は、江戸で作られ大衆向けに販売された絵で、描かれている内容は平面的で、ステレオタイプの構図が多い。江戸時代、京都で描かれた日本画は、富裕層のパトロンの注文で制作されており、内容は、魅惑、退廃、好色、怪奇と、人間のもつあらゆる様相や感情が対象になっている。

クラーク・センター夏の展示では、これまで、海外ではほとんど紹介されていない、こうした京都で制作された江戸時代後期の日本画30点が、並べられる。作家では、祇園井特(ぎおん・せいとく、1781-1829)と三畠上龍(1830年代)の作品が中心に、なっている。このほか、柴田是真(しばた・ぜしん、1870-1891)河鍋暁斎(かわなべ・きょうさい・1831-1889)月岡芳年(1839-1892)が描いた幽霊の絵も展示される。

三畠上龍(みはた・じょうりゅう)作の「娘と子供図」(1ページの日本画)=絹本著色、双幅、19世紀半ばの制作=三畠上龍は天保期(1830-44)ころ、京都で活躍した肉筆美人画の絵師として知られている。荒く勢いのある奔走な描線を特徴とする独特の個性を持つ絵師で、一人立ちの美人を描いた掛軸作品を多く残している。

この図は異色の題材で、立美人図に、円窓から目を広げ見て外に向かっている少年の図が取り合わせられた双幅である。桜樹の前で風に吹かれる裾を気にしながら立つ娘の姿は、典型的な上龍らしい画風を示しており、大胆でやや煩雑な衣裳線や彩色にその強い個性を見ることができるであろう。

一方梅樹の側の円窓からのぞく少年は、指で目を広げて血走る眼球をあらわにし、歯をむき出して口を大きく開けた様子がたいへん奇異であり、他の上龍作品どころか浮世絵の題材全般にも思い当たらない内容でもあるので、何か特殊な注文によって制作されたものと想像される。

クラーク・センター=この展示「日本的な美」の企画は、同センターのアシスタント学芸員の田中圭子さんによる。田中さんは、ロンドン大学で修士号を得たのち、立命館大学で博士号を取得している。日本画のほかに、人形やおもちゃについても研究している。

カルチュラル・ニュース・バス・ツアー=7月18日(土):午前8時30分、リトル東京・京都グランド・ホテル前を出発:午前9時、ウエストウッド経由:12時-3時、クラーク・センター:午後6時30分、ウエストウッド:午後7時、リトル東京。バス代=55ドル、入館料(ギャラリー内解説費を含む)=8ドル。申込は info@culturalnews.com、(213) 819-4100 へ。定員25人、先着順。

◎バウアー・ミュージアムの「サムライの宝物展」=戦(いくさ)の時代と平穏な暮らしの時代に見る日本美術(東洋美術専門家・メーヤー・マッカーサーの記事、P1,P4)

バウアー・ミュージアムで始まっている「東京国立博物館の所蔵品:侍の宝物展」は、国宝や重要文化財を含む81点が展示されている。展示期間は6月14日まで。

展示されている国宝は、鎌倉時代中期(13世紀)の備前の刀工・助真(すけざね)が作った刀。江戸時代に紀州徳川家に納められ、伝えられてきた。鞘は19世紀に作られており、徳川家の家紋が彫りこまれている。

戦(いくさ)の時代に使われた道具の展示では、刀のほか、鎧、陣羽織が出展されている。戦のなかった江戸時代に武士が使っていた道具として、武士階級の間で発達した茶器や能装束などが出展されている。

カルチュラル・ニュース見学会=5月31日(日)午後1時から、日本美術コレクターのプライス悦子さんといっしょに「サムライの宝物展」を見学します。参加費は9ドル(入館料を含む)。申し込みは info@culturalnews.comまたは電話 (213)819-4100へ。人数に限りがあります。先着順。プライス悦子さんは夫のジョー・プライス氏と供に「プライス・コレクション」と呼ばれる国立博物館所蔵レベルの日本画を300点以上、収集しています。バウアー・ミュージアムの「サムライ」展にも、プライス・コレクションから「義経物語」の大型屏風が貸し出されています。

◎バウアー・ミュージアムの「サムライの宝物展」のオープニング・イベントに江戸千家の副家元・川上紹雪氏が講演 (P1,4,7)

◎カリフォルニア州立大学ロングビーチ校の日本人学生による「スナゴケ」の耐久性を調べるプロジェクト(P2)

◎ロサンゼルスの日米文化会館で、ガーデン・ボランティアを募集する(P2)

◎映画「おくりびと」(英語名:ディパーチャーズ=旅立ち)が全米で。5月29日から一般公開へ(P3)

◎南カリフォルニアの浄土真宗の盆踊り日程の一覧(P3)

◎沖縄県人会芸能部の恒例発表会「うたやびら・うどやびら=歌いましょう・踊りましょう」が5月24日、トーレンスのアームストロング劇場で(P3)

◎文化財漆修復家、山下好彦氏の講演会がゲティー・センターで、5月23日(P3)

ロンドンのビクトリア&アルバート・ミュージアムに所属される17世紀初頭に京都で製作された漆塗りの衣裳箱は、所有者の名前から「マゼラン・チェスト」と呼ばれている。装飾は「源氏物語」をモチーフにした豪華な作り。しかし、マゼランチェストは損傷が著しいことから幾度となく修復の必要が言われてきた。数年前、ゲティー財団、東芝文化財団、国際交流基金の援助で修復がロンドンで行なわれて、マゼランチェストは、2008年に日本で里帰り展示が行なわれ、5月24日までゲティー・センターで展示されている。

5月23日午後4時からゲティー・センター・レクチャーホールで、この修復を担当した文化財漆修復家、山下好彦氏の講演会が行なわれる。入場は無料だ、予約が必要。電話 (310) 440-7300へ。

◎ニベイ・ファンデーションの5月のジャパン・スタディー・クラブは小倉祇園太鼓について講演と実演、5月19日に(P3)

◎3月にロングビーチで行なわれた「海外の日本庭園についての国際会議」の要約と参加者からの感想文(P5)

◎合気道センター・オブ・ロサンゼルスの設立者、古屋顕正先生の急逝から2年目にあたり、古屋先生の歩みをふり返る(居合道の師範、ゲーリー・マイヤーによるエッセー)(P6)
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# by culturalnews | 2009-05-20 16:30 | 月別の日本語要約
(2009年5月16日記)   

 ことばは「関係」をあらわすものである。わたしを生んで育ててくれた男女は、わたしや、わたしの妹・弟にとっては「父・母」という存在である。わたしには子供がいないのだが、妹夫婦、弟夫婦に子供ができると、親族間では、この男女のことを「おじいさん・おばあさん」と呼ぶようになる。
 こんな、当たり前のことを、あえて書いてみたのは、移民問題を考えるときに、当たり前のように使っている「日系〇〇人」という用語について、考え直してみることが必要と、思うからだ。

 わたしはアメリカに住んでいるので「日系アメリカ人」を例に使う。実は、「日系アメリカ人」は英語「ジャパニーズ・アメリカン」の翻訳である。そして「ジャパニーズ・アメリカン」という用語は、1960年年代までは、アメリカに存在しなかった。1950年代の米国移民法の改正で、日本人移民の帰化が認められるようになるまでは、日本人はアメリカ人(市民)になることができなかった。アメリカ生まれの二世たちは、生まれながらにしてアメリカ市民ではあるが、日米開戦が始まった1941年には、まだ、10代が多く、一人前扱いされていなかった。日米戦争が終わった直後の1950年代のアメリカでは、日本は「悪」の代名詞で、日本人のアイデンティティーを主張できるような寛容さはアメリカにはなかった。

 1970年代、カリフォルニア大学バークレー校から始まった学生運動の中で、アジア人のアイデンティティー主張が起こり、「エイジアン・アメリカン」(アジア系アメリカ人)という用語が作られた。「ジャパニーズ・アメリカン」という用語はその派生である。

 一部の過激派学生の政治用語として使われ始めた「アジア系アメリカ人」「日系アメリカ人」が、アメリカ社会に定着したのは、なぜか。それは、1970年代のアメリカ資本主義は、多民族マーケットを必要としていたからだ。資本主義は常にマーケットを拡大させていかなければならない。アメリカの白人資本主義マーケットは、1960年代で、飽和状態に陥っていた。そこで、目をつけたのが、黒人やアジア人移民の多民族マーケットである。奴隷から解放されて3代目になる黒人、農業労働者だった一世たちの3代目も、1960年代には、大学教育を受け、資産を作り、アメリカ市民になる要件を備えるようになっていたのだ。
 だから、アメリカ社会は積極的に、アジア系移民、日本人移民の子孫たちを受け入れる体制に入る。そこで、「アジア系アメリカ人」「日系アメリカ人」という用語が定着する。

 1970年代アメリカの社会状況と、現在、そしてこれからの日本の社会状況の共通点は、従来は視野に入ることもなかった、多民族と積極的な関係を築いていかなけらばならない点である。
 1970年代のアメリカのやり方を見習うと、ブラジルから来て日本で働いている人たちは、「ブラジル系日本人」と呼ぶのが妥当である。また、彼らは二重の意味で「ブラジル系日本人」である。日本からブラジルに渡った一世は、日本文化を生涯もちながら、ブラジル国籍を取得して生涯を終えたという意味で「ブラジル系日本人」なのだ。

 わたしは、ロサンゼルスに暮らして30年近くになるが、日本を離れた場所で長く暮らせば、暮らすほど、わたしの日本人としてのアイデンティティーは強くなって行く。これは、世界に共通する現象だ。多民族社会の中で、頭角を現す人は、アメリカ社会に同化したタイプではなく、自国の文化を強く持っている人のほうが多い。日本人移民で見れば、アメリカ社会への同化が進んだ二世世代よりも、日本文化丸出しの一世のほうに、大事業家が多い。

 ことばによって社会は作り出される。「日系〇〇人」という用語を使い続ける限り、外国人と日本人の境界はなくならない。日本が今後、多民族社会をめざすのであれば、まず「〇〇系日本人」の用語を定着させることが必要と思う。ロサンゼルスの日本人の間で、「在日韓国人」のことを「コリアン・ジャパニーズ」(韓国系日本人)と呼ぶ人も現れている。この方向は、すでに始まっているのかも、しれない。

「〇〇系日本人」の用語は、日本国内の文化・歴史を考え直すきっかけも与えてくれる。わたしは、ロサンゼルスでは、沖縄県人会の文化行事をよく取材するが、沖縄と日本は、まったく違う文化であることを、毎回強く感じる。沖縄語にある「ウチナンチュー」と「ヤマトンチュー」は、まさに「沖縄系日本人」と「ヤマト系日本人」である。        (了)
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# by culturalnews | 2009-05-16 16:36 | エッセー
◎バウアー博物館で、サムライ展(1ページから4ページへ)

国立東京博物館所蔵81点が展示される「サムライのアート=武士の宝物展」が、4月19日から6月14日まで、オレンジ・カウンティー、サンタアナ市のバウアー博物館で開催される。

国宝や重要文化財を含む刀、鎧、茶器、屏風、絵巻物、能装束が展示される。江戸時代に作られたものが中心。展示は2部構成で、「サムライの衣裳」コーナーでは刀、鎧などが展示される。「サムライの文化」コーナーでは能衣裳、茶道具、婚礼装束、嫁入道具、装飾品、日用品、家具などが展示される。

また、オレンジ・カウンティに住む世界的に有名は日本画コレクターのプライス(ジョー、悦子)夫妻からは「義経物語」屏風が貸し出され展示される。

この展示は、日本航空、カレン・マックガリー、ウイリアム・ギリスピー財団、東芝国際財団の協力・援助によって実現した。

◎サムライ展:江戸千家副家元がオープニング式に参加(1ページから5ページへ)

江戸千家の川上紹雪(かわかみ・じょうせつ)副家元が東京から駆けつけ、4月19日に行われるバウアー博物館のサムライ展のオープニング式に参加する。

4月19日オープニング・プログラム
10:00AM 太鼓センター・ロサンゼルスの太鼓演奏で、川上・江戸千家・副家元を迎え、オープニング。粟屋会による琴演奏。

10:30AM – 11:30AM 川上副家元の講演「茶道について」
11:30AM – 1:00PM 粟屋会による琴演奏。日本食フード・サンプリング
12:00PM – 1:00PM 芥川婦身さんによる着物ショー
1:00PM – 1:30PM フグ・ビレッジによるサムライ・アクション・ショー
1:30PM – 2:30PM オキシデンタル大学モーガン・ピツルカ教授による講演「徳川家康の政治と武家文化」
2:30PM - 3:30PM 江戸千家によるお茶のお手前
3:30PM – 4:30PM 若柳久女師匠の日本舞踊と比嘉ベンさんの沖縄舞踊

4月25日(土)1:30PM 講演 「刀のたましい」30年以上の経験を持つアメリカ人の刀職人、フィル・ハーツフィルド親子を招いての対話

5月3日(日)1:30PM 講演「武士のあだ討ちと徳川幕府の秩序」ポモナ大学のサミエル・ヤマシタ教授

5月14日(木)6:30PM 「きき酒」お話と試飲 日本美術の専門家メーヤー・マッカーサーが解説

5月16日(土)1:30PM 講演「日本の城とその所蔵品」スクリプト大学のブルース・コーツ教授によるサムライの美意識と建築の解説

5月30日(土)1:30PM 講演と実演「茶道とサムライ」ソーチ・ノモト氏による講演とお茶のお手前

5月31日(日)1:30PM 講演「日本刀と兜」スクリプト大学のブルース・コーツ教授の解説

6月14日(日)1:30PM 京都の着物スタイリスト冨田伸明さんによる着物の話と着物ショー

◎京都で着物デザインと着付けサービス会社を経営する冨田伸明さんが、4市1県から文化親善使節を引き連れ、ロサンゼルスとサンフランシスコで着物PR(1ページから2ページ)

テレビ、映画、舞台で使われる着物の着付けから着物デザイン・着物作りまで、着物に関する全般のサービスを提供している(株)京香織(冨田伸明社長)は、4月14日から21日まで、4市1県の文化親善使節約50人をロサンゼルスとサンフランシスコに派遣し、着物のよさをアメリカ人に紹介するイベントを行なう。

自ら着付けや着物デザインを行なう富田伸明社長は、2006年から頻繁にアメリカ西海岸をを訪れ、これまで、サンフランシスコ、パロアルト、マウンテン・ビュー、ラスベガス、ロサンゼルスで着物紹介イベントを開催している。サンフランシスコのアジア美術館とパロアルト市役所には、冨田社長によるデザイン帯が寄贈されている。

今回は、兵庫県豊岡市、富山県氷見市、秋田県横手市、佐賀県嬉野市、そして三重県内から文化親善使節を募集し、4月16日のプロ野球ドジャーズ球場での着物を着ての観戦、翌17日のロサンゼルスにある全米日系人博物館での着物ショー、そして4月19日にはサンフランシスコの桜祭りパレードに着物を着て参加する。

京香織は、NHK紅白歌合戦をはじめ、有名テレビ番組、映画、舞台など、これまでに、延べ2000件の着物提供をしてきた。17日のロサンゼルスでの着物ショーでは、地方の特色を生かしたリンゴ染め(青森・横手市)鳩麦茶染め(富山・氷見市)温泉染め(佐賀県嬉野市)で作った帯や着物によるファッション・ショーを行なう。

16日の野球観戦では、南カリフォルニア日米協会100周年を記念して、冨田社長のデザインによる羽織を、冨田社長自身が着て、試球式に登板する。

◎山野美容学校による着物ショー(1ページから5ページ)

東京の山野美容学校による「山野愛子生誕100周年記念きものショー」が3月22日、アナハイム・ヒルトンで行なわれ、約200人が参加した。

平安時代の十二単(じゅうに・ひとえ)から婚礼衣裳、振袖など、山野美容学校の学生がモデルになり、あでやかな着物を披露した。山野美容学校の校長を務めるジェーン愛子・山野さんが、着付けを行なった。

◎京セラ創業者・稲盛和夫氏の「京都賞」の受賞者がサンディエゴに集まりシンポジウムを開催(2ページ)

京都に本社を置き、稲盛和夫氏が創業した「京セラ」は年間売上高が1兆3000億円にも上る超一流企業。京セラは1971年にサンディエゴに製造工場を開いているが、これは、日本企業によるカリフォルニア州内での工場開設第1号でもあった。

稲盛和夫氏は1984年に200億円の資財を投じて、世界的レベルで研究者、学者、芸術家を表彰する「京都賞」を設立、毎年11月10日に京都で3人の受賞者の発表を行なっている。この京都での受賞式に出席したサンディエゴ大学のアリス・ヘイズ学長の発案で、2002年から京都賞受賞者を招いた「京都賞シンポジウム」がサンディエゴで行なわれている。

8回目となる今年のサンディエゴでの「京都賞シンポジウム」は3月19日と20日、サンディエゴ大学のほか、計3カ所の大学を会場に行われ、延べ2500人が参加した。講演者は2008年京都賞受賞者のコンピューター科学者リチャード・カープ博士(カリフォルニア大学バークレー校教授)分子生物学者アンソニー・ポーソン博士(トロントのマウント・サイナイ病院サミュエル・ルネンフェルド研究所)哲学者チャールズ・テイラー博士(モントリオールのマギル大学名誉教授)の3人だった。

サンディエゴ「京都賞シンポジウム」の前夜祭を兼ねて、大学に進学する6人の高校生に1人1万ドルを贈る「京都賞奨学金」のための募金晩餐会がシンポジウム前夜に開かれている。今年は3月18日にサンディエゴに隣接するリゾート地ラホイヤにあるヒルトン・トーレパイン・ホテルで行なわれ、1人300ドルの参加費で、約500人が参加した。

2004年に始まった募金晩餐会は、サンディエゴの実業家・故トム・ファット氏と不動産業のマリン・バーンハム氏の発案によるもの。今年の募金晩餐会委員長は通信機器大手クワルコム創業者のアーウィン・ジャコブ博士と地元実業家のコンラッド・プリビー氏が務め、委員会にはサンディエゴ・ナショナル銀行社長のロバート・ホースマン氏、ユニオン・バンク(東京三菱ファイナンシャル・グループ)社長の田中マサアキ氏、ナショナル・ユニバーシティー学長のダナ・ギブソン博士が参加していた。

奨学金は、京都賞の受賞対象となった研究分野に進む、サンディエゴとメキシコ側ティワナの高校生に贈られる。「京都賞シンポジウム」の会場になったのは、サンディエゴ大学、サンディエゴ州立大学、カリフォルニア大学サンディエゴ校の3校。

写真は、募金晩餐会で(左から)クワルコム創業者のジャコブ博士、京都賞受賞者のカープ博士、稲盛氏、そして京セラの梅村カズオ氏(写真提供は、京都賞シンポジウム)

◎日本写真家協会による「戦後60年の日本の子供」写真展、4月25日から5月24日まで、日米文化会館ドイザキ・ギャラリーにて(3ページ)

◎作曲家・武満徹(1930-1996)をテーマに、コンサートやシンポジウムを開催、4月25-26日(3ページから7ページ)

質の高い芸術の普及をめざしているパサデナの「シューメイ(秀明)アーツ・カウンシル・オブ・アメリカ」は、設立10周年記念イベントとして「静寂に対峙する:武満徹の世界」と題したフェスティバルを4月25、26日(土、日)に、同団体が所有するシュウメイ・ホールで開催する。

シューメイ・アーツ・カウンシルは滋賀県信楽にあるミホ・ミュージアムの設立理念に啓発されて発足している。

この武満イベントは、4月24日(金)午後7時からパサデナのパシフィック・アジア美術館で行なわれる講演会「書における日本の文人」で始まる。日本での生活が長く、日本の伝統文化に詳しいアレックス・カーが講演する。また、アレックス・カーの書の展覧会は、3月13日から5月10日まで、シューメイ・ホール・ギャラリーで開催される。

「静寂に対峙する:武満徹の世界」は、日本人の自然観から生まれた独自の感性である「間」とそれに触発され、独自の世界を築き上げた日本を代表する作曲家、武満徹の音楽を通して「間」の根底にある日本文化の精神性を探ることが目的。シンポジウム、伝統芸能のコラボレーション、ドキュメンタリー映画の上映、武満作品のコンサートが行なわれる。

4月25日(土)午後1時からのシンポジューム「武満:自然と間の概念」では、日本文化と自然観に基づく日本独自の感性である「間」とその「間」によってもたらされる恩恵について武満の音楽を踏まえながら4人の日本通のアメリカ人が話し合う。パネリストは、ピーター・グリーリ(ボストン日本協会・会長、文化勲章受章者) アレックス・カー(作家、書道家、日本研究家、庵プロジェクト会長) ジェフ・ヴォン・ダー・シュミッド(サウスウエスト・チェンバー・ミュージック 音楽監督兼指揮者=グラミー賞受賞者) シャロン・フランケモント(ライフサイエンス財団教育部長, 直感力研究家、カウンセラー)。司会は、マーティン・パーリッチ(作家、プロデューサー、ラジオ番組ホスト)で、武満の音楽を、上野・ギャレット淳子がピアノ演奏する。

4月25日(土)午後4時からの伝統芸能のコラボレーション「間:音と静寂」では、日本文化を代表する芸能、芸術、東洋と西洋の楽器を融合させて、幽玄と自然を兼ね合わせた武満の世界を作り出す。サウスウエスト・チェンバー・ミュージックによる武満のピアノ曲「雨の樹素描」と、遺作「エアー」の演奏が行なわれる。武満の姪にあたる、作曲家・吉良春乃(きら・はるの)が作曲した「ムーンライト・ベール」「ブリース・フォー・ザ・ムーン」の演奏に合わせて、日本舞踊・坂東流の坂東秀十美の踊りがある。グラミー賞受賞・和太鼓奏者・中村浩二の作曲による「静謐(せいひつ)-武満を想う」の初演が中村自身の和太鼓と横笛演奏によって行なわれる。松山夕貴子の即興琴演奏で玉置雅律(たまき・まさのり=武者小路千家)のお茶のお手前とアレックス・カーによる屏風一双への揮毫が行なわれる。会場には、小池澄男の写真が展示される。「間:音と静寂」は、武満の甥、設楽幸嗣(したら・こうじ)が制作し、ドン・ライデル (フィルム・プロデューサー、シューメイ・アーツ・カウンシル理事)が演出する。

4月26日(日)午後1時からのドキュメンタリー映画「ミュージック・フォー・ムービー:武満徹」は、武満本人や、武満が音楽を担当した映画の監督たちが登場し、映画作りや作曲について語る。上映前にはこの映画のプロデューサーのひとりピーター・グリーリの説明と、設楽幸嗣の「叔父武満を語る」がある。
4月26日(日)午後3時からは、サウスウエスト・チェンバー・ミュージックによる、武満作品のコンサートが行なわれる。二日間とも入場は無料。問い合わせは、電話(626)584-8841まで。

◎沖縄県人会芸能部による舞踊ショー「うやたびら、うどゃびら」、5月24日、トーレンスのアームストロング劇場で(3ページ)

◎ジャパン・フィルム・フェスティバル(3ページ)

日本の映画を紹介する映画祭、4月10日から16日がサンタモニカのレムリー・モニカ・フォープレックスで、4月17日から19日が、ロサンゼルスのダウンタウン・インデペンデント劇場で、4月25-26日がアーバインのスタープレックス・シネマで。

オープニング・フィルム= アニメ「スカイ・クロラ」 押井守監督作作品(2008年制作) 4月10日午後8時上映

クロージング・フィルム= 「休暇」 門井肇監督作品(2008年制作) 4月19日午後6時上映

米国初公開=「252生存者あり」 水田伸生監督作品(2008年制作) 4月12日8:30PM、19日午後3時、26日午後5時上映

緒方拳追悼作品・米国初公開= 「長い散歩」(2006年制作) 4月13日午後4時、14日午後6時30分、17日午後7時上映

緒方拳追悼作品= 「復讐するは我にあり」 今村昌平監督作品(1979年制作) 4月14日午後3時30分、17日9時45分上映

米国初公開= 「バッテリー」 滝田洋二郎監督作品 (2007年制作) 4月12日午後3時、19日正午、26日正午上映

LA初公開「Always続・三丁目の夕日」 山崎貴監督作品(2007年制作)4月12日午後5時30分、18日正午、25日2時30分上映

LA初公開=「ICHI」 曽利文彦監督作品 (2008年制作)4月11日上映
LA初公開=「エヴァンゲリヨン新劇場版:序」 庵野秀明監督作品 (2007年制作) 4月11日上映
LA初公開=「蟲師」 大友克洋監督作品 (2007年制作) 4月11日午後4時10分上映

LA初公開=「人のセックスを笑うな」 井口奈巳監督作品 (2005年制作) 4月13日午後6時45分、14日午後9時30分、15日午後6時30分上映

「叫」 黒沢清監督作品 (2005年制作)4月10日午後5時30分、13日午後9時45分、18日午後7時45分上映

「ベアテの贈りもの」 藤原智子監督作品 (2005年制作) 4月12日午後1時、18日午後2時45分、25日午後6時上映

「選挙」 想田和弘監督作品 (2007年制作) 4月11日午後1時上映

米国初公開=「土徳 - 焼け跡地に生かされて」 青原さとし監督作品 (2003年制作) 4月15日午後3時30分上映

「腑抜けども、悲しみの愛を見せろ」 吉田大八監督作品 (2007年制作) 4月13日午後1時15分、15日午後9時30分、18日午後5時15分上映

「ヨコハマ・メリー」 中村高寛監督作品 (2005年制作) 4月10日午後1時、15日午後1時15分上映

「サクラから始まる短編集」 古新舜監督作品 (2005、07、09年制作) 4月16日午後6時30分、17日午後4時30分上映

「はんなり」 曽原美三友紀監督作品 (2006年制作) 4月25日午後3時30分上映
「宮武東洋が覗いた時代」 すずき・じゅんいち監督作品 (2009年制作) 4月26日午前10時上映
「死線を越えて- 賀川豊彦物語」 山田典吾監督作品 (1988年制作)4月25日午前10時、午後1時上映

◎高松市の彫刻コンテストで海外からの参加者を募集(4ページ)

石の産地・香川県牟礼町・庵治町で1988年から行なわれてきた「石のさとフェスティバル”石の彫刻コンクール展“」は、牟礼町と庵治町が隣接の高松市と合併したことで、高松市の主催となり、名称を「瀬戸の都・高松”石彫トリエンナーレ2009」に変更した。

従来どうり、海外からの参加者を募集している。出展応募者の書類審査期間は6月6日から15日の間で、最終審査の合格者は、10月に牟礼町・庵治町に招かれ、現地で石の彫刻の制作作業を行なう。問合せは高松市国際文化振興課まで。

◎中部カリフォルニアのクラーク・センターのスプリング・フェスティバルは5月16日(4ページ)
今年は、盆栽コンテストがメイン。全米から17作品を募集して品評会を行なう。一等の賞品は2500ドル。

◎クラーク・センターで俳画のレクチャー(4ページ)
5月10日午後2時からバージニア州リッチモンド大学のステフェン・アディス教授による俳画についてのレクチャーがある。

◎軍事分析家・神浦元彰のレポート「小沢秘書逮捕の政治スキャンダルで普天間基地移転が再始動か」(6ページ)

翻訳はアラン・グリーソン(在東京)

小沢一郎・民主党代表の政治資金を管理する公設第一秘書が逮捕された。遅くとも、この秋までに予定されている総選挙では、メディアの世論調査で、自民党は大敗して民主党が大勝すると推測されていた。

それなのに東京地検特捜部は、次期首相候補に最も近い民主党代表の金庫番を、政治資金の収支報告書虚偽記載で逮捕した。従来なら、修正申告で済む問題だと言われている。

なぜ東京地検特捜部は国策捜査と非難されることを覚悟で、この時期に、どのような理由で大ナタを振り下ろしたのか。ここで鮮明に思い浮かぶのは、民主党が政権を取れば普天間基地(沖縄県)を同県の米軍キャンプ・シュワブ沿岸に移転案を、すべてリセットしてゼロから検討を始めると表明したことである。(産経新聞 1月6日付け)米海兵隊がキャンプ・シュワブ沿岸に、普天間基地の代替え基地を作ることは、すでに日米政府が何度も合意し、確認文書を取り交わした経緯があった。

昨年12月19日、次期駐日米大使に内定していたジョセフ・ナイ氏が来日し、都内のホテルで民主党の菅直人民主党代表代行と鳩山邦夫幹事長と会い、ナイ氏は「日米地位協定や普天間飛行場の移転見直しに動いたら反米と受け止める」とクギを刺したという。

この会談の席には、普天間基地移転問題を米側代表でまとめたキャンベル元国防副次官補がいたという情報もある。しかし民主党幹部の二人から責任ある言葉は出なかった。

2月、クリントン国務長官が初訪日した際にも、小沢代表と普天間基地移転問題を話し合った。小沢代表はキャンプ・シュワブ基地沿岸に代替基地建設の確約はしなかった。名護市の地元住民、沖縄県、地元産業界、政治家や官僚など、普天間代替基地をめぐる移転問題は複雑な政治利権が絡み合い、動きが取れない状態だからだった。

そんな時、小沢代表の「在日米軍のプレゼンスは第7艦隊で十分」という発言が飛び出した。これをアメリカ側はキャンプ・シュワブ沿岸基地建設が、また反古にされたと判断した可能性はある。

小沢秘書が逮捕された直後の3月7日、突然、麻生首相は沖縄を訪問した。課題の普天間基地やキャンプ・シュワブ沿岸を視察することなく、形式的に県知事と会談し、「米軍基地問題に全力で取り組む」とだけメッシージを残して帰京した。小沢秘書逮捕の裏に、大きな政治力学が作用し、これで普天間移転問題が再び現実問題に復帰したことは間違いない。


◎ロサンゼルスの沖縄県人会の100周年記念事業が8月に行なわれる(6ページ)

今年で、100周年を迎えるロサンゼルスの沖縄県人会は「いちぬー・いちまでん=いついつまでも、世代から世代への橋渡し」をテーマに作り、100周年をもりあげている。

8月に行なわれる100周年記念事業は、8月28日(金)ガーデナ仏教会を会場に借りて行なう討論会でオープンする。午前9時から。

8月28日午後7時からは、レドンド・ビーチ・パフォーミング・センターでミュージカル「キング・ショー・ハシ」が沖縄来る劇団によって公演される。沖縄に実在したショー・ハシ王を描いている。

100周年記念晩餐会は8月29日(土)トーレンス・マリオット・ホテルで行なわれる。約800人の参加者を予定している。沖縄県人会芸能部による民謡・踊りが披露される。

8月30日は、午前10時からリトル東京の日米文化会館プラザで、無料公開の沖縄文化紹介イベントを行なう。
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# by culturalnews | 2009-04-21 12:36 | 月別の日本語要約
◎「サムライのアート=東京国立博物館所蔵の”武士の宝物展”」がサンタアナのバウアー博物館で開催される(1ページから7ページへ)

「銅丸」(どうまる)は平安時代から室町時代にかけて発達した形式の鎧で、着用者の胴体周囲を覆い、右脇で引き合わせて留める。安土桃山時代には、構造が発達して「具足」(ぐそく)と呼ばれるようになった。江戸時代には再び、古い時代の形式が装飾品として復活してくる。江戸時代に作られた銅丸を模して作られた復古調の鎧(写真)は胴丸具足と呼ばれている。

具足を構成しているのは、兜(かぶと)面頬(めんぽう=マスク)胴(どう)大袖(おおそで=両肩から上腕を守る防具)籠手(こて=腕手を守る防具)膝甲(はいだて=鎧の下に着て股と膝を覆う)脛当(すねあて=脛から踝(くるぶし)までの覆い)。

江戸時代の大名がこうした具足を作らせたことから、大名具足とも、呼ばれている。これらの武具が展示される「サムライのアート=東京国立博物館所蔵の”武士の宝物展”」は4月19日から6月14日まで、サンタアナのバウアー博物館で開催される。同展示は、2008年5月から7月にかけてモスクワのクレムリン博物館で巡回展示されている。

◎日本庭園国際会議でアメリカ人の庭園設計家・ロン・ハーマンが講演(1ページから2ページ)

日本庭園国際会議が3月26日から29日まで、ロングビーチで開催されるが、会議初日に行なわれる公開講演は、アメリカ人の庭園設計家・ロン・ハーマンが担当する。ハーマンは日本庭園の設計者としても著名で、講演内容は、日本庭園の設計の仕方、池と庭の調和、気持を和らげる構造物と庭の組み合わせ、日本庭園とカリフォルニア・スタイルと呼ばれる現代的建築、そして民藝運動の影響などに及ぶ。

ハーマンは、カリフォルニア大学バークレー校で、著名なランドスケープ・デザイナー・ギャレット・エコブとローレンス・ハルプリンに学んだ。25エーカーの敷地に桂離宮を再現したコンピューター・ソフト会社の経営者ローレンス・エリソンの日本庭園を設計しているほか、野球選手のジョー・モンタナ、歌手のニール・ヤングなど多数の有名人の庭園を設計している。

ハーマンの公共建築の仕事では、ローレンス・エリクソンの経営するオラクル・コーポレーションの本社(カリフォルニア州レッドウッド・シティー)や首都ワシントンのナショナル・ギャラリーのイースト・ウイング・ガーデンがある。

参加費は、午後7時30分からの講演のみが20ドル。講演後のレセプション付きが50ドル。会場は、ロングビーチ・ヒルトン・ホテル。問合せは、カリフォルニア州立大学内日本庭園へ。

◎1640年に京都で作られた蒔絵漆器(まきえ・しっき)がロンドンの博物館から借り出され、ゲティー美術館で展示(1ページから、4ページと5ページへ)

日本の漆工芸は世界的に名高く、陶磁器をチャイナと呼ぶように、漆器がジャパンと呼ばれたことが、その浸透ぶりを象徴している。特に、金銀を用いて漆黒の地をきらびやかに飾る蒔絵(まきえ)は、桃山時代にはじめて来日したヨーロッパ人を魅了し、特注品が作られるほどになった。海外での蒔絵の人気はその後も途絶えることなく、遠く東洋からもたらされた贅沢な品として珍重され、フランス王妃マリー・アントワネットら王侯貴族は競って蒔絵を求め、宮殿を飾った。

3月3日から5月29日まで、ゲティー美術館で開催される「蒔絵で描かれた物語:ヨーロッパ人のために作られた日本漆器」展では、ロンドンのビクトリア・アルバート博物館が所蔵する「マザラン・チェスト」と呼ばれる衣裳箱が公開される。

マザラン・チェストは、フランスの太陽王14世をそだてた大政治家マザラン枢機卿の家紋が付けられていることから、この名称で呼ばれている。1640年ころ、京都でヨーロッパに輸出するために製作されている。蒔絵による装飾は、源氏物語、曽我兄弟の場面を現している。

ゲティー美術館でのもうひとつの展示品は、「バン・デーマン・ボックス」で、オランダの東インド会社の創設時(1600年代)の総督夫人マリア・バン・デーマンの名前が記入されていることから、この名称が付けられている。バン・デーマン・ボックスは、その後、18世紀には、ルイ15世の寵妃、フランスの実権を握っていたポンパドゥール夫人の持ち物となった。19世紀になって、「バン・デーマン・ボックス」と「マザラン・チェスト」はイギリスの大富豪ウイリアム・ベックフォードの所有となり、その後、ビクトリア・アルバート博物館が所蔵することになった。

これらの漆器は、数百年を経て、湿度や温度異なる場所に置かれていたため、破損が進んでいた。ビクトリア・アルバート博物館は、ゲティー美術館と国際交流基金の協力を得て、日本から文化財修復漆工専門家の山下好彦(日本文化財漆協会常任理事)を招聘、山下がビクトリア・アルバート博物館の修復担当者を指導した。

今回の展示は、この修復された漆器が、2008年10月18日から12月17日まで、京都国立博物館、そして2008年12月23日から2009年1月26日まで、東京のサントリー美術館で開催された「ジャパン=蒔絵、宮殿を飾る東洋の燦めき」展に出展され、その後、ロンドンに帰えされる途中に、ゲティー美術館で展示されることになった。

ゲティー美術館の展示では、主要なものは3点と少ないが、日本では、ヨーロッパ各地に残された貴重なコレクションに、日本国内で所蔵される国宝、重要文化財を含む名品を加えた約240点が展示された。日本の展示用に出版された日英版のカタログをゲティー美術館で販売している。

◎学生たちをひきつけるカリフォルニア州立大学ロングビーチ校のジャパン・クラブ
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ロサンゼルスの大学では「ジャパン・クラブ」という名称の学生クラブ活動が盛んになっている。カリフォルニア州立大学ロングビーチ校では、100以上もある学生クラブの中でも注目を集める存在になっている。同大学のアジア及びアジア系アメリカ人学部のダグラス小川昌子准教授は「わたしが、ジャパン・クラブの顧問をしていると言うと、同僚の先生からは、あの学生たちね、とすぐ分かってもらえる」と体験を語っている。

カリフォルニア州立大ロングビーチ校のジャパン・クラブは、2000年に、会計学科の学生たちの間で、発足したが、その後、活動内容は毎年、変化している。現在のジャパン・クラブは、会員数が約80人で、そのうち、約20人が日本人留学生だ。毎週、木曜日の午後USU305教室に集まる。午後3時から4時までは日本語勉強で、日本人学生がアメリカ人学生に、日本語を教える。午後4時から5時は日本文化アクティビティーという時間で、日本の習慣、遊び、流行などをやはり日本人学生がアメリカ人学生に説明する。そして、最後の時間、午後5時から6時までは就活(就職活動)対策の時間で、日本人学生同士が、就職情報の交換、模擬就職試験、模擬就職面接などを行い、本番に備えている。

ジャパン・クラブに集まる学生の動機やきっかけは、さまざまで、工業デザインを専攻している台湾からの留学生ウエン・リンの場合は、2年前に日本語のクラスを取ったこと。日本語クラスの先生からジャパン・クラブのことを聞き、クラブの日本人学生に日本語チューターになってもらった。その結果、日本語の成績がよくなり、ジャパン・クラブは欠かせないものになった。

名古屋市の隣、愛知県春日井市出身の内海悠子は、高校を卒業したときに、日本で希望の大学の入学試験にも合格していた。ところが、4月になって、友人がアメリカの大学に行くことを知り、急遽、アメリカ行きを決めた。外国に出て、視野を広めてみたかったのだ。まず、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校内にあるアメリカン・ランゲージ学校に入り、英語を勉強、それから同大学に入学した。1、2年生のときは、勉強すれば、いい成績が取れたものの、専門の生物化学に入ると英語が難しくなり、壁にぶつかった。その時、出会ったのがジャパン・クラブで、日本語を学ぼうとしているアメリカ人学生の手伝いをすることで、自信を取り戻し、外国語の習得にはアメリカ人も、同様に苦労していることを理解した。内海は、ジャパン・クラブの日本語勉強の担当で、毎回配布する日本語文章のプリントを用意する仕事を引き受けている。

千葉県幕張市出身の三石未央は、千葉県内の中学を卒業したあと、東京都武蔵野市にあるインターナショナル・スクールに入学した。この学校はアメリカやヨーロッパの高校へ生徒を送りだすことを目的の教育をしており、三石も、高校2年生のとき、ミネソタ州ウエスト・セント・ポールのキリスト教高校に編入した。そしてその高校を卒業して、隣の州のウエスコンシン大学で2年を過ごして、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校に編入した。中西部で4年間を過ごすうちに日本人としてのアイデンティティーが強くなり、日本人に会いたくなったのが、カリフォルニアに来た動機だった。

三石は、カリフォルニア大学ロングビーチ校では心理学を専攻している。三石は、ジャパン・クラブでは、日本文化アクティビティーの担当だが、初めてこの仕事を引き受けた2008年秋学期の始まりのとき、日本の遊びを思い出そうとして、折り紙しか思いつくことができず、自分が日本文化を知らないことに愕然とした。三石は、その後、毎週の日本文化アクティビティーのプログラムとして、双六、剣玉、紙風船、墨絵、そして折り紙を用意することができた。三石にとって、ジャパン・クラブは、日本文化を再発見する場になっている。

2009年春学期のジャパン・クラブ会長を引き受けているのは、東京都武蔵小金井市出身の湯田希美(ゆだ・のぞみ)。心理学を専攻している。高校を卒業した後、仕事をして留学資金を貯めて、シアトルの語学学校を経てサンタモニカ大学に入学した。サンタモニカ大学は、日本人留学生が多く、英語の勉強のために、日本人留学生とは、まったく交際しなかったが、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校に転入し、気持に余裕ができたことが、ジャパ・クラブに入るきっかけだった。クラブ探しをしているときに、勧誘に来たジャパン・クラブの日本人学生の英語がうまかったことに魅力を感じた。

◎作曲家・武満徹(1930-1996)をテーマに、コンサートやシンポジウムを開催、4月25-26日(3ページから7ページ)

質の高い芸術の普及をめざしているパサデナの「シューメイ(秀明)アーツ・カウンシル・オブ・アメリカ」は、設立10周年記念イベントとして「静寂に対峙する:武満徹の世界」と題したフェスティバルを4月25、26日(土、日)に、同団体が所有するシュウメイ・ホールで開催する。

シューメイ・アーツ・カウンシルは滋賀県信楽にあるミホ・ミュージアムの設立理念に啓発されて発足している。

この武満イベントは、4月24日(金)午後7時からパサデナのパシフィック・アジア美術館で行なわれる講演会「書における日本の文人」で始まる。日本での生活が長く、日本の伝統文化に詳しいアレックス・カーが講演する。また、アレックス・カーの書の展覧会は、3月13日から5月10日まで、シューメイ・ホール・ギャラリーで開催される(関連記事は4ページ)

「静寂に対峙する:武満徹の世界」は、日本人の自然観から生まれた独自の感性である「間」とそれに触発され、独自の世界を築き上げた日本を代表する作曲家、武満徹の音楽を通して「間」の根底にある日本文化の精神性を探ることが目的。シンポジウム、伝統芸能のコラボレーション、ドキュメンタリー映画の上映、武満作品のコンサートが行なわれる。

4月25日(土)午後1時からのシンポジューム「武満:自然と間の概念」では、日本文化と自然観に基づく日本独自の感性である「間」とその「間」によってもたらされる恩恵について武満の音楽を踏まえながら4人の日本通のアメリカ人が話し合う。パネリストは、ピーター・グリーリ(ボストン日本協会・会長、文化勲章受章者) アレックス・カー(作家、書道家、日本研究家、庵プロジェクト会長) ジェフ・ヴォン・ダー・シュミッド(サウスウエスト・チェンバー・ミュージック 音楽監督兼指揮者=グラミー賞受賞者) シャロン・フランケモント(ライフサイエンス財団教育部長, 直感力研究家、カウンセラー)。司会は、マーティン・パーリッチ(作家、プロデューサー、ラジオ番組ホスト)で、武満の音楽を、上野・ギャレット淳子がピアノ演奏する。

4月25日(土)午後4時からの伝統芸能のコラボレーション「間:音と静寂」では、日本文化を代表する芸能、芸術、東洋と西洋の楽器を融合させて、幽玄と自然を兼ね合わせた武満の世界を作り出す。サウスウエスト・チェンバー・ミュージックによる武満のピアノ曲「雨の樹素描」と、遺作「エアー」の演奏が行なわれる。武満の姪にあたる、作曲家・吉良春乃(きら・はるの)が作曲した「ムーンライト・ベール」「ブリース・フォー・ザ・ムーン」の演奏に合わせて、日本舞踊・坂東流の坂東秀十美の踊りがある。グラミー賞受賞・和太鼓奏者・中村浩二の作曲による「静謐(せいひつ)-武満を想う」の初演が中村自身の和太鼓と横笛演奏によって行なわれる。松山夕貴子の即興琴演奏で玉置雅律(たまき・まさのり=武者小路千家)のお茶のお手前とアレックス・カーによる屏風一双への揮毫が行なわれる。会場には、小池澄男の写真が展示される。「間:音と静寂」は、武満の甥、設楽幸嗣(したら・こうじ)が制作し、ドン・ライデル (フィルム・プロデューサー、シューメイ・アーツ・カウンシル理事)が演出する。

4月26日(日)午後1時からのドキュメンタリー映画「ミュージック・フォー・ムービー:武満徹」は、武満本人や、武満が音楽を担当した映画の監督たちが登場し、映画作りや作曲について語る。上映前にはこの映画のプロデューサーのひとりピーター・グリーリの説明と、設楽幸嗣の「叔父武満を語る」がある。
4月26日(日)午後3時からは、サウスウエスト・チェンバー・ミュージックによる、武満作品のコンサートが行なわれる。二日間とも入場は無料。問い合わせは、電話(626)584-8841まで。

◎京都を拠点の着物スタイリスト冨田伸明さんが、ドジャーズ球場で始球式に登場、4月16日(3ページ)

日本のテレビ・映画に着物を提供して、2000件を超える実績を持つ、京都を拠点とする着物スタイリスト(兼)デザイナーの冨田伸明さんが、南カリフォルニア日米協会の100周年記念イベントの一環で、4月16日にドジャーズ球場で着物デーイベントを行なう。4月16日(木)は、日本から100人以上の着物を着た観客を呼び、富田さんが始球式でボールを投げるときに、日米協会100周年のデザインをした羽織を付ける。

また、翌日4月17日(金)は午後6時30分から、リトル東京の全米日系博物館で着物ショーと講演会を行なう。詳細は、日米協会、電話 (213) 627-6217 へ。

◎モントレー・パーク市の桜祭り、4月18日、19日 (3ページ)
◎トーレンス市の姉妹都市委員会による「文化祭」、4月18日、19日 (3ページ)

◎キリスト教徒の社会運動家・賀川豊彦の生涯を描いた映画の上映会、4月11日、25日 (3ページ)
日本の近代化に幅広く活動した賀川豊彦(1888-1960)の生涯を描いた映画「死線を越えて-賀川豊彦物語」(1988年制作)の上映会。4月11日は午後2時からトーレンスのアームストロング劇場。4月25日は午後1時からアーバインのスタープレックス・シネマ・ウッドリッジ・ムービー5で。チケットは10ドル。

◎パサデナのパシフィック・アジア美術館で、ファミリー・デー、3月14日 (3ページ)
2月19日から8月9日まで開催中の「サムライ・リイマジンド:浮世絵からアニメまで」に合わせて、同美術館の3月のファミリー・デーは、アニメ、サムライをテーマに行なわれる。折り紙作りや鎧・兜の体験、剣道・合気道の実演など。美術館の入場は終日、無料になる。

◎熱海のMOA美術館で、ドイツから「ベルツ・コレクション」の里帰り展、3月28日から5月10日(4ページ)

特別展示「江戸と明治の華 – 皇室侍医ベルツを魅了した日本美術 -」。明治9年にお雇い外国人として来日したドイツ人医師エルヴィン・フォン・ベルツ博士(1849-1913)は、現在の東京大学医学部で教鞭をとるとともに皇室の侍医を務めるなど、日本の医学界の振興に多大な功績を残した。

その一方で、日本美術をこよなく愛し、25年間の滞在期間中に膨大な数の美術品を蒐集し、故国ドイツにもたらした。それが、ヨーロッパ有数の日本美術コレクションとして知られるリンデン民族学博物館所蔵の約6000点にのぼる「ベルツ・コレクション」となった。

MOA美術館では、このコレクションを中心に、リンデン民族学博物館の日本美術、ベルツの故郷に残る遺愛の品を加えた175点を精選し紹介する。特にリンデン民族学博物館が誇る日本美術コレクションをまとめて館外で展観するのは世界初。

◎ロサンゼルス日米文化会館で、日本庭園の専門家による講演、3月26日 (5ページ)

国際交流基金による講演企画で、3月26日(木)午後1時から3時まで、日本庭園の専門家の講演会がロサンゼルスの日米文化会館で行なわれる。参加費は10ドル。

講師は、京都市の中根庭園研究所代表の中根史郎さんと、東京農業大学造園学科の鈴木誠教授。中根さんは、古庭園の保存修理・伝統的な日本庭園の設計施工で世界的に有名だった故・中根金作さんの息子で、昭和25年生まれ、学習院大学哲学科を卒業して、父金作さんが作った中根庭園研究所に入った。

中根金作さんは、ボストン美術館の日本庭園や、アトランタのカーター大統領記念館の日本庭園を造っている。大阪芸術大学の学長も務めた。

中根史郎さんは、ワシントンのナショナル・ギャラリー・オブ・アートの日本庭園をはじめ、ドイツ、中国、オーストリア、ウクライナ、イスラエルなどで作庭や設計をしている。

鈴木教授は、海外の日本庭園について詳しい。2人は、ロサンゼルスのあと、ロングビーチ、シアトル、ポートランドで講演する。

◎(コラム)シェフ・アンディー松田の寿司学校:英語で調理師の講習を受ければ、世界が職場になる (5ページ)

2月22日に、大阪の読売テレビの「グッと地球便」で、わたしのことが約30分にわたって、紹介されました。この番組は、海外で仕事をしている日本人を紹介することをメインにしながら、その人の日本にいる家族も紹介し、番組制作スタッフが、日本の家族から海外で仕事をしているひとへギフトを預かって、届けるという趣向が入っています。

わたしは、この番組の中で、いつも言っていることですが、寿司を正しく調理するひとの数が極端に不足していることを、説明しました。寿司が世界中で人気が出ている割には、調理師は不足しているのです。わたしの学校で調理を英語で覚えてしまえば、世界中どこへ行っても、仕事ができます。

実際に、わたしの学校を卒業して現在、フィンランドの首都ヘルシンキでシーフード・レストランの寿司場を任されている日本人女性がいます。この人は静岡県出身で、看護婦をしたあとで、カナダに英語の勉強に来ました。そのカナダにいたとき、わたしの寿司学校を見つけて、カナダからやって来ました。2カ月のトレーニングのあとで、アメリカで仕事したかったのですが、ビザ滞在期限が切れたため、日本に帰りました。そして、東京でヘルシンキの仕事を見つけたのでした。

この人の場合は、好運もあったでしょうが、同時に、寿司職人の仕事が世界中で見つけられることを証明しています。

◎カリフォルニア・ライス・コミッション(カリフォルニア州内のコメ生産者のよる業界団体)が主催の「寿司マスター」競技大会が、2009年は全米規模に拡大(5ページ)

2009年の「寿司マスター」競技大会は、予選地区をワシントンDC(4月14日)、フロリダ(5月15日)、そしてカリフォルニアの3地区に拡大する。カリフォルニア地区の決勝戦は、6月25日にサンディエゴで行われる。全米チャンピョンを決める本選は、2009年秋にロサンゼルスで行われる。日程は現段階では未定。

◎南カリフォルニアの日本人移民社会で県人会が果たす役割 (6ページ)

移民社会では、どこの国の出身者も母国や出身地とのつながりを大切にしているが、ロサンゼルスの日本人社会でも同様である。ロサンゼルスでの「県人会」は1960年代までは、ひとつの県人会の会員数が数千世帯とたいへん活動がさかんだったが、今では、会員世帯数は1/10に減っている。

しかし、県人会がロサンゼルスの日本人移民社会で、果たす役割は依然として需要である。まず、第一に「県人会」という知名度は大きなものがある。ロサンゼルスには41都道県の県人会があり、これらの団体が集まって「南カリフォルニア県人協議会」を組織している。この組織の歴代の名誉会長は、ロサンゼルス総領事が務めることになっている。

最近行なわれた県人会協議会の選挙で、オレンジ・カウンティーの実業家、宮崎まこと・マックさんが2009年度の会長に選ばれた。宮崎さんは、今年73歳。東京で生まれているが、3歳のとき家族が群馬県の高崎に引越し、群馬県が故郷だ。

ロサンゼルスには1955年に大学に入ることを目的に来た。ロサンゼルス市立大学の学生だったころ、すでに「新渡米者」の会を組織、留学生や帰米二世(アメリカ生まれで日本で教育を受けた二世)を集めて敬老者を慰問していた。結婚したため「東京ランドスケープ」という庭作りの仕事を始めたことろ、開発ブームのオレンジ・カウンティーで、多くの顧客を得た。その後、1970年に日本語の分かる保険ブローカーが必要ということから、保険の販売をはじめ、現在の宮崎インシュアランス・エージェンシーに発展している。
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# by culturalnews | 2009-03-25 17:18 | 月別の日本語要約
◎ニュー・バンブー(竹細工による現代アート)展が開催される、2月7日から5月9日まで (P1, 7)

 カリフォルニア州中部の町ハンフォードにあるクラーク・センター日本美術研究所では、竹で作った現代アート展が2月7日から5月9日まで行われる。「ニュー・バンブー:日本の現代工芸家たち」と題した展覧会は、ニューヨークのジャパン・ソサエティー(日米協会)による企画で、最初は、ニューヨークで2008年冬に展覧会が行なわれ、それと同じ作品がハンフォードに送られてくる。

 クラーク・センターではニューヨークから来る31作品に、規模が大きすぎるため、ニューヨークでは展示できなかった作品6点がいっしょになる。出展の作家は、ウエマツ・チクユウ(1947年生まれ)ナガクラ・ケンイチ(1952年生まれ)ウエノ・マサオ(1949年生まれ)モリグチ・ジン(1955年生まれ)など、計14人の現在も生きている作家ばかり。1978年から2007年の30年間に作られた作品を集めている。

 日本では何千年にもわたって、竹が使われてきたが、竹細工を工芸品として扱うようになったのは、わずか150年前のことだ。19世紀に生きたハヤカワ・ショーコーサイが最初に、煎茶の作法のときにかける花入れを工芸品のレベルにまで高め、作品に自分の名前を刻むようになった。

 その後、竹細工は、茶道から離れて行き、竹細工自身が独立した作品として扱われるようになり、コレクターや業者ができた。1955年には竹工芸の人間国宝が初めて任命された。1950年代にイイヅカ・ロカンサイやショーノ・ショーウンサイが参加する少規模の竹工芸家グループが用途を持たない竹細工を作り始めたことが現代アートへの出発点となっている。今回集められている現代作家たちは、すべてイイヅカとショーノたちの後継者たちと言える。

◎第1回の日本庭園国際会議で、カリフォルニア州立ポモナ工科大学名誉教授の上杉武夫さんに、ライフタイム・アチーブメント賞が贈られる(P1, 4)

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校内にある日本庭園が中心になって、3月26日から29日まで、ロングビーチで、第1回の日本庭園の国際会議が行なわれるが、3月28日夜の晩餐会で、カリフォルニア州立ポモナ工科大学名誉教授(造園学科)の上杉武夫さん(69歳)に、ライフタイム・アチーブメント(生涯功労)賞が贈られる。

上杉さんは、父の代で13代目となる大阪の庭師の家系に生まれている。上杉さんの父は、33歳のときに天理教の教師になったため、家業は途絶えてしまったが、造園学の専門家として上杉さんは祖先の伝統を引き継いでいる。上杉さんは大阪府立大学で、久保田貞(くぼ・ただし)教授の下で造園学を学んだことが、造園の専門家になるきっかけだった。大阪府立大学を卒業したあと、京都大学大学院造園学科に進み、1965年に渡米、サンフランシスコの造園会社で仕事をしながらカリフォルニア大学バークレー校の大学院で学び、1967年に修士号を得て、帰国した。

 帰国後は、2年間、京都大学の講師をし、また、1970年に開催された大阪万博では日本館の造園に参加した。1970年に京都大学とポモナ工科大学の交換プログラムで、助教授としてポモナ大学に赴任した。ポモナ工科大学では76年に准教授になり、82年に教授になった後2000年に退官した。アメリカに移住後も、上杉さんは京都大学での博士課程を続け、1981年には京都大学から博士号を受けている。

 上杉さんは、大学で西洋・東洋の造園について教えながら、民間からの造園の仕事も引き受け、アメリカ国内の多くの日本庭園を設計している。「アメリカに来た当初は、日本庭園ばかり設計しようとは思わなかったが、1973・74年に手がけたデビット・スエルドン邸(オレンジ・カウンティーのコロナ・デルマー)で、日本庭園を造ることを依頼され、それ以後はカリフォルニアの気候に合わせた日本庭園を造ることが、わたしの仕事になりました」と上杉さんは、回想している。

  上杉さんの手がけた数多くの日本庭園作りの中でも、特に有名なものにはリトル・トウキョウの日米文化会館内にあるジェームズ・アーバイン・ガーデンがある。この日本庭園は1981年にナンシー・レーガン大統領夫人(当時)から賞状を贈られている。アーバイン・ガーデンは、昨年から、上杉さんの設計で全面改修が行なわれ、現在ほぼ完成している。

 上杉さんの設計による日本庭園には、アトランタのホテル日航(当時)、サンディエゴ・バルボア公園内の日本フレンドシップ・ガーデン、ポモナ工科大学内のアラタニ日本庭園、トーレンス市文化センター内の庭園のほか、カンサス、シカゴ、アラバマ、上海、そしてカリフォルニア州内にたくさん存在している。

◎「サムライの芸術:東京国立博物館の所蔵品展」(P1,5)

 東京国立博物館の所蔵作品81点で構成される「サムライの芸術」展が4月19日から6月14日まで、オレンジ・カウンティー・サンタアナ市内のバウアーズ博物館で行なわれる。

 2つのテーマに分けられていて「サムライが身に付けたもの」では刀や鎧を中心とした展示が行なわれ、「サムライの文化」では能、茶道に使う道具、日常の衣服、装飾、飾り物などが展示される。また、江戸時代の日本画コレクターとして知られているプライス夫妻のコレクションから「義経物語」の屏風が貸し出される。
 
◎「山野流着装」をロサンゼルスで教える押元末子さん(P2, 4)

 沖縄生まれの押元末子さんは、米軍基地のアメリカ人兵士の妻たちとの文化交流プログラムに参加をしているとき、着物を着て、たいへん喜ばれた経験があった。しかし、帯の結び方や着物の着方について質問されると何も答えることができない、という経験をした。着物は近所の美容院に行って着せてもらったからだった。

 そのことがきっかけで、「山野流着装」を学ぶようになり、1992年に、着物スタイリストとして着物を着せることができ、かつまた着付けの指導ができる「奥伝」資格を沖縄で取った。10年前にラスベガスのホテル・べラージオで高級レストランの接客係りの仕事をするために渡米、2005年12月からロサンゼルスに通い「山野流着装」を教えるようになった。2008年7月には「奥伝師範」の資格を取り、着物スタイリストを養成することができるようになった。現在、コスタメサ、アーバイン、トーレンス、ノースハリウッドの4カ所に教室を持っている。

 1月4日にはビバリーヒルズのペニンスラ・ホテルで4人の「奥伝」資格者の免状授与式を行なった。授与式には、「山野流着装」の山野ジェーン愛子・家元が東京から出席した。「山野流着装」は美容師学校として知られている「山野愛子ビューティー・カレッジ」の傘下にあり、同カレッジの創業者の山野愛子は、ジェーン愛子・家元の祖母に当たる。

 「山野流着装」の「初伝」「中伝」クラスは、通常は毎週2時間づつ、3カ月にわたって教えられるが、押元さんはラスべガスから通っているため、1回に4時間のクラスを2週間おきにロサンゼルスで開いている。押元さんの生徒は、現在25人に増え、「奥伝」資格者は合計8人を養成している。「山野流着装の生徒がいるところなら、全米どこへでも出張します」と押元さんは今後の抱負を語っている。

  写真は、1月4日、ビバリーヒルズのホテルで行なわれた山野流着装の「奥伝」免状の伝達式。左から、「奥伝」の資格を取った菊池貴子さん、杉田奈緒子さん、鶴井早苗さん、吉見愛子さん。右端が「奥伝師範」の押元末子さん。(撮影は岡田信行さん)

広告:南カリフォルニア弓道会(P2)

広告:ノン・セクレタリアン観世音寺(P2)
 座禅=月曜日から土曜日、朝6時30分から8時30分。月曜日と金曜日の夜7時30分から9時まで。
 ヨガ=月曜日から土曜日、朝9時から10時15分。火曜日と木曜日の夜6時30分から7時45分。土曜日10時30分から。
 弓道=毎月第一水曜日夜6時30分から9時30分。

◎カリフォルニア盆栽協会による恒例展示会、ハンティングトン・ライブラリーで、3月28、29日(P3)

 アメリカの盆栽愛好家の間では最も古く、最も大きな団体、カリフォルニア盆栽協会の第52回展示会は今年も、ハンティングトン・ライブラリー内のフレンズ・ホールで、3月28日と29日に行われる。入場時間は午前10時30分から午後4時30分。入場料は無料。樹齢500年以上のカリフォルニア・ジュニパー、黒松、楓など50鉢以上が展示される。添え物や愛石も、陳列される。

 フレンズ・ホームの隣のオバーシーズ・ルームでは、同じ期間、孔雀石の展示会が行なわれる。カリフォルニア愛石会の主催で、今回は、ラルフ・ジョンソンさんのコレクション約40点が展示される。

◎草月サンフェルナンド・バレー支部のいけばな展がUCLAで行なわれる、3月5日(P3,7)

 草月サンフェルナンド・バレー支部(キョウコ・カサージアン支部長、60人)によるUCLAの学生を対象としたいけばな展が3月5日午前10時から午後4時まで、アッカーマン・ユニオン・ビルの2階ラウンジで行なわれる。

 カサージアンさんは、UCLAエクステンション(成人向け講座)の中で、いけばなを教えている。3月5日は入場無料。デモンストレーションは12時30分と午後2時の2回

◎浮世絵がアニメに与えた影響を展示で表現、サムライ・リイマジンド展示会、2月19日から8月9日(P3)

 パサデナの太平洋アジア美術館の2月からの新展示は、浮世絵とアニメをいっしょに並べて、浮世絵がアニメに与えた影響を展示で表現する、という企画。3月1日午後1時から、アニメの専門家ローランド・ケルツの講演会や、3月14日は正午から午後4時まで、ジャパアニメ・フェスティバルが行われる。

◎一世写真家・宮武東洋の写真を使った記録映画「東洋のカメラ」が一般上映へ(P3)

 戦前、戦中、戦後とロサンゼルスで活躍した一世写真家・宮武東洋(みやたけ・とうよう)が、第二次世界大戦中の日系人強制収用所内で撮影した写真で構成した記録映画「東洋のカメラ」が、ロサンゼルスで3月から一般上映される。
 
 宮武東洋は香川県善通寺市の生まれで、1909年に14歳で父の呼び寄せで渡米、21歳で写真を学ぶ。1932年のロサンゼルス・オリンピックでは朝日新聞社の依頼で競技を撮影した。第二次世界大戦中の日系人強制収用では、レンズを隠し持って収容所に入り、手製の木箱にレンズを付けてカメラを作った。最初は無許可で撮影をしていたが、やがて収容所公認の写真家となり、日本人・日系人の収容所生活を克明に撮影した。

 映画「東洋のカメラ」は、日本のベテラン監督で、現在はロサンゼルスを中心に活動をしているすずき・じゅんいち氏が監督し、東洋宮武の残した収容所内の写真をスクリーンで大写しにしながら、生存者の証言を流すという構成。音楽はシンセサイザー音楽の喜太郎が担当している。ロサンゼルスの日本語テレビ番組配信会社UTB、すずき氏のフィルム・ボイス社、米国日本ハムの共同出資による制作。

 サンタモニカのレムリー・モニカ・フォープレックスで3月6日から12日まで、3月15日にはリトル・トウキョウのアラタニ日米劇場で3回、上映される。上映時間は98分。

◎カリフォルニアに桂離宮を再現した造園デザイナー・ロン・ハーマンの講演会、3月26日(P4)

 カリフォルニア在住の有名造園デザイナーで、桂離宮を模した日本庭園をカリフォルニアに造る仕事をしているロン・ハーマン氏の講演会が3月26日午後7時30分からロングビーチ・ヒルトンで行なわれる。

 ハーマン氏は、カリフォルニア大学バークレー校で造園を学び、その後日本に留学し、日本庭園を学んでいる。数多い、ハーマン氏の手がけた庭園作りの中で、ひときわ目を引くのが、コンピューター・ソフト会社「オラクル」の創業者ローレンス・エリソン氏がシリコンバレーに200ミリオン(200億円)で25エーカーの敷地に作った、桂離宮を模した日本庭園。この講演会は、3月26日から29日にかけてカリフォルニア大学ロングビーチ校で行なわれる日本庭園国際会議のプログラムの一環。

◎日本庭園の見学バスツアー、3月26日と29日(P 5)関連記事が8ページに

 日本庭園国際会議のプログラムの一環として「南カリフォルニアの日本庭園」見学バスツアーが、3月26日と29日に行われる。解説は、カリフォルニア大学ロングビーチ校のアジア美術史のケンドル・ブラウン教授。

 見学コースは2つあって、ロサンゼルス・パサデナ地区コースはリトル・トウキョウのジェームズ・アーバイン・ガーデン、ハンティングトン・ボタニック・ガーデン、ストーリヤー・スターン・ガーデン(私邸)を回る。催行日は3月26日と29日。オレンジ・カウンティー・サンディエゴ地区コースはカリフォルニア・シナリオ(イサム・ノグチ設計)サンディゴ・フレンドシップ・ガーデン、サンディエゴ・テック・センターを回る。催行日は3月29日のみ。

◎アンディー松田の寿司シェフ学校コラム:飾り巻きすし(P5)

 切り口に動物の顔や、模様が現れる寿司を飾り巻きすしという。千葉県房総地方の郷土料理「太巻き祭りすし」や江戸前寿司の伝統技術「細工巻きすし」が起源で、最近、東京すしアカデミーの川澄健校長が広めた。

 寿司シェフ学校では、2月28日午後3時から5時まで、飾り巻きスシの講習会を行なう。受講料は1回45ドル。3月と4月にも続きの講習会をするので、3回分を一括納入すれば、3回分が120ドルになる。講師は、2008年10月の日本食レストラン協会の寿司シェフ・コンテストで優勝したドイ・メグミさん。

◎日米文化会館の新年行事「事始」の写真(P5)

 1月4日のロサンゼルス日米文化会館の「事始」イベントで、今年の出演は、日本舞踊が、花柳若奈(はなやぎ・わかな)師匠による「舞囃子・猩々」(まいばやし・しょうじょう)と門下の花柳若奈奈(わかなな)、花柳若青羅(わかせいら)による「八千代獅子」(やちよじし)。坂東三津拡会から坂東拡鈴、坂東秀十美、坂東拡三也による「雛鶴三番叟」(ひなづる・さんばそう)。「翁」(おきな)を拡鈴(ひろすず)、「千載」(せんざい)を秀十美(ひでそみ)、「三番叟」(さんばそう)を拡三也(ひろみや)が踊った。

  写真は、若奈師匠(左上)の「舞囃子・猩々」と若奈々と若青羅(左下)の「八千代獅子」。撮影はソニー・サイトウさん。右の写真が坂東会の「雛鶴三番叟」。撮影はカルチュラル・ニュース。

◎神浦元彰の日本レポート「政権交代で普天間移転は白紙」(P6)翻訳はアラン・グリーソン

オバマ新政権のアジア外交では、日本との同盟が最重要とクリントン国務長官が表明した。しかしその同盟を根底から揺るがす問題が浮上している。日米両政府が1996年に合意した普天間飛行場(沖縄県)の移転計画が暗礁に乗り上げている。

宜野湾市(ぎのわん・し)の中心部にある米海兵隊の普天間飛行場は、市街地への墜落事故の危険や騒音問題から、2014年までに沖縄県内の代替施設に移転する合意だった。

しかし沖縄北部の名護市(なご・し)辺野古(へのこ) 沖合を埋め立て、2000メートル滑走路の代替施設を作る案は、稲嶺(いなみね)県知事(当時)の軍民共用と米軍の15年間使用限定が、米側と激しく対立して計画はストップした。

その後、名護市辺野古に隣接する米軍キャンプ・シュワブ基地の沿岸部に1800メートルの滑走路2本を持つV字案に日米政府が再合意した。しかしこのV字案は、日米政府が勝手に合意したと、無視された地元が強硬に反発した。

しかし地元は、日本政府が01年から11年までの10年間、毎年100億円を北部地区の産業振興資金を打ち切ると報じられると、渋々、V字案に合意した。

だが地元は、現在の沿岸部案を沖合数百メートルに出すように要求した。滑走路延長上に集落があるからという理由からだった。しかし政府は、沖合に出せば、埋め立て面積の拡大で地元に落ちる埋め立て費を増やす利権のためと拒絶した。

再び代替基地建設は暗礁に乗り上げてしまった。

昨年6月には、沖縄県議選でキャンプ・シュワブ沿岸部の基地建設に反対する野党が大勝して過半数を占めた。7月には県議会で代替基地建設反対の決議が可決された。それ以降、日本政府、沖縄県、名護市などと地元業者で構成される「代替施設協議会」は開かれず、次回開催の目処(めど)もたっていない。

今年になって次回の総選挙では政権交代すると報じられている民主党が、普天間移転で日米政府が合意した今までの代替基地建設案を白紙にすることを検討していることがわかった。普天間飛行場計画が最初の振り出しに戻る可能性が高くなった。

オバマ新政権と日本の新しい政権で普天間移転問題は再び動き出すのだろうか。その間にも、普天間基地周辺の市街地に米軍機が墜落する危険に市民は悩まされる。

◎骨董の趣味が転じてアンテック販売商を開業(P6)

 ロングビーチに住むフィリポー・トムさんと智恵さん夫妻は、1980年代に京都に住んでいたとき、古い箪笥を集め始めた。ロングビーチに戻ってきても、日本の骨董収集は続き、ついに7年前にロングビーチの隣ロスアラミトスに倉庫を借りて、骨董の販売を始めたところ、徐々に客が付き現在では「源海ジャパニーズ・アンティーク」として知られるようになっている。箪笥以外にも焼物や小道具も扱っている。年4回セールを行なうが、次のセールは3月初旬になる。

広告:日本語クラスを持つオーシャン・チャーター・スクールで新入生の募集(P6)

 1年生から日本語を教えている学校。日本語クラスは8年生まで続く。父母説明会は幼稚園から3年生向けが、1月29日、2月12日、2月21日。4年生から8年生向けが1月30日と2月7日。


広告:優秀な人材を探しているなら、JETプログラム経験者を採用してください(P6)

 日本に英語補助教員として1、2年滞在した後、アメリカに帰ってきた経験者の就職探しを支援する広告。

広告:日米ファウンデーションのジャパン・スタディー・クラブ(P6)

2月24日の例会は、源平合戦の研究家ジェイ・ジョンソンの講演「平敦盛と源平合戦の感動的瞬間」

◎南カリフォルニアの日本庭園の紹介:3月26日と29日のバス・ツアーの訪問先(P8)

 日本庭園国際会議のプログラムの一環として行なわれる日本庭園バス・ツアーの訪問先の一覧:左からジェームズ・アーバイン・ガーデン、ハンティングトン・ボタニック・ガーデン、ストリアー・スターンズ・ガーデン(私邸)、サンディエゴ・テック・センター、カリフォルニア・シナリオ、サンディエゴ・フレンドシップ・ガーデン

広告:カリフォルニア盆栽協会の第52回展示会(P8)

広告:孔雀石の展示会(P8)

広告:日本庭園・結婚式場の広告(P8)
  カリフォルニア大学ロングビーチ校内にあるアール・バーン・ミラー・ジャパニーズ・ガーデンでは結婚式を受け付けている。
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# by culturalnews | 2009-02-16 17:11 | 月別の日本語要約
2009年2月17日
カルチュラル・ニュース発行人
東 繁春

「日本文化を伝える英字新聞」カルチュラル・ニュースは、1998年7月の創刊で、2008年7月には、創刊10年を迎えることができました。

これまでの10年間は、試行錯誤の繰り返しでした。まず、ロサンゼルスで「日本文化を伝える英字新聞」が成り立つのか、という、わたし自身の気持が不安な時期が、最初の数年でした。

日本文化のエキスパートに会えば、会うほど、「日本文化を伝える」というのは、とてつもなく、大きな目標をかかげてしまったことだ、ということに気が付きました。

そこで、わたし自身の身の回りで、できることで、日本文化を伝えることはできないものだろうかと、考え始めるようになりました。

2006年9月の東京の写真家・廿楽美登利(つづら・みどり)さんの「花」の写真展「カラー・オブ・ジャパン」のカリフォルニア州立大学ノースリッジ校での開催をお手伝いできたことで、カルチュラル・ニュースの発行が、実際に日米の架け橋になることを実感しました。

また、同じ2006年9月には、国語教育の分野では日本の第一人者・世羅博昭先生(国立鳴門教育大名誉教授、現・四国大学教授)による「源氏物語」の原文を読む会をロサンゼルスで始め、2007年、2008年と継続しました。今年も、9月に世羅先生にロサンゼルスに来ていただきます。

また、世羅先生の尽力で、徳島市の瀬尾静子きもの学院から平安時代に衣裳を借りることができ、2007年8月と2008年9月には「源氏物語フェスティバル」のタイトルで、ロサンゼルスの美術館、大学、日本語学校などで、1000年前の貴族装束を紹介することができました。

2007年4月5月は、カリフォルニア州中部のハンフォードにあるクラーク・センター日本美術研究所でアメリカで初めての「平山郁夫」展が行なわれました。このとき、ロサンゼルスからのバス・ツアーを主催し、合計100人近い参加者がありました。クラーク・センターの展示企画は、いつもすばらしのですが、これまで、ロサンゼルスではあまり知られていませんでした。ロサンゼルスからハンフォードまでは、車で3時間の距離です。

2008年8月にはロサンゼルス・カウンティー美術館で行なわれた大型企画「江戸時代の日本画・プライス・コレクション」の見学会をコレクションのオーナー・プライス夫妻の案内で行い、80人を越える参加者がありました。プライス夫妻は、実に気さくな方で、日本画に関する質問には、何にでも熱心に説明される方でした。参加者は、そうしたプライス夫妻の実直さに、感銘を受けていました。

2008年10月には「プライス・コレクション・アンコール展」の見学会を、再び、プライス夫妻の解説で行い、約30人の参加者がありました。


ロサンゼルスで、日本文化に接していると、日本文化のレベルの高さ、そして、世界中の人に感動を与える普遍性を感じます。最近の日本人は元気がないと聞きますが、日本文化のよさに気付けば、かなり、自信がとりもどせるのではないでしょうか。わたし自身も、30年前、日本にいたときは、日本文化のよさがまったく、わからず、常に、アメリカやヨーロッパに比べると遅れている、という自分で作った劣等感で、ものごとを考えていました。

経済危機の問題は、日本だけの現象ではなく、世界で同時に進行している問題ですから、「世界中で苦労している」と考えることで、悲観的にならずに済むと思います。むしろ、世界の中では、日本は非常に恵まれた状態にあると思います。

世界各国の通貨がドルに対して切下がっている中で、円だけがドルに対して強くなっています。これは、日本からアメリカに出かける、いいチャンスではないでしょうか。日本文化をロサンゼルスに持って来てください。

2月に入って、カルチュラル・ニュースの2008年度(1月から12月)の決算ができましたので、報告しますと、年間の総支出が約6万ドル(約600万円)で、総収入もほぼ同額となりました。

カルチュラル・ニュースを株式会社にした2002年からの決算報告を見てみますと、カルチュラル・ニュースの発行には、年間5万ドルから6万ドルが必要です。

2008年度収入の内訳は、広告売上が約2万3000ドル、購読料が約1万4000ドル、イベントなどその他収入が約7000ドル、そして寄付が1万6000ドルでした。

カルチュラル・ニュースを継続していくためには、購読者を増やすこと、と寄付を集めることが必要です。ご存知のように、カルチュラル・ニュースの仕事は、90%以上をわたし一人でやっています。

お知り合いの方に、カルチュラル・ニュースの購読を紹介していただけると、たいへんたすかります。日本に居ながらロサンゼルスの文化活動が分かります。日本での購読料(1年=12回発行)は6000円です。横浜の郵便局に郵便振替口座を開設してあります。

振り込み先:口座名 「カルチュラル・ニュース日本支局」
      口座番号「00220-0-45054」

寄付の送り先も、同じ郵便振替口座をご利用ください。

また、1000ドル、3000ドル、5000ドルの大口寄付も募集しています。500ドル以上の送金の場合は、カルチュラル・ニュースのロサンゼルスの銀行口座に送金してください。

口座名   Cultural News Inc
銀行名 Union Bank of California (Little Tokyo Branch #102)
口座番号 1020033564

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# by culturalnews | 2009-02-10 17:43 | 日本文化を普及するために
◎ 国際交流基金の能楽レクチャーと公演がロサンゼルスの日米劇場で
(1ページから4ページ)

国際交流基金が派遣する米国西部5都市を回る「能楽レクチャーと公演」は、ロサンゼルスでは、2月6日(金)午後7時から、リトル東京のアラタニ日米劇場で行なわれる。入場料は25ドル。日本から派遣されるのは、京都の観世流、味方玄(みかた・しずか、シテ方)をリーダーに、分林道治(わけばやし・みちはる、観世流シテ方)、竹市学(たけいち・まなぶ、藤田流笛方)、吉阪一郎(きちさか・いちろう、大倉流小鼓方)、河村大(かわむら・まさる、石井流大鼓方)。

「能面の内の哀調」をテーマに、味方氏が、能の見かたと、演目の「敦盛」のストリーを解説し、その後に、「敦盛」を実演する。わずか15歳の平敦盛の首を、源氏方の熊谷次郎直実がはねたという「平家物語」を元に、世阿弥が編作した能楽。

味方玄氏は、1966年生まれ。父に、能楽師、味方健を持ち、能楽界のベテラン片山九郎右衛門(九世、2001年に人間国宝に任命されている)に師事している。1991年に独立し、ニューヨーク、ワシントン、ドイツなどで能楽公演を行っている。能、演劇と幅広い分野で活躍している。

1ページの写真は、能楽「敦盛」から、敦盛はシテ方が演ずる。

◎日本庭園をテーマに、幅広く関係者を集めた初の国際会議が3月にロングビーチで(1ページから、2ページ、5ページへ)

造園専門家による国際会議は、10年前に結成されているが、日本庭園に携わる専門家を幅広く集めるという意味では、初めての国際会議が、3月26日から29日まで、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校(CSULB)を中心に行なわれる。

「日本以外の日本庭園についての国際会議」が正式名称で、CSULB大学芸術学部とCSULB大学にある日本庭園「アール・バーン・ミラー庭園」が主催団体。CSULB芸術学部の中心は、アジア美術史を教えているケンドル・ブラウン教授で、同教授は、日本美術の専門家であるとともに「アメリカ太平洋側西海岸における日本様式庭園」(1999年リゾリ社刊)を執筆するなど、日本庭園についても詳しい。

会議は、26日と29日がロサンゼルス近郊の日本庭園ツアーに充てられ、27日と28日が会議に充てられている。国際会議は、日本庭園の管理者、教育者、環境保護専門家、園芸専門家などが幅広く集まる。初めての国際会議には、北米からの参加者を中心に約100人が集まる予定。

会議での講演は、ブラウン教授をはじめ、日本からは東京農業大学造園学科の鈴木誠教授と桃山学院大学(大阪府)国際教養学科の片平幸講師が参加する。鈴木教授は、造園史の専門家で、
日本以外の国での日本庭園の歴史に詳しい。片平講師は、明治維新から太平洋戦争直前までの英語圏での日本庭園の広がりと、日本側の対応を研究している。

このほか、カリフォルニア大学バークレー校名誉教授で建築が専門のマーク・トリーブ博士、北米でもっとも著名な日本庭園造園家のロン・ハーマン氏が参加する。ハーマン氏はカリフォルニア大学バークレー校で、造園を学んだ後、日本で研修をしている。最近、ハーマン氏を有名にした仕事は、コンピューター・ソフト・オラクル社の創業者、ローレンス・エリソン氏が施主の25エーカーの敷地に、桂離宮を再現するプロジェクト。総工費約200億円で、400の庭園が造られた。

26日と29日の日本庭園ツアーでは、リトル東京・日米文化会館のジェームズ・アーバイン庭園、ハンティングトン・ライブラリーの日本庭園、個人所有のストリアー・スターン庭園をバスで回る。また29日は、別ルーツが用意され、オレンジ・カウンティー・コスタメサ市のノグチ・イサム設計によるカリフォルニア・シナリオ、サンディエゴ・テック・センター日本庭園、サンディエゴ・バルボア公園内のフレンドシップ日本庭園を見学する。

また、国際会議第一回の表彰では、カリフォルニア州立ポモナ工科大学の上杉武夫・名誉教授が選ばれている。

1ページの写真は、イリノイ州ロックフォードにあるアンダーソン庭園。

◎アメリカ初の日本語によるプロ劇団が発足(1ページから4ページへ)

ハリウッド俳優たちが住む町ノースハリウッドの劇場地区に拠点を持つファイアー・ローズ・プロダクションは、アメリカで初めての日本語によるプロ劇団「アリガトウ会」を発足させた。ファイアー・ローズ・プロダクションの芸術監督又村カズキさんによる主宰で、アメリカで今日、日本人が活躍できるのは、約100年前に渡米した一世たちが基礎を築いてくれたためで、その一世への感謝の気持を表すこと、そして、他民族国家アメリカでは、スペイン語の劇団やさまざまな言語の劇団が存在するのに、今まで、日本語の劇団がないことに気が付いたから、と説明している。そして、ハリウッドで日本語劇を上演することで、日本の近代演劇を紹介することも目的としている。また、訓練された俳優による日本語劇は、日本語を学ぶアメリカの子供たちにとっても、格好の教材になる、と又村さんは抱負を語っている。

アリガトウ会の稽古日は毎週水曜日で、午後5時から7時までが研修生トレーニング、毎月50ドルの会費で、日本語による演劇トレーニングを受けられる。そして午後7時30分から10時30分が団員トレーニングで、現在。菊池寛作の「父帰る」と「屋上の狂人」を稽古中。配役は定期的に行なわれるオーディションで決定されている。

1ページの写真は、「屋上の狂人」を稽古する(左から)大葉美奈、米澤正之、高井菜緒、カネダ・アキラの俳優たち。

◎ロサンゼルス高野山別院で旧暦正月を祝う「星祭り」の行事(2ページ)

2009年旧暦の正月(節分)は、新暦の1月26日になる。天体の動きと人間生活には密接な関係があると考える真言宗では、新年の祈祷会は、重要な年間儀式となっているが、2009年の新年を祝う「星祭り祈祷会」は2月1日(日)午後1時30分から行なわれる。祈祷会では、本堂内に星供曼陀羅を安置して供養する。また、祈祷会のあとでは、年男・年女による豆撒きが行なわれる。

写真は、高野山真言宗別院での僧侶による豆撒き。

◎リトル東京の曹洞宗・禅宗寺でも、節分豆撒きと開運法要が2月1日(日)午後1時30分から行なわれる。(2ページ)

◎ロサンゼルス・ダウンタウン近郊で、弓道クラスが始まる(2ページ)
ロサンゼルスで25年にわたって弓道を続けているリック・ジョーゼン・ビールさんによる新弓道クラスが、ロサンゼルス・ダウンタウンに近い座禅道場・観世音寺の敷地内で始まった。毎月第一水曜日の午後7時30分から9時30分まで。座禅道場には、ヨガ・センターも併設されている。

◎日本政府観光局(JNTO)ロサンゼルス事務所がリトル東京に移転(2ページ)
これまで、ロサンゼルス・ダウンタウンの中心街にあった日本政府観光局のロサンゼルス事務所がリトル東京に11月移転した。また9月には、ロサンゼルス所長に滝沢直秀氏が着任した。滝沢所長は、2002年から2006年までサンフランシスコ所長、1992年から1999年までブラジルのサンパウロ所長を務めていた。JNTOでは、日本観光情報を提供しているが、ちょうど、話題になるのが、「京都ウインター・スペシャル」キャンペーン。1月10日から3月18日まで、通常は公開されていない、京都の神社仏閣12カ所が公開される。詳しくは、ホームページを参照のこと。

◎ロサンゼルス交響楽団のワールド・ミュージック公演に「鼓童」が登場、2月8日(3ページ)

ロサンゼルス交響楽団が世界の音楽を紹介する「ワールド・ミュージック」シリーズの2月8日公演には、日本の太鼓演奏で世界的に有名な「鼓童」(こどう)が登場する。開演は午後8時から、ディズニー・コンサート・ホールで。

鼓童は「ワン・アース・ツアー」と銘打って、世界各地を回る公演旅行を毎年続けている。2009年1月後半から3月にかけて行なわれる北米ツアーは全部で29都市を回る。

鼓童は、日本各地に残る、神社の祭りや地元の祭り太鼓を、ステージ音楽にすることに成功したグループで、日本の太鼓を世界に紹介した。鼓童が活動の中心としている佐渡は、江戸時代に金山が開かれて、多くの人が住むようになった島だが、それ以前は、数世紀にわたって時の権力者が反対勢力を幽閉するために使われていた監獄島だった。

佐渡は、隔離された環境のため、農耕や漁のときは、共同体の結束が強くなり、独自の歌や踊り、祭り、能が継承されてきた。1960年代、70年代に、日本の伝統芸能を学ぼうという若者集団が現れたとき、その学習場として最適だったのが、この佐渡だった。佐渡島の中には能楽堂が30カ所もあり、人口当たりの比較では、日本で一番能楽堂の多い場所だったのだ。

しかし、その若者たちは、この豊かな伝統文化を佐渡だけで公演することに飽き足らず、太鼓によるアンサンブルを作り、世界にその音楽を紹介しようとした。1970年代に、鼓童の前身である「鬼太鼓座」(おんでこざ)はボストン・マラソンに参加し、完走したあとで、太鼓を敲き、世界の人を驚かせた。鼓童は1981年に結成され、1998年には、佐渡に鼓童村が開かれた。

鼓童の音楽は、日本の伝統音楽に基づいているばかりでなく、西洋のクラシック音楽やジャズの影響も受けた幅広いものになっている。鼓童のメンバーは、佐渡で集団生活をしており、その絆の強さが鼓童の音楽の礎になっている。

2009年の北米ツアーでは、鼓童の若い世代がアメリカ・デビューする。今回は、都会育ちの吉井盛悟(25歳)による、尺八と胡弓を太鼓のリズムに載せた「玉響の道」が演奏される。京都でロック・バンドのドラムを敲いていた堀つばさは、女性用の小型太鼓を使って、「扉」を演奏するが、この音楽は、フラメンコと西アフリカのリズムに刺激されて作られている。

従来の鼓童の太鼓演奏は、男性メンバーだけで行われていたが、最近の女性メンバーもいっしょになった太鼓演奏は、鼓童とともに、日本全体での太鼓演奏が大きく変わつつあることの象徴である。

しかし、日本には、男女がいっしょに太鼓を敲く習慣がまったく、なかったわけではない。「三寒四温」は八丈島に伝わる男女が敲く、珍しい太鼓演奏を元にした曲である。

鼓童2009年ワン・アース・ツアー演奏曲目

族(作曲=レオナード江藤、1989年)人間が打楽器を初めて、打ち始めた太古の時代を連想させる音楽

扉(作曲=堀つばさ、2006年)今の世界から、未知の世界に連れて行ってくれる「扉」を表現している

三宅(伝統音楽、編曲=鼓童)伊豆諸島三宅島に伝わる太鼓の奏法。ステージに6台の太鼓が並ぶ

玉響の道(作曲=吉井盛悟、2008年)玉響のように、わずかで、すぐ消えてしまう人の生きる道を表現している

モノクローム(作曲=石井真木、1976年)小さな響きから、徐々に大きな響きに変化していく音楽。聞き手によっては、人の人生の変化を表しているかも、しれない

こいこい・ふしゅ(作曲=石塚充、2007年)三人組みが演奏するために作られた曲

ジャンガラ(作曲=金子竜太郎、1992年)アラブ世界とヨーロッパの接する地域から、中東、アジアにわたる広大な地域で見ることができる金属片を合わせて音を出す道具のこと。日本には、仏教の伝来と供に、僧侶の使う道具として渡来している。その後、祭りには欠かせない楽器になった

三寒四温(作曲=斉藤栄一、1992年)冬の終わりを告げる気温の緩みを表現している

雲の波道(作曲=吉井盛悟、2008年)大木や巨石を引っ張る「木遣り歌」を元にした音楽。労働に携わる集団をまとめるため、元気を出させるため、そして自然への感謝の気持を込めている。

大太鼓(編曲=鼓童)直径4尺(1メートル20センチ)の大太鼓は一本の大木をくりぬいて作られている。大音響は聴くひとを太古の昔へ導いてくれる

屋台囃子(伝統音楽、編曲=鼓童)毎年12月3日に埼玉県秩父市で行なわれる「秩父夜祭」では、二階建ての屋台が登場する。太鼓や笛の演奏者は、幕で囲われた外からは見えないところで演奏をするのが、オリジナルの状態。鼓童の演奏は、屋台の上に太鼓が乗っている。

◎日本の太鼓奏法をアフリカ音楽やポピュラー音楽に融合させる第一人者、ヒダノ修一(3ページ)

札幌生まれ、横浜育ちで、3歳のときからピアノを始め、10歳でパーカッションを習い始める。19歳にとき一時、鼓童に入っていたが、89年にソロ活動を開始、以降、国内及び世界24ヶ国で約1,900回以上の公演を行っているヒダノ修一が、1月23、24、25日、連続でロサンゼルスでコンサートを行う。23日がノース・ハリウッドのレモ・ミュージック・レクレーショナル・センター、24日がサンペドロのグランド・アネックス、25日がモンテベロの曹禅寺。

日本の太鼓界では、並外れた音楽性を持ち、国境とジャンルの壁を飛び越すテクニックを持つ。
2008年5月、日本政府が新たに制定した「第1回・野口英世アフリカ賞」の授賞式及び記念晩餐会の演出・音楽監督を担当し、天皇皇后両陛下や歴代総理大臣をはじめアフリカ各国の大統領や国王の前で、邦楽とアフリカ音楽の友好的なコラボレーションを実現し高い評価を得た。2008年 2月、ロサンゼルスのアラタニ日米劇場で「太鼓生活20周年記念コンサート“未来の太鼓”」を開催、ポピュラー・ミュージックでは世界のトップミュージシャン達をバックに、1,000人近い観客を集め、劇場を満員にしている。

2007年9月「日中交流年・両政府主催イベント(上海)」をプロデュースし、11月「日中交流年ファイナルイベント」にユーミン、Gackt、女子十二楽坊、谷村新司らと出演している。2006年「世界バレー」開会式に出演。2005年、世界で最も権威ある打楽器の祭典「PASIC(米国)」に、30年の歴史上初の日本人ソロ太鼓奏者として出演した。サッカーFIFAワールドカップは、1998年フランス大会と2002年日韓大会で、日本人初の2大会連続公式閉会式出演を果たした。
  また、ジャンルを超えた、和洋融合を得意とするイベント・プロデューサーとして、2度の万博(愛知、独ハノーバー)の日本政府主催行事や、「アジア舞台芸術祭(ベトナム)」等々、45を超える大型国際イベントを手掛けている。
  2006年度より、全国の中学校1年の音楽の教科書に写真が掲載されている。子供たちに太鼓を普及した功績が認められて、横浜文化賞奨励賞(2001)、神奈川文化賞未来賞(2002)、(社)日本青年会議所主催の人間力大賞と(財)地球市民財団特別賞(2004)を受賞している。
ホームページはhttp://www.hidashu.com/

◎ロサンゼルスの日米文化会館で新年を祝う「色紙」展を開催中(4ページ)

今年で11回目になる「色紙」展はリトル東京・日米文化会館内のドイザキ・ギャラリーで1月4日から3月1日まで開催中。ロサンゼルス地元のアーティストや一般をはじめ、日本の政治家、有名人からも、新年を祝う言葉やイメージを描いた色紙が寄せられている。入場は無料。

◎現代日本の漫画・アニメが江戸時代の浮世絵の影響を受けていることをテーマの展示会(4ページ)

パサデナのパシフィック・アジア美術館で「描き直されたサムライ像、浮世絵からアニメへ」展が2月19日から8月9日まで開催される。人気漫画やアニメに絵描かれている人物画と浮世絵の人物画を合わせて展示し、現代日本の漫画・アニメが江戸時代の浮世絵の影響を受けていることを説明する。

◎インスピレーション日本発:リトル東京・京都グランド・ホテルの料理長のコラム(5ページ)

コレストロールを減らし、心臓病や癌になるリスクを減らす食事の必要性が話題になっている。病気の50%から70%は食事で解決できると言われている。京都グランド・ホテルのアザレア・レストランでは、健康増進を第一とした日本風朝食を始めた(写真)。メニューには、豆、ブルーベリー、ブロッコリー、オーツ、オレンジ、カボチャ、鮭、大豆、ホウレン草、緑茶、トマト、ターキー(七面鳥)クルミ、ヨーグルト。この文章は、京都グランド・ホテル・料理長・マーティン・ギリガンのコラム。

◎アンディー松田の寿司学校:魚類に出生証明はなし(5ページ)

アイスクリームを手に持って10分も経つと、溶けてしまうことは、明白である。しかし、生の魚を10分間、放置しておくと、魚の切り身の内部でどのような変化が起こっているのかは、一般のひとには、判断できない。魚は鮮度によって、刺身、焼物、煮物に使い分けなければならない。

店頭に並ぶ牛肉や家禽類は、産地や飼料を知ることができるが、魚類は、養殖されたものでなければ、その魚が生まれた場所や、何を食べて大きくなったかを知る方法がない。このため、調理人の経験が重要になってくる。日本では、飲食店の厨房で2年間仕事を教えてもらって、初めて調理師免許を受験することができる。私たちの寿司学校の、トレーニング期間は2カ月であるが、この間に、刺身や寿司に使う魚を扱うためにスキルを教えている。

アンディー松田は、ロサンゼルスの寿司チェフ学校の校長・主任教官

◎新年挨拶・日本文化教室紹介(5、6、7ページ)

西本願寺ロサンゼルス別院 電話 (213)680-9130
東本願寺・ルンビニ幼稚園  寺 (213)626-4200 幼稚園 (213)680-2976
LA着物クラブ       電話 (818)703-0208
芥川婦身のお茶と着物教室 電話 (805)529-0139
リチャード門間の声楽レッスン 電話 (310)415-6793
日本語学園協同システム  電話 (213)383-4706

裏千家茶道 松本宗静  電話 (213)387-8444
裏千家茶道 飯沼信子  電話 (818)887-2209
和風会 新橋和子(裏千家茶道、池坊華道)(323)295-7424
緊那羅太鼓・雅楽クラス(洗心寺)電話 (323)731-4617
高野山真言宗ロサンゼルス別院 毎月最終日曜日に誘導瞑想クラス 電話 (213)624-1267
草月いけばな教授 北島蓉幸(ヨウコウ) 電話 (626)333-2732
生田流宮城社琴 三味線 粟屋陽子 電話 (310)329-5965
愛石会(例会は第4水曜日)ホームページ www.aisekikai.com
花柳若奈日本舞踊教室 電話 (310)842-3779
日本舞踊・坂東三津拡会 電話(310)539-8636
日本舞踊・坂東秀十美  電話 (323)269-3119
正派若柳流・若柳久三 電話 (323)257-5412 若柳久女 電話 (714)826-3169
真境名本流琉舞道場 真境名愛子 電話 (562)695-9533
照屋勝子筝曲研究会、琉球筝曲興陽会ロサンゼルス支部 電話 (310)715-2147

観世音寺 座禅・ヨガ 電話 (323)255-5345
南加弓道会      電話 (626)367-9157
柔道リサーチ・開発グループ 篠原和夫 電話(213)680-7734
林節子染色教室 電話 (213)880-7725
茜会染色教室(型染め・紅型)電話 (213)881-3915
大和楽 佐藤松豊   電話 (310)538-0334

源海ジャパニーズ・アンティーク 電話 (562)596-0494
寿司チェフ学校    電話 (213)617-6825
香川保険       電話 (213)628-1800
木村フォトマート   電話 (213)622-3968

◎日本画スタディー・プログラム(8ページ)

カルチュラル・ニュース社と大阪のアートワールド社による共同企画で、普段は一般公開されていない、京都の国宝や国宝級・重要文化財級の日本美術を見学するスタディー・プログラムが3月3日、4日、5日、行われる。

3月3日は、午前中が、臨済宗妙心寺派本山の中にある春光院で、京狩野派・狩野永岳の描いた金箔画「月と雁図」「花鳥図」「太公望」や、「常盤の庭」、そして、伊勢神宮をあらわした枯山水の「さざれ石の庭」などの見学。

午後からは、西本願寺派本山の中にある国宝「飛雲閣」そして隣接の滴翠園(てきすいえん)国宝「唐門」重要文化財「阿弥陀堂」「御影堂」、書院などの見学。

3月4、5日は、京都から1泊2日の旅程で、兵庫県香住町の大乗寺見学。大乗寺は、約200年前に、丸山応挙と弟子たちが総計約160点の作品を描いた寺。応挙たちの作品は重要文化財に指定されたため、3月末までが、現物を、200年前と同じ状態でみることができる最後のチャンス。4月1日以降は、複製品が飾られることになる。

参加者は、京都に集合する。詳細は、カルチュラル・ニュース編集長、東繁春まで。

◎草月いけばなサンフェルナンド・バレー支部のUCLA展示会の広告(8ページ)
3月5日午前10時から午後4時まで、UCLA学生ホール2階ラウンジで
カサージアン・キョーコ支部長はじめ草月会員による実演は、正午12時30分から30分と午後2時から30分の2回。大川敏子の琴演奏。入場は無料。

後援はロサンゼルス日本国総領事館、UCLAエクステンション、UCLAポール&ヒサコ・寺崎・日本研究センター、カルチュラル・ニュース。

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日本文化を伝える英字新聞「カルチュラル・ニュース」には、ロサンゼルスや周辺で体験できる日本文化情報が満載です。日本文化に興味のあるアメリカ人の方、また、外国で暮らし始めて、初めて日本文化に興味をもったという日本人にも、役に立つ新聞です。

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# by culturalnews | 2009-01-12 16:29 | 月別の日本語要約
もう、4、5年前からのことである「日本人はアメリカ人より豊かな生活をしている」という構図に、世界は変わってきているのではないか、と思い始めたことだ。

わたしは、もうすぐ、55歳、しかし、78歳になる母は、今でも、わたしが赤ん坊だったときの夢を見る、と言い。母にとっては、わたしは、いつまでも、子供のままだ。

アメリカとたたかった戦争で、敗戦を経験し、戦後のアメリカの繁栄が脳裏に焼きついている人たちに、「日本人はアメリカ人より豊かな生活をしている」と話はじめると、まったく、受け付けようとしない。アメリカのことを、よく勉強している人ほど、現実を認めたがらない。

なぜ、そうなったのか、をここで説明しているわけではない。ただ事実として、「日本人はアメリカ人より豊かな生活をしている」ことを、日本人が自覚しないないことには、日本人が、世界とうまく、付き合えない時代に、すでになってしまった、と、わたしには、思えるのだ。

昨年前半は1ドル=100円代だった、円ドル相場が、アメリカ発の金融危機で、一挙に、1ドル=90円が相場になっている。直感で、1ドル=70円くらいまで行くのでは、と思っていたら、「超なんとか法」で有名な野口悠紀雄先生が、雑誌「新潮45」1月号に「1ドル70円もありうる」との文章を書いていた。読んでみると、アメリカ発の金融危機で、日本の輸出産業が大打撃を受けるのかが、よく分かった。

そして、やはり「日本人はアメリカ人より豊かな生活をしている」ことが、ますます確証を持てた。
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# by culturalnews | 2009-01-07 11:28 | エッセー