英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


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◎映画「おくりびと」(英語タイトル=ディパーチャーズ)の監督インタビュー(P1,2,7)

滝田洋二郎監督インタビュー(配給会社から提供されたインタビュー記事を掲載。写真は5月に滝田監督の共同記者会見がロサンゼルスで行なわれたときに、カルチュラル・ニュースが撮影)

質問項目
この映画を作ろうというアイディアはどうやって沸いてきたのですか?
滝田監督
プロデューサーから納棺師の映画を作りたいという依頼を受けました。『納棺師日記』という本を読んで、この仕事のことは知っていましたが、実際にどのようなことをするのかは分かりませんでした。しかし、脚本を読んだときに、たいへん身近な話題であることに気が付きました。死をテーマにすることは、たいていの人はいやがりますが、わたしはそのテーマに人をひきつける魅力を見出しました。こうゆう感性は映画監督なら誰にでも、あるものだと思います。

質問項目
この映画を作らなければならいような個人的な理由があったのでしょうか?
滝田監督
死についての私の経験は限られたものだったので、このテーマを与えられたときは、興味を持ちました。葬式には参列したことはありますが、このような納棺をするという作業があることには、まったく気がつきませんでした。わたしが子供だったころ、葬式は自宅でやるもので、死が身近にありました。映画を作るための資料集めをしていて、わたしは、突然、人間はいつも死と隣合わせにいることを理解しました。葬式のとき、家族や親戚は死を受け入れています。

質問事項
今、この映画をどうしても作らなければならないと思った理由は?
滝田監督
死は人間すべてが経験しなければならないものですが、自分の死について考えることは誰しもいやなことです。この映画で他人の死を見ながら、自分に置き換えて、観客が自分の死について考えてくれことを期待しています。

質問事項 (以下は回答は略します)
映画作りには啓発するものが必要でしょうか、それとも、良いスタッフに恵まれていれば作れるものでしょうか?
この映画の特徴は何でしょうか?
この映画を作り終わったあとで、監督自身が変わったことは何でしょうか?

この映画のシーンの中で、監督自身が一番好きな場面は何ですか?
納棺という仕事は、人が死んだときに当然必要なことですが、これまで、知られていませんでした。この仕事について、どのように調べたのですか?

脚本を、コミカルな作品が得意な小山薫堂に依頼されていることに興味を持ちました。小山さんの書かれた脚本どおりを使われたのですか、それとも書き直しがあったのですか?
チェロ演奏がこの映画の中で、重要な役割を果たしていますが、作曲家の久石譲さんにはどのような指示をされたのですか?

日本でもアメリカでも仕事を失う人が増えています。これまで慣れた仕事をあきらめて、経験のない仕事をやらざるを得ない主人公の立場は、共感をよびます。俳優の本木雅弘さんはうまく、この仕事をこなしました。監督は俳優にどのような演技指導をされたのですか?

◎南カリフォルニアの日米協会が100周年記念行事を実施中(P1)

16人のアメリカ人と日本人によってロサンゼルスに日米協会が設立され、今日の会員数2000人を越える南カリフォルニア日米協会に発展したのが100年前。日米協会は2009年に行なわれる日本間係イベントの冠スポンサーになり、100周年を宣伝している。

日米協会が100周年記念後援行事と銘打っているものは、ゲッティー美術館で行なわれた江戸時代の漆工芸品展(ヨーロッパへ輸出された作品の展示、3月3日から5月25日まで)日本食材の日本からの輸出を促進するために酒フェスティバル(3月5)ドジャーズ球場での100人による着物観戦と着物を着た試球式(4月16日)全米日系人博物館での冨田伸明キモノ展(4月17日)。

100周年記念行事のメインイベントは、6月15日にユニバーサル・スタジオ内の劇場を借り切って行なう100周年記念晩餐会で、ワシントンの藤崎一郎・駐米大使が出席する。

◎春の叙勲で、UCLA名誉教授が旭日中綬章を受ける(P1)

UCLA日本研究センターの初代所長で、UCLAで歴史を教えていたフレッド・ノートヘルファー名誉教授(70歳)が春の叙勲で「旭日中綬章」を受け、その伝達式が5月12日にロサンゼルス総領事公邸で伊原純一総領事によって行なわれた。

ノートヘルファー名誉教授は1939年に東京で生まれている。父親は宣教師だった。第二次世界大戦中も日本で過ごしている。東京のアメリカン・スクールを卒業後、ハーバード大学に進み、後に駐日大使となるエドワード・ライシャワー氏から影響を受けている。

◎カリフォルニアの元実業家が日本美術を広めた功績で、旭日中綬章を受ける(P2)

中部カリフォルニアの農業地帯ハンファードに住む元実業家のウィラード(ビル)クラーク氏(78歳)が、日本美術を広めた功績で旭日中綬章を受け、その伝達式が5月22日に長嶺安政サンフランシスコ総領事によって公邸で行なわれた。

伝達式にはクラーク氏の運営する美術研究センターの支援者、職員そして、クラーク氏の家族など約100人が参加した。クラーク氏は職員やセンター運営理事会メンバーのひとりひとりを紹介し、同氏の叙勲がこれら関係者のお陰であるとさいさつした。

クラーク日本美術研究センターには一級品の日本画や日本美術品が約1500点集められており、収蔵品は年3回の展示で公開されている。ギャラリーには年間約5000人の入場者がある。

インターン・プログラムでは、毎年2人の日本美術の若手学者ヨーロッパや日本から呼び寄せて1年間、同センターに滞在させている。現在は12代目のインターンが東京から、13代目のインターンがドイツから来ている。

また高名な経営学者、故ピーター・ドラッカーを冠にした奨学金も出しており、2008年にはこの奨学金で三笠宮妃彬子(あきこ)さまが3カ月、クラーク・センターに滞在されている。5月22日には、彬子さまからのお祝いの花束が長嶺文子(あやこ)総領事夫人によってクラーク氏に伝達された。

◎軍事アナリスト神浦元彰の日本レポート:マスコミが報じないニュース「新型インフルエンザの空港検疫に自衛隊が初めて出動」(P2)
翻訳は東京在住、アラン・グリーソン

メキシコで発生した新型インフルエンザが世界各地に広まっている。日本は島国のため、昔から「災いは海の彼方からやってくる」という国民性が強い。だから主要な空港や港湾では世界で最も厳しい検疫体制が敷かれている。

その厳戒の成田空港に(5月に)新型インフルエンザ対策で自衛隊が初めて投入された。これは成田空港の検疫官が不足し、厚生労働省の要請で自衛隊の衛生部隊を派遣した。内訳は医官10名と看護官20名。すべて感染症や疫学専門の隊員である。さらに中部空港、関西空港にも、同じように自衛隊の衛生科隊員が検疫支援に向かった。

しかし、なぜ自衛隊の衛生部隊が空港に派遣されるのが初めてなのか。実は自衛隊に防疫能力があることをタブー視された時代があったからだ。日中戦争の時、日本は関東軍防疫給水本部として中国に派遣した731部隊は、チフスやペストの研究と称して、中国人を使った人体実験を繰り返し、実際の戦闘でも細菌を使った過去があった。

そのため自衛隊の衛生部隊は、けが人を救助し、病気を治す医療活動を重視し、細菌戦や化学戦への対処能力があることを積極的に公表することはなかった。しかし化学戦対処能力は地下鉄サリン事件(95年3月)によってタブー視されることはなくなった。そして今回、新型インフルエンザ対策で出動したことが、自衛隊関係者は細菌戦対処能力もタブー視することがなくなったと考えている。731部隊の亡霊もようやく消えようとしている。

◎第7回北米タイコ・コンフェレンスが8月7-9日にロサンゼルスで開催(P3,5,7)

2年ごとに開かれている北米タイコ・コンファレンスが、今年はロサンゼルスで開かれる。今コンフェレンスは登録者のみしか参加できないが、一般公開のコンサート「太鼓ジャム09年」の入場券の発売が始まっている。

「太鼓ジャム09年」の開催は8月8日土曜日の午後8時と9日日曜日の午後3時の2回。出場グループは、ラスベガス雷太鼓、ウエスト・コビナのキシン太鼓、プロの演奏活動をしているポートランド太鼓と、やはりプロ活動のロサンゼルスのオン・アンサンブル。

チケットはオーケストラ席が35ドル、バルコニー席が32ドル。

◎太鼓関連記事3本(P3)

シャスタ山ドラムフェスティバル、8月1日=北部カリフォルニアのシャスタ山を会場に行なわれる太鼓コンサートで、今年で5年目。約1000人の参加が見込まれる。入場料は25ドル、20ドル、15ドル。

マコト太鼓10周年記念コンサート、8月22日=パサデナの秀明アート・カウンセルが主宰するマコト太鼓の10周年記念コンサートがサンガブリエル・ミッション・プレイハウスで行なわれる。出演はマコト太鼓の中村浩二(グラミー賞受賞者)、サンフランシスコ太鼓道場の創立者田中誠一氏など。

輪島きりこ太鼓保存会アメリカ支部=6月11日にウエスト・ロサンゼルスのニベイ財団で太鼓クラスを行なう。その後、8週間の連続の太鼓クラスを予定。石川県の能登半島に伝わる伝統太鼓。

◎オレンジ・カウンティー仏教会の盆フェスティバル、7月18、19日(P3)

オレンジ・カウンティー仏教会は浄土真宗本願寺派の寺院だが、盆フェスティバルの1週間前の説教は、7月12日で、日本語部のゲストは高野山米国別院(真言宗)の旭清澄総監。

◎ロサンゼルスの日米文化会館のイベント(P3)

6月26日は野外上映で、無料のアニメ映画上映会=鉄腕アトム、鉄人28号、ボルトロン。午後7時30分からプラザで。

6月28日=日米文化会館の第29回アニバーサリー・ディナー・表彰式。会場は日米文化会館。

◎イベント紹介(P3)
裏千家淡交会ロサンゼルス協会の募金茶会=6月27日(土)パサデナ仏教会内の茶室で。ひとり45ドル。申込は6月3日まで。

ニベイ財団の日本スタディー・クラブ講演会=6月23日(火)はカリフォルニア州立ポモナ工科大学名誉教授の上杉武夫先生による「日本の庭の美しさ」。午後6時30分からディナー。講演は午後7時30分から。参加費は10ドル。

ガーデナ・バレー日本文化センターのカーニバル=6月27、28日。入場は無料。フード、ゲーム、エンターテイナメント。

◎ロサンゼルス・カウンティー美術館(LACMA)の新展示(P4)

LACMA日本館学芸員、ホリス・グッダル=当美術館の日本部門では年に、3、4回の展示作品の入れ替えを行なっている。展示物が小さい場合、作品が代わっても、見過ごしてしまうこともよくあるので、あらためて、現在、LACMA日本館で展示中の作品を紹介しておく。

最上階(3階)の2つの展示ケースでは平戸焼(三河内焼とも言う)の見事な陶器が展示されている。平戸藩が朝鮮から連れてきた陶工によって17世紀初めに始まった平戸焼は時の将軍家への献上品やヨーロッパへの交易品として優れた芸術性を維持してきた。19世紀になり、平戸藩御用窯から民間の陶芸業者に担い手が代わっても、優れた陶芸の伝統は守りつがれている。

寄贈品の徳利の陳列では、日本全国で作られた徳利を見ることができる。備前焼と丹波焼を並べて展示してあるので、この2つの産地の違いを比較してみることができる。備前焼は上薬を使わない焼き方で、粘土そのものの色や感触が作品を作り上げる。

プラザ階(2階)ロビー展示では、現代陶芸作品を見ることができる。新進作家の作品と並んで、人間国宝・松井康成の「練上」手法による作品がある。このほか、漆器作家の北村タツオ、鈴木睦美、山村慎哉らの精巧な作品が展示されている。

イースト・ウイングの階下には、アメリカで初めての神道で使う面の展示が行なわれている。面は桃山時代(14世紀から)江戸時代(19世紀)までが集められている。

◎ロサンゼルス・カウンティー美術館(LACMA)日本館の常設展示について(P4)

LACMA日本館は、日本国外では唯一の独立した日本美術専門の建物である。開設から20年の間に収拾された所蔵品の展示が行なわれている。

◎日本で陶芸に出会ったアメリカ人作家による茶碗、ぐい呑の展示会(P4)

ロサンゼルスのジュリー・バギッシュさんは30年前、夫の仕事で金沢に滞在中に陶芸に出会った。ロサンゼルスでは裏千家に入門して25年、茶道を学ぶことで、茶碗作りにも理解が深くなっている。茶碗とぐい呑の作品展が6月15日から27日まで、ティワンガのマックグロータリー・アート・センターで開催される。(メイヤー・マッカーサー記事)

◎パサデナのパシフィック・アジア美術館の日本ギャラリー(P5)

同美術館に寄贈されている日本美術品の展示が日本ギャラリーで行なわれている。写真は大正・昭和の日本画家・伊東深水(1898-1972)の「紅」(パート)2008年に寄贈されている。

◎スシ学校経営者アンディー松田のコラム(P5)

2カ月のスシ学校のコースを卒業したあとでも、卒業生にはレストラン経営についてのアドバイスを無料で提供している。

◎サンディエゴ日本庭園内での茶道クラスで5000人目の参加者を記録(P5)

裏千家チュラビスタ教室を主宰するスタット片山アヤコ・宗リョウさんは、サンディエゴ市内バルボア公園にあるフレンドシップ日本庭園内で2001年9月から茶道クラスを毎月第1水曜日に開いているが、この5月5日には5000人目の参加者を記録した。

サンディエゴ・フレンドシップ日本庭園には、茶室がないため、スタットさんは、毎回茶室を作るための道具を運んでいる。茶菓子は、スタットさんの知り合いで、たまたま京都に行く用事があるひとが、毎回、買って来てくれる。

5月5日の茶道クラスでは「日米和親条約=締結から155周年」をテーマに、茶碗はペリー提督の浦賀来航150周年記念の図柄が使われた。

茶杓(ちゃしゃく)は「戯風」の銘を持った、サンディエゴの石井ヨシノリさんの手作り。掛軸はキリスト教徒の社会変革者・賀川豊彦が1941年7月31日に書いたものが使われた。賀川はこのとき、日米の戦争を回避するためのルーズベルト大統領との交渉を日本政府に依頼されていたのだが、交渉が不調に終わり、米国を出発する際に、失意の心情を書き留めたもので、後に表装され掛軸となった。この掛軸は20年前にスタットさんが日本の知人から寄贈された。

◎合気道センター・オブ・ロサンゼルスの設立者、古屋顕正先生の急逝から2年目にあたり、古屋先生の歩みをふり返る(居合道の指導者、ゲーリー・マイヤーによるエッセー)シリーズ2回目(P6)

◎合気道によって不良少年から立ち直った日系アメリカ人(P6)
合気道センター・オブ・ロサンゼルスの合気道の指導者デビット・イトーによる古屋先生との出会いについてのエッセー

◎広告:カルチュラル・ニュース主催:アート&アンティーク・ショー(骨董市)(P7)
8月16日(日)午前10時から午後5時まで、リトル東京の京都グランド・ホテル内で日本美術品、骨董品の展示即売会を行なう。入場券は2ドル。出展者を募集中

◎広告:カルチュラル・ニュース主催:バス・ツアー、クラーク日本美術研究センター行き(P8)
7月18日(土)午前8時30分、リトル東京を出発、9時、ウエストウッド経由、クラーク・センターの夏の展示「美人画展」の見学、参加費=バス代55ドル、ギャラリー入場料8ドル。申込はカルチュラル・ニュースへ。
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by culturalnews | 2009-06-14 13:31 | 月別の日本語要約