英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


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ロサンゼルスの日本画家ロバート・クラウダー(1、4、6ページ)

  ビバリー・ヒルズに住むロバート・クラウダーさん(96歳)は、生涯を日本画にうち込んできたひとだ。イリノイ州出身で、1934年、23歳のとき、初めて日本を体験した。アメリカ人宣教師の子供たちが通う学校が、現在の北朝鮮・平城にあり、その学校へ音楽の教師としてアメリカから派遣されることになり、途中、日本立ち寄ったのだった。子供のときから自然や花が好きだったクラウダーさんは、初めて日本の土を踏んだとき、とても懐かしく、まるで、故郷に戻ってきたような気持ちを味わったという。

 平城の学校の夏休みには、日本へでかけ、そこで、日本画家、望月春江(もちづき・しゅんこう)に出会う。宣教師学校での3年の契約が終わると、クラウダーさんは、東京に移り、春江の下で日本画を学んだ。1939年、熊本の第五高等学校(現在は熊本大学)の英語教師に採用され、熊本に移った。1941年12月8日の日米開戦まで、クラウダーさんは熊本で日本の文化を満喫する。しかし、日米戦争が始まると、敵国人として収容所に入れられ、非人道的な扱いと、寒さや飢えを体験する。しかし、日米の戦争捕虜交換船に乗る順番が回ってきても、日本への愛着から日本に留まることを選択する。そして日本の食料事情が悪化していく中で、自分の存在が日本人に迷惑をかけていることに気づき、1943年に交換船に乗り、インド経由でアメリカに戻った。
 
 アメリカに戻った後は、日本で覚えた生花が役にたち、シカゴの花屋で働く。そして戦争中であるにかかわらず、東洋をモチーフにした絵を描き続けたところ、ビバリー・ヒルズから多くの注文が来るようになる。戦後、シカゴからビバリー・ヒルに引越し、高級住宅内壁に日本画を描く仕事を多く請けるようになる。

 クラウダーさんは日本画を描き続け、「失われし日本の鳥」シリーズの屏風画を完成させている。また、日本滞在中の日記を基にして「マイ・ロスト・ジャパン」の原稿を完成させ、1996年に福岡市内の出版社から翻訳「わが失われし日本」が出版されている。この英語版は、昨年「マイ・ロスト・ジャパン」として自費出版された。

クラウダーさんは、また、日本滞在の思い出をつづった英文詩集「ブルー・フロシキ」を2005年に自費出版している。現在は、日本滞在時にアメリカの友人に送った手紙を基にした「レター・フロム・パスト」(過去からの手紙)を執筆中で、日本画制作では、環太平洋の滅び行く鳥シリーズに取り組んでいる。1984年から高知県出身の棚野泰全(たなの・やすまさ)さんがクラウダー氏の助手として、日本画制作に参加し、また手記と詩集の出版にも携わっている。

ロングビーチ市内にある東洋美術コレクション(1、2、5ページ)

 約1200点の一級品の東洋美術コレクションが、ロングビーチ市内にあり、その一部が社会奉仕団体アシスタント・リーグ・ロングビーチ支部のロビーに展示されている。この東洋美術コレクションは、ハワード・コレクションといい、リンカーン・ハワードとマーガレット・ハワード夫妻が1890年代から1930年代にかけて、アジアに出かけ、収集したものだ。陶器、版画、漆、アジア衣装(着物など)、金属を使った細工もの、人形、家具など幅ひろく、日本、中国、韓国の美術品が集められている。

 ハワード夫妻の死後、1940年に、このコレクションはロングビーチ市に寄贈され、1948年からアシスタンス・リーグに管理が委託されている。版画コレクションでは、幕末から明治にかけて活躍した楊州周延(ようしゅう・のぶちか)の浮世絵が含まれている。周延の版画には、英国ビクトリア朝のドレスを着て洋傘をさす日本人女性を描いたものもあり、日本が、明治の初めに、西洋文化を取り入れようとしたようすがよく分かる。青磁や白磁を集めた陶器も一級品が揃っている。

 アシスタント・リーグの会員で、ハワード・コレクションの学芸担当のキャロリン・ビクスビーさんによれば、アジア美術と歴史に関心を持ってもらうために、小学7年をハワード・コレクションに招待している、という。アシスタント・リーグの建物は美術館ではないので、一般公開はしていていないが、予約をすれば、だれでも見学でき、また、子供たちが見学したいときは、送迎バスの手配もしてくれる。

 この記事は、パサデナのパシフィック・アジア美術館で9年間、東アジア美術の学芸員を務めたメーヤー・マッカーサーによって書かれた。

粟屋会琴コンサートでパトリシア粟屋の名取披露、5月6日(1ページ)

  粟屋陽子師匠の第16回ビネリアル粟屋会琴コンサートが5月6日にトーレンス市内のエルカミノ大学大講堂(2000席)で行われる。琴に、中国の二胡(にこ)や琵琶、太鼓、尺八、ピアノ、コーラスなど西洋、東洋の音楽を織り交ぜた演習で、観客を楽しませる。

  また、今回の2年に1回(ビネリアル)の琴コンサートでは、粟屋師匠の娘、パトリシア粟屋さんの名取披露の演奏も合わせて行われる。チケットは、大人20ドル、子供(12歳以下)と高齢者(65歳以上)は10ドル。

池坊ロサンゼルス支部の創立50周年記念行事、4月28、29日 (2ページ)

 池坊ロサンゼルス支部が創立50周年を迎え、4月28、29日にレークウッド市のセンター・アット・シカモア・プラザで記念行事を行う。京都から家元、池坊専永氏が参加し、いけばなを披露する。池坊ロサンゼルス支部は、1957年11月に発足した。海外では初めての支部だった。当時は、師範が6名に、生徒は約100名だった。現在は、師範が約30名、生徒約500人に発展している。

 写真は、1972年にサンフランシスコで行われた池坊全米大会に参加した池坊ロサンゼルス支部会員。左端が、初代支部長を務めた岡本千花さん。

仏教伝道協会テレビ・シリーズ、毎週日曜日午後6時30分から(2ページ)

 仏教伝道協会が提供しているテレビ番組「仏教徒の生き方」シリーズは、毎週日曜日午後6時30分からKXLA放送、チャンネル44で放送されている。4月の番組は、4月1日、8日は、カリフォルニア大学バークレー校で仏教を教えているダンカン・ウイルアム博士が、仏教の教えと環境問題について話す。

 4月15、22、29日は、アメリカ人として初めてチベット仏教の僧侶となったロバート・ターマン博士が担当する。ターマン博士は、その後、衣を脱いで、チベット仏教を広める仕事にたずさわり、現在はニューヨークのコロンビア大学で教授をしている。
 
 「仏教徒の生き方」はマジックベル社の制作で、同社の番組の一部としてテレビ放送されている。

最新日本のコマーシャル・アートを一挙に展示、7月29日まで(3、4ページ)

 トーキョー・アート・デレクター・クラブ(東京ADC)が主催する2005年度コマーシャルアート・コンクールのグランプリ受賞作品と優秀作品が、リトル東京の日米文化会館ドイザキ・ギャラリーで7月29日まで、展示されている。入場無料。

 東京ADCは、1952年に結成され、日本のコマーシャル・アートをリードする役割を果たしている。2005年度の公募は、2005年5月から2006年4月の期間に行われ、全国から1万点の応募があった。対象は印刷物広告、テレビ広告、製品デザインで、字体やロゴも含む。今回は、グランプリ受賞のナガイ・カズマサさんの「ライフ」、同じくグランプリ受賞のカワグチ・キヨカツさんの「マグ・ライト」が展示してある。

 ドイザキ・ギャラリー学芸員で日米文化会館の美術部長も務める小阪博一さんによれば、「東京の地下鉄は世界一発達しており、もっとも効率のよい交通機関。地下鉄の駅の壁や電車の中に掲示されるポスターは、パブリック・アートである」という。日米文化会館では、これまでも、東京ADCの展示を1987年に「イッコー・タナカLA」、1998年に「東京ADC」、1990年に「1945年から1989年までの日本のポスター100選」、1991年に「エイプ・コール・トーキョー」のテーマで行っている。

日系アメリカ人、ルース・アサワの針金で作った立体作品の展示、5月27日まで(3ページ)

 リトル東京の全米日系人博物館で、二世ルース・アサワの50年間の作品が5月27日まで、展示されている。ロサンゼルス近郊ノーウォークで生まれ、サンフランシスコで6人の子供を育てたルース・アサワは1950、60年代には、注目を集めた芸術家だった。針金を編み上げて瓢箪の形をした立体作品は、当時、誰も考えつかない芸術だったが、あまりにもユニークで、他に同じような作品を作るひとが現れなかったため、時がたつと、忘れられる存在になっていた。

 今回は、サンフランシスコ美術館が企画した巡回展の一環で、ルース・アサワの「職人的技法」で作られた針金や紙を使った立体作品が展示されている。

ロサンゼルス・カウンティー美術館で禅画の展示、5月29日まで(3ページ)

 ロサンゼルス・カウンティー美術館の日本パビリオンで行われている展示は以下のとおり。禅画展(5月29日まで)サイトウ・キヨシの創作版画展(5月29日まで)19世紀の根付展(6月5日まで)

子供たちに日本文化を伝えるファミリー・ファンフェスティバル、5月12日(3ページ)

 リトル東京の日米文化会館が日本の「子供の日」のアメリカ版として、毎年行っているファミリー・ファンフェスティバルは、今年は24回目を迎える。5月12日には、日米文化会館で、家族いっしょに子供が日本文化を学べるプログラムが用意される。子供向け太鼓練習、饅頭作り、寿司作り教室などが行われる。

宗教団体「真如苑」の護摩法要がヨーバリンダで初公開、4月21日(4ページ)
 ロサンゼルス郊外ヨーバリンダにある真如苑で、京都の醍醐寺に伝わる柴燈護摩法要の伝統を受け継いだ真如苑のもっとも重要な儀式「斉燈護摩法要」が4月21日(土)に行われる。今回の護摩法要は、アメリカで初めて一般に公開される。参加者には、4月21日午前9時に近隣のニクソン・ライブラリー(米大統領記念博物館)で、朝食会を兼ねたオリエンテーションが行われる。申込はホームページ、www.sixbillionpath.orgから。

花柳流の師範が誕生(4ページ)

 マリナデルレイで日本舞踊を教えている花柳若奈師匠の門下、花柳若奈々さん(わかなな・写真上)と花柳若青羅さん(わかせいら・写真下)が2006年12月に東京の若柳流で師範試験に合格した。2人ともロサンゼルス生まれで、3歳のときから日本舞踊を習っている。2月25日にリトル東京で行われた「米国花柳若奈の会おどりぞめ」で、師範名披露目が行われた。

広告:オレンジ・カウンティー仏教会の花祭り(4ページ)

若柳流若久会の10周年記念「春のおさらい会」が行われる(5ページ)

 オレンジ・カウンティーのサイプレスで日本舞踊を教えている若柳久女師匠の会「若久会」が10周年を迎えたので、3月11日、トーレンスのアームストロング劇場(500席)で、門下生が25演目を踊る「春のおさらい会」を開いた。日本舞踊の他にも、琉球古典舞踊の「高平良万才」(たかでら・まんざい)や、琴と尺八の合奏曲「風の歌」が吉沢政和さん(尺八)と走辺洋美さん(はしべ・ひろみ、琴)によって演奏された。

 若柳久女師匠は、サイプラスの自宅のほかに、コスタメサ、ウエスト・ロサンゼルス、カルバー・シティーでも舞踊教室を開いている。10年間で、6人の名取を出している。また、日本舞踊を広めるために、アジア伝統舞楽協会を主宰している。

 写真(上)長唄・鶴亀 (左から)若柳久起、若柳久三、若柳久女
 写真(下左)清元・三社祭 溝部里保(みぞべ・りほ)と溝部早紀(みぞべ・さき)
 写真(下右)長唄・春の調べ 若柳さやかと高見依子(たかみ・よりこ)

日本旅行情報:滋賀県内の民営「ミホ美術館」の仏像展(5ページ)

 滋賀県甲賀市信楽町にある民営「ミホ美術館」の春の展示は「中国山東省の仏像-飛鳥仏の面影」で6月10日まで。

広告:ジャパン・エクスポ 2007年12月1、2日開催、テーマ「日本の美と技」

広告:日本語学園協同システム(5ページ)

軍事アナリスト神浦元彰の日本レポート 「日米豪印による軍事協力は、中国を封じ込める布石」(6ページ)
4月上旬の日本近海で、日米印の海軍が初の共同訓練を実施する。訓練期間は約1週間と発表されている。通常、多国間訓練の第1回目は無線通信や情報交換訓練などが選ばれる。そして、共同訓練の目的は、船舶事故や大災害を想定した救助活動などと公表される。

これはミサイルや砲弾を発射するとか、潜水艦を追いかける軍事目的でないことをアピールして、周辺国の警戒心や不信感を招かないためである。しかしインド海軍が日本近海の西太平洋で、日米海軍と共同訓練を始めれば、最も不快感を持つのは中国海軍だろう。

中国の軍事費は、19年連続で前年比2桁で増え続けている。その増加した軍事費で中国は、ロシアから最新兵器を購入し、宇宙破壊兵器の実験や、潜水艦の増強と西太平洋への進出、新型戦闘機の開発・配備などを行った。また周辺国に特殊部隊を派遣し、パキスタン軍やタジキスタン軍と中国軍が対テロ・ゲリラ共同訓練を始めている。中国の軍事力がいよいよ国内から外国に指向し始めてきた。

そのため日本のメディアでは、日米印海軍の共同訓練は、中国海軍が西太平洋に進出する動きに対応すると報じるものがある。さらにオーストラリアのハワード首相が3月中旬に訪日し、日豪両国の外務相・防衛相が定期的に安全保障政策や外交問題を協議する閣僚級会議の創設が決まった。また、自衛隊がオーストラリア軍と共同訓練することも、決まった。オーストラリア政府は、今回の日豪共同行動は、中国に対抗したものではいないとコメントしている。今の段階でこれ以上、中国と軍事対立を高めないための配慮である。

しかし現実は、中国の軍事力がアジアの脅威として巨大化すれば、日米豪印の新しい4カ国軍事体制は中国軍に対峙する軍事力になることは間違いない。今の段階では、東南アジア諸国連合(ASAEAN)が、中国支持にまわるのか、日米豪印につくのか、予測がつかない。日米豪印で動き始めた軍事協力は、囲碁でいう”布石”が打たれたという意味である。今よりも将来を見越して、中国と軍事力の優位が逆転しないためのアメリカの世界戦略の一環なのである。

(英文翻訳はアラン・グリーソン)

仙台市とリバーサイド市の姉妹都市縁組50周年(6ページ)

 仙台市とリバーサイド市が姉妹都市縁組を結んで50年になるのを記念して、3月に仙台市から35名の代表団がリバーサイド市を訪れた。記念事業として、リバーサイド市の中心街にあるホワイト公園内に、仙台市から日本庭園が寄贈され、3月20日には、仙台市からの代表団を迎えて記念式典が行われた。

 仙台市とリバーサイド市の姉妹都市縁組は、日米間で、もっとも古い姉妹都市関係。仙台市内で治療を受けていた米兵に仙台市民が花を贈ったことがきっかけで、始まった。姉妹都市運動は、1950年代アメリカのアイゼンハワー大統領が提唱したもので、核戦争の危機が高まりつつある世界で、草の根レベルの国際交流の重要さを訴えた。

 写真は、仙台市がリバーサイド市に贈った日本庭園の前で、中央がロン・ラバーリッジ・リバーサイド市長、その右隣が藤井ハジム前仙台市長、女性は仙台市の姉妹都市団体オレンジ・クラブ会員。(写真提供はリバーサイド市)

第二次大戦中の秘話「ユダヤ人と日本人」、4月17日に講演会(6ページ)

 日米協会は、ロサンゼルスのユダヤ教教会と共催で、東京在住のユダヤ教僧侶(ラビ)マービン・トケーラー師の講演会を4月17日、ベルエア地域の教会で行う。日本が計画していたユダヤ人を満州に移住させる「河豚プラン」の真相を明らかにする。

 トケイラー師は、10年以上、東京のユダヤ・コミュニティーで仕事をしているほか、東南アジア・東アジア全体のユダヤ教団体の幹部を務めている。参加費は10ドル。

寿司職人学校校長アンディー松田のコラム(7ページ)

 わたしの寿司職人養成学校では、2カ月コースを受けてもらい、寿司職人を養成してきましたが、スーパーマーケットやテイクアウト店で寿司を作れるレベルの講習をしてほしいとの要請がありましたので、4日間(土、日を2回)のコースを始めることにしました。ロサンゼルスの学校で講習するときは、講習料は一人1440ドルです。この4日間コースはサンタバーバラ、サンフランシスコ、ラスベガス、サンディエゴにも出張します。出張コースのときは、講習料は、一人1600ドルになります。

親を亡くした学生を日本へ派遣するレインボー奨学金の申込受付中(7ページ)

 日系商工会議所基金は、日本のあしなが育英会と提携して、両親あるい方親を亡くしたか、親が障害をもち働くことができない家庭の子供たちに、日本を体験する機会を与える「レインボー学生交換プログラム」を行っているが、現在、2007年度のアメリカ側の学生を募集している。日本語の読み書きができることと日本文化に関心を持っていることが条件。人種は問わない。締め切りは、5月12日まで。

全米日系人博物館の募金集め晩餐会、4月14日(7ページ)

 今回表彰を受けるのは、日本経団連、日本財団、JETプログラム体験者協会、複数の県人会。

日米協会の募金集め晩餐会、4月18日(7ページ)

 今回は、サンペドロのワールド・クルーズ・センターで行われ「国際市民賞」はロサンゼルス港湾局、ロングビーチ港湾局、神戸港湾局に贈られる。

日本の宗教芸術、5月4日から10月31日まで(8ページ)

 パサデナのパシフィック・アジア美術館は、昨年9月に日本ギャラリーをオープンしたが、このギャラリーの展示が5月4日から「日本の宗教芸術」に入れ替わる。同美術館が所蔵する作品で、仏像などは仏教に、絵馬などは神道に結びつく作品が展示される。また日本人の持つ「カミ」も紹介される。

広告:粟屋会琴コンサート(8ページ)

広告:平山郁夫シルクロード展 (8ページ)
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by culturalnews | 2007-04-30 00:56 | 月別の日本語要約