英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


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南カリフォルニアで発展する日本舞踊の坂東会(4ページに続く)

東京発=歌舞伎俳優で、テレビでも活躍する坂東三津五郎十代目がロサンゼルスにやって来る。坂東三津五郎は日本舞踊坂東会の家元でもあり、ロサンゼルスで大きな公演を行うことは、十代目の父親、九代目の時代からの念願であった。十代目の襲名があったのが、2001年1月1日、そして家元として十代目坂東三津五郎は、2004年にロサンゼルスを訪れ、ロサンゼルスの3人の坂東流の師匠、坂東三津佐、坂東三津拡、坂東和勝恵とロサンゼルス公演の計画を始めた。

 日本舞踊坂東会は、6月11日、ロサンゼルス日米劇場で、チャリティー・ショーを開催する。坂東会にとって、家元が、日本舞踊の公演を海外に住む師匠たちといっしょに行うことは、初めてのことである。
 
三津五郎十代目は、ロサンゼルスの3人の師匠について、次のように述べている。「三津佐は曽祖父から日本舞踊を習ったひとで、そうした経験を持つひとは、日本でもあまりいません。いわば、坂東会の宝物です。三津拡は、開拓精神のあふれるひとで、三津拡の決意と力量がなければ、今日のように、坂東流がアメリカで広がることはなかったでしょう。そして、和勝恵は、これからのひとで、将来を期待できます」

 今回のチャリティー・ショーでは、日本から18人の第一級の踊り手がロサンゼルスに来る。そのメンバーの中には、三津五郎十代目の妹、坂東秀子、そして三津五郎の娘も参加している。三津五郎によれば、これだけの豪華メンバーによる米国での日本舞踊公演は、あまりない、という。今回のロサンゼルス公演では、三津五郎は、誰にでも理解できるように、とくに普通のアメリカ人でも見ても、理解できるような演目を選んでいる。例えば「松竹梅」は特徴のある演目で、そのほかの演目では、滑稽さや、楽しさを鑑賞できるように構成している。

 三津五郎によれば、日本の伝統文化ほど、季節感を重要視する文化は、世界のどこをさがしても見つからない。着物を着ることは、たちまち、着物に描かれている「季節」を着ることにつながる。日本舞踊だけではなく、茶道、生花、俳句など、日本文化に重要なことは季節感である。

 しかし、こうした日本の伝統文化に、現代の若者は関心を示さなくなって、しまっている。またアメリカの日系人も、以前に比べると、伝統日本文化に対する関心度が低くなっている。今度のロサンゼルス公演は、正統的な伝統日本文化を伝えるきっかけを作りたい、と思っている。

(この記事は、東京で飯田文恵が坂東三津五郎十代目にインタビューをしてまとめました。飯田文恵は、2002年から2005年のロサンゼルス滞在中、坂東三津拡門下で、日本舞踊を学んでいた。現在は、東京在住で、PR会社に勤めながらフリーランス・ライターをしている) 


歌舞伎:継承される役者名(5ページに続く)

 歌舞伎役者、坂東三津五郎十代目は、1956年に東京で、本名、守田寿(もりた・ひさし)として生まれた。生後14ヶ月で曽祖父にあたる坂東三津五郎七代目に抱えられて、初舞台を踏んだ。寿は、六歳の時、坂東八十助五代目を襲名、牛若丸役で登場した。そして2001年1月1日、三津五郎十代目を襲名した。

 坂東三津五郎の名前は、江戸期、18世紀に遡る。坂東というのは地名で、箱根から東に位置する相模、武蔵、安房、上総、下総、日立、上野、下野の8つの地域を「坂東八州」と呼んだことに由来する。関東平野を流れる利根川は、坂東太郎の愛称で呼ばれた。また、坂東武者(ばんどうむしゃ)という名前も有名になった。

 初世坂東三津五郎(1745-1782)は、前名を竹田巳之助(たけだ・みのすけ)といい、大阪の芝居で人気の子役だった。江戸歌舞伎の坂東三八は、竹田巳之助を弟子にして江戸に連れて帰り、坂東三津五郎と名乗らせた。

 坂東三津五郎三代目(1775-1831)は、初代三津五郎の息子だった。三代目は、幼名をミタハチと名乗り、三代目の前名、初代坂東蓑助を名乗るころには、和事役者としての人気を確立していた。

 三津五郎三代目は、当時人気を、分け合っていた中村歌右衛門三代目と、新しい踊りを競い合った。このとき三代目が作った踊りは、今日まで、継承されいる。

 日本舞踊坂東流の基礎は、三津五郎三代目によって作られた。三津五郎三代目の人気が高まるにつれて、弟子たちが集まってきたのだった。家元を名乗ったのは、三津五郎七代目(1882-1961)が初めてだった。新しい流派は、家元が作り上げ、弟子が集まって来るのが、通常の成り立ちだが、坂東流は、まず信奉者たちが集まり、流派の基礎を作ってから、家元が決まっている。

 坂東流の名取と師範の数は合わせて、約5000名、このうち約110名がアメリカに住んでいる。アメリカは、海外で、坂東流の支部がある唯一の国である。

 参考資料=英文『日本の演芸のためのガイド』、英文『歌舞伎ポケット・ガイド』、『十代目坂東三津五郎』、『歌舞伎鑑賞ガイド』、『七世坂東三津五郎舞踊芸話』



写真:日本の色彩 菖蒲(廿楽美登利=つづら・みどり=写真展から)(4ページに続く)

 和紙の背景の前に立つ菖蒲(しょうぶ)は、5月の花です。昔、5月5日は端午の節句とよばれ男の子が健やかに育つことを願うお祭りでした。1948年からは子供の日と呼ばれるようになりましたが、その日、菖蒲を入れたお風呂に入り、邪気を払う為にしょうぶを軒に差す風習は今でも受けつがれています。

 廿楽美登利写真展「日本の色彩」が、9月に、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校で予定されている。



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坂東流家元、坂東三津五郎十代目のロサンゼルス演目は、得意芸の「流星」と「喜撰」6月11日

 日本舞踊坂東流(坂東三津五郎十代目家元)の坂東会は、6月11日、リトル東京の日米劇場で、敬老シニア・ヘルスケアのためのチャリティー舞踊会を行う。ロサンゼルス公演のため、日本から踊り手、裏方など約30人が来る。ロサンゼルスからは、坂東三津拡師匠、坂東三津佐師匠、坂東和勝恵師匠の3つの教室から、計30人が出演する。

 坂東三津五郎十代目の演目は、得意芸とされる「流星」と「喜撰」。「流星」は中国の話が元になっており、雷夫婦とその子供、そして祖母のコミカルなやり取りが、舞踊で表現される。「喜撰」は、古今集の中の六歌仙のひとり喜撰法師をモチーフにした踊り。喜撰法師が江戸時代の京都・祇園に現れ、茶屋の娘に恋をする、という筋書き。

 アメリカでのチャリティー公演は、坂東三津五郎八代目の発案で、九代目、十代目にその意図が引き継がれてきた。坂東流としては、初めてのアメリカでのチャリティー公演となる。6月11日は、午後1時と6時の2公演で、それぞれ、チケットは50ドル。


ミュージアム・カレンダー:パシフィック・アジア美術館

6月18日まで、「美しさの表現:花柳界の女たち」展示
6月3日午後2時-3時、レクチャー「江戸時代の花柳界の着物」
6月4日午後2時-3時半、坂東三津五郎十代目によるレクチャー


ロサンゼルスの日米文化会館で5月13日から6月18日まで写真展「おかしな、異常な風景:日本の現代写真」が行われる。また5月13日は、「ファミリー・ファン・フェスティバル」が行われる。(4ページに続く)

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ロサンゼルスで、唐代茶道の再現、6月25日

 中国・唐代の茶道の研究家、京都の棚橋こう峰さんが、6月25日にロサンゼルス・ニューオータニ・ホテルで唐代の茶道を再現する。午後1時と3時半の2回公演。チケットは1回、30ドル。棚橋さんの研究は、1987年、中国・西安近くで発掘された唐時代の茶器の復元を通して深まった。また、唐時代に書かれた茶の専門書「茶経」を研究して、唐代の茶葉の作り方も復元した。ロサンゼルスには、復元した亀型の入れ物、固めた茶葉をすりつぶす薬研(やげん)など12点を持ってくる。

 連絡先は、詩吟グループを主宰する奥村さん(323-728-1990)と裏千家の会員、吉見(きちみ)さん(818-547-1122)まで。 


ガーデナ・バレー日本文化センターのカーニバル、6月24、25日

 食べもの屋台、ゲーム、室内、屋外での歌や踊り、武道などの実演。生花、水彩画、手芸品、折り紙など。カーニバル・クーポン券を1冊、10ドルで発売中。


テメキュラの姉妹都市協会が子供祭り、6月4日

 鳥取県大山市(旧中山町)と姉妹都市になっているテメキュラでは、姉妹都市協会が、日本文化紹介をテーマにした第4回の「子供祭り」を6月4日、午前11時から午後5時まで行う。今年のテーマは「食べものと家族」。恒例の日本舞踊、日本の音楽、太鼓演奏、


沖縄県人会の民謡ショー「うたやびら・うどゅやびら」、5月21日


津軽三味線の吉田兄弟のロサンゼルス・コンサートが、6月2日と3日、それぞれ8時からリトル東京の日米劇場で行われる。


ロングビーチのアール・バーン・ミラー日本庭園の日程

5月7日(日)春祭り、太鼓、琴の演奏、日本舞踊、扇子の展示。お茶のサービス。入場料は7ドル。
6月11日、25日、黒松の剪定会
7月16日(日)折り紙フェスティバル


サンファーナンド・バレー日系アメリカ人コミュニティー・センターの日程
6月3日(土)ファミリー・ファン・フェスティバル



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美術館カレンダー:ロサンゼルス・カウンティー美術館

 5月30日まで 根付展示テーマ「西日本の工芸家」交通手段があまり発達していなかった近代以前の日本では、地方によって工芸品のデザインや材質に大きな特徴があった。「西日本」展では、大阪、石見、名古屋地方で作られた根付を展示する。

 5月26日から9月26日 日本画展示テーマ「生、愛、死」17世紀から19世紀の掛け軸の展示。

 5月26日から9月26日 版画展示テーマ「戦いの顔」歌川派の浮世絵師、月岡芳年(1839-92)の武者を描いた版画の展示

 6月2日から8月29日 根付展示テーマ「東日本の工芸家」近代になると、東京で作られた根付が、海外に輸出されるようになる。そのためデザインも外国の影響を受けたものが現れてくるようになる。

 (写真)中林竹洞(1776-1853)による「梅の小枝」



サトリ太鼓が日本行きの募金のためコンサート、6月3日

 ロサンゼルス太鼓センターのサトリ太鼓は、7月22日の大阪の難波フェスティバルと、7月29日の三重県志摩市でのコンサートに参加する。その旅行資金集めのためにコンサートが6月3日にモンテベロのシューラー高校で行われる。サトリ太鼓のほか、神前太鼓、琴の松山幸子が出演。チケットは前売り15ドル、当日20ドル。


琴の松山幸子コンサート、5月20日

日米文化会館(2ページからの続き)

南カリフォルニアで発展する日本舞踊の坂東会(1ページからの続き)

写真:日本の色彩 菖蒲(1ページからの続き)

広告:唐代茶道の再現、6月25日ニューオータニ・ホテルで



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日本語スピーチ・コンテストで韓国人小学生が最優勝に

 4月1日にリトル東京禅宗寺ホールで行われた第55回日本語学園協同システム日本語スピーチコンテスト(小学生部)では、傘下の日本語学校4校の代表約30人が参加した。最優勝賞は、パサデナ学園に昨年4月から通っている韓国人の李沇宙(リー・ヨンジョー、5年生)さんに与えられた。両親とも韓国人の李さんはソウル郊外で生まれ、6歳のとき父親の転勤で東京に引越し、渋谷区幡ヶ谷の西原小学校で、1年生と2年生の2年間をすごした。ロサンゼルスには、2年前、やはり、父親の転勤で、引越している。


第6回US相撲大会は大盛況

 4月9日にロサンゼルス・コンベンション・センターで行われた第6回US相撲オープンは、入場者、出場選手数ともに、これまでの最高を記録した。入場者数は約2500人で、出場選手は日本、モンゴル、ドイツ、ノルウエーからも参加し、47人だった。重量級と無差別級の試合では、静岡県焼津相撲協会の加藤耕一(焼津市役所勤務)が、ともに優勝し、約1000ドル相当の賞品を獲得した。無差別級の第二位はハワイ出身で元プロのウエイン・ビーラ、三位はロサンゼルスの警察官トロイ・コリンズ。審判は、昨年に続き、静岡相撲連盟の下村勝彦さんと村松幸昌さんが担当した。


日米協会の第97回の大晩餐会、7月15日

 南カリフォルニア日米協会の恒例の大晩餐会は、7月15日午後6時から、シミバレーにあるレーガン元大統領記念博物館内のエア・フォース・ワン展示場で行われる。


女子学生への奨学金

「日本人女性による大学卒業者協会」は1970年から毎年、日本人女子学生へ奨学金を贈っている。今年の奨学院は、ひとり1500ドルが支給される。申込は、9月30日まで。


歌舞伎:継承される役者名(1ページからの続き)

広告:サンタバーバラ植物園の盆栽展


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日本の暮らし:産業都市愛媛県新居浜市でお手玉大会

 18世紀から銅の精錬で栄えた愛媛県新居浜市は、最盛期は世界最大の銅の精錬量を誇る産業都市だったが、1973年の銅山の閉鎖で、かっての賑わいが見られなくなった。しかし、市民が始めたお手玉の復活運動が全国に波及している。8月26、27日には「全国お手玉大会」が新居浜市で開かれる。


佐々木龍新居浜市長の挨拶


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広告:ガーデナ・バレー日本文化センターのカーニバル、6月24、25日
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飯沼信子さんが叙勲

  2006年春の叙勲で、ロサンゼルスのノンフィクション作家、飯沼信子さん(73歳)に旭日単光章が贈られることが発表になった。飯沼さんは、静岡県沼津市生まれで、日本で、日系二世の飯沼星光氏との結婚後、1953年、日本人がアメリカに来ることが難しかった時期に渡米した。野口英世の夫人、メリー・ノグチ女史や、アドレナリンの結晶化やタカ・ジアスターゼの開発などに成功した高峰譲吉、明治初頭に渡米し米国で測量技師となって活躍した松平忠厚、彫塑家として米国で数々の石像を製作した川村吾蔵、日本薬学界の父と称される長井長義らを取り上げ、精力的に米国や日本国内、関係各国を訪問し、資料を収集し、関係者の面接調査を行って、その結果を著書にまとめている。


寿司職人学校の校長、アンディー松田のコラム

 子供たちに寿司の作り方を教える仕事もしています。5月13日の日米文化会館のファミリー・ファン・フェスティバルでは、手巻き寿司の作り方を、1時間で教えます。5月から第一と三週の土曜日にJATV(チャンネル18)でクッキング・クラスを放送します。

広告:日本語クラス、パサデナ・シティー・カレッジ、サンタモニカ・カレッジ、ロサンゼルス・シティー・カレッジ
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広告:スシ職人学校
広告:ミキー世木時計店、母の日のお祝い
広告:書籍「ホーム・スタイル・クッキング」
広告:住宅ローン・ファイナンシャル・プラニング

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日本の家庭料理:味噌汁
広告:津軽三味線の吉田兄弟、ロサンゼルス公演、6月2日、3日
広告:坂東流チャリティー舞踊会、6月11日

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バックナンバーの日本語要約は、www.culturalnews.com に掲載されています。
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by culturalnews | 2006-05-23 13:21 | 月別の日本語要約