英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


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日本画を取り入れ、グラフィティ(落書き)を芸術作品に仕上げた藤田雅人(4ページに続く)
 日本画とロサンゼルスの路地裏でよく見かけるグラフィティーを組み合わせためずらしい作品が、4ヶ月にわたって、ロサンゼルス・カウンティー美術館で展示されている。両親が日本人の藤田雅人(ふじた・がじん)の作品展で、展示は2月12日まで。

 藤田の作品は、モチーフを型枠におこし、その型枠の上からスプレー・ペイントを吹きかける方法で仕上げるもので、モチームを版画に掘り込み、その版から絵を仕上げる、浮世絵の手法に通じるものがある。
 
この藤田独特の作品は、1997年から2000年にかけて、藤田が、ネバダ大学ラスベガス校で、マスター(修士)学位の勉強をしていた時期、1998年の日本旅行で得たインスピレーションによって、偶然できあがったものだ。
 
1998年、藤田は京都で金閣寺を見て、この建築物に落書きをしたという衝動に駆られた。その衝動をキャンバスのうえで実行したのが、藤田の作品となった。横45cm X 縦 120cmの木製ボードの上に金箔を貼り、屏風のようにボードを並べて、ひとつのキャンバスと見立てる。ボードの数が増えるにしたがって、作品が大きくなる。さらに大きな作品を作るために、横 60cm X 縦 210cmの大型ボードも使うこともある。
 
藤田は、ボードに金箔を貼り付けると、高校時代の落書き仲間を呼んで、好き勝手に落書きをしてもらう。そして、その上に、型枠をおいて、スプレー・ペンキで作品を描いていく。

 藤田は、貧困地区イースト・ロサンゼルスで、1972年に、画家、藤田佳勝(よしかつ)と母・千歳(ちとせ)の長男として生まれた。北海道・室蘭出身の佳勝は、現代絵画を目指して、ロサンゼルスにやってきた。雅人は、佳勝の仕事を見て育ったが、佳勝は、息子に画家になるようとは、けっして言わなかった。雅人は、佳勝から、直接、絵の描き方を教えてもらったことはなく、雅人の美術への目覚めは、高校時代の落書きだった。
 
イースト・ロサンゼルスは、ロサンゼルスの最も貧困な地区のひとつで、メキシコ系の住宅地になっている。雅人は、自分のことを、アメリカにあって、マイノリティー(少数派)地区のマイノリティーだった、と表現している。
 
高校時代、少数民族の生徒を白人地区の生徒と混ぜる制度によって、ハリウッド地区にあるフェアファックス高校に、バス通学した雅人は、バスを乗り換える途中で、落書きが放任されている場所を見つけ、毎日、通学の途中で、落書きをし、落書きグループKGBやK2Sを作るようになった。また、フェアファクス高校は、美術の授業が充実していた。
 
高校を卒業した後、航空券の配達や新聞販売店員などをしていたが、絵画の勉強をしたくなり、イースト・ロサンゼルス短大へ入り、そして、オーティス美術大学に進む。このとき、イースト・ロサンゼルス短大で、いっしょに勉強したいた友人の父親、金光松美(かねみつ・まつみ)から、絵画の指導を受けた。金光は佳勝を指導したこともあった。佳勝は、1996年、48歳で、病死した。
 
オーティス美大を卒業したあと、ネバダ大学ラスベガス校のマスター学位に進んだ雅人は、同大学で講師をしていた美術評論家のデビット・ヒッコリーに認められ、2001年ニューメキシコ州サンタフェで開かれた近代絵画展で、屋外に、落書きをモチーフにした作品を描くように薦められ、また、著名な画家たちと、同じギャラリーで、作品を展示するチャンスを得た。 

(英文記事は、ギャビン・ケリーが担当)

写真(左側)藤田雅人作品「ライド・オア・ダイ」(乗る、か、死か)スプレー・ペンキ、アクリル、木製パネルの上に白金箔を張り、その上から描いている。210cm X 横 320cm(LAルーバー・ギャラリー提供)

写真(右側)藤田雅人(ロサンゼルス・カウンティ美術館提供)

大学で、アニメ講座が広がる(4ページに続く)
 
カリフォルニア州立大学フラトン校の、2005年度「近代語学・文学304」講座(2005年9月から12月)は、「日本文化と社会:アニメ」のタイトルが付けられ、毎週木曜日の夕方、四村芽以子講師の担当で行われた。「アニメ」講座は、2004年度から、同大学の柴田節枝助教授の発案で始まったもので、今回で、2年目に入る。2004年度に講座の学生を募集したときは、38人の定員に対して、100人近い応募があり、同大学の記録を作った。

 2005年度の四村講師のクラスでは、教室で討論をする前に、学生はアニメのテーマに関係した資料を読んで、質問を用意しなければならない。宮崎駿作品「千と千尋の神隠し」(2001年制作)では、学生は、神道について勉強しなければならなかった。
 
アニメを使って日本文化を理解する講座は、南カリフォルニア地域では、サイプレス短大の高橋マリエ教授が最初に始めた。カリフォルニア州立大学フラトン校で、アニメ講座を開くにあたって柴田助教授は、高橋教授の助言を受けている。全米でも、アニメを使った講座は、テキサス大学やテネシー州のバンダービルト大学で開設されている。

(英文記事はジョン・サカタが担当)

写真(1ページ):カリフォルニア州立大学フラトン校の「アニメ」講座で、発表する映画コースの2年生、ケビン・ジーグラー。ポスターにアニメ映像を貼り付け、日本文化の特徴を説明している。(カルチュラル・ニュース撮影) 

新DVD「ビッグ・ドラム:アメリカの太鼓」発売
 
 全米日系人博物館が、展示「ビック・ドラム:アメリカの太鼓」に合わせて、同名タイトルのDVDを発売している。映像は、アメリカおける太鼓発展の中心人物たちのインタビューが含まれている。価格は19ドル95セント。写真は、1969年のサンフランシスコ桜祭りで太鼓をたたく、サンフランシスコ太鼓道場の創設者、田中誠一氏の若き日。

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太鼓奏者の林英哲が、オハイオ州でレジデンシー・プログラムに参加、2年目に
 昨年、オハイオ州ダブリンで行われたレジデンシー・プログラムに続き、1月から今度は、同州クリーブランドで、太鼓奏者・林英哲の講習会が行われる。主催は、オハイオ州政府のオハイオ芸術委員会。芸術振興団体アート・ミッドウエストと日米文化交流トレード・ネットワークが協力している。
 
林英哲は、門下生による太鼓グループ「風雲の会」メンバーと一緒に、太鼓指導にあたる。第一回は、1月24日からクヤホガ短大で始まる、1月29日には、練習成果を発表するコンサートを行う。
 
第二回目は、4月26日に、トリニティー大聖堂でコンサートを行い、その後、講習を行う。5月3日は、クリーブランド州立大学で、クリーブランド美術学校の生徒たちとコンサートを行う。最後に、今回のレジデンシー・プログラムの成果を発表するコンサートは5月25日に行われる。

写真: 2005年4月30日に、オハイオ州ダブリンで行われたデイビス中学校生徒による太鼓演奏コンサート。(写真提供はダブリン芸術委員会)

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わらび座のロサンゼルス公演、2月18日

 1951年に設立され、秋田県仙北市田沢湖を拠点にして日本各地に伝わる郷土芸能を伝承しているわらび座のロサンゼルス公演が、2月18日、リトル東京のアラタニ劇場で行われる。演目は、おおやま・さんけい囃子(青森県)、津軽じょんから節(青森県)、佐渡おけさ(新潟県)、おきあげ音頭(北海道)、はいや節(熊本県)、花田植え(広島県)、ほうねん太鼓(石川県)、みかぐら(岩手県)、盆舞(青森県)、親子獅子(香川県)、秩父屋台囃子(埼玉県)、みのりのうち囃子(宮城県)(演目の紹介は、5ページに掲載)

彫刻家イサム・野口の「彫刻デザイン」展、2月4日から5月15日(4ページに続く)

彫刻家イサム野口の作品75点を集めた、「イサム野口-彫刻デザイン」展が、2月4日から5月15日まで、リトル東京の日系全米博物館で行われる。舞台デザイナーとして有名なロバート・ウイルソンによる企画。展示品は、野口自身の胸像、石の彫刻、マーサ・グラハム・舞踊劇団のセット・デザイン、明かりランプなど。

日本の前衛舞踊団パパ・タラフマラのUCLA公演、2月3、4日

 東京を拠点に活動をしている前衛舞踊団パパ・タラフマラの「シップ・イン・ビュー」(船が見える)が、2月3日と4日、UCLAキャンパス内のロイス・ホールで公演される。アメリカ西海岸での初公演となる。

2006年のUS相撲オープン、4月9日にロサンゼルス・コンベンション・センターで開催決定

芸者をテーマの展示が3月10日からパシフィック・アジア美術館で始まる

 「美しさの表現:花柳街の女たち」-花魁や芸者をテーマにした日本画、着物、装身具などをパサデナのパシフィック・アジア美術館の所蔵品の中から選んで展示する。3月10日から6月18日まで。

黒澤明の映画「姿三四郎」、2月4日、サンファーナンド・バレー日系人会館で上映

 1943年の制作で、黒澤明のデビュー作となった柔道映画「姿三四郎」が、2月4日午後7時からサンファーナンド・バレー日系人会館で上映される。アメリカ合衆国柔道協会の主催。日本が、第二次大戦のまさなかだったにもかかわらず、戦争賛美を避けた作品として仕上がっている。

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シェフズ・カッティング・ボード(板前のまな板)

 寿司シェフ・インスティチュート(寿司職人学校)の設立者アンディー松田のコラム。今月はおせち料理について。日本料理の世界では、アジは五味、色彩は五色、調理法は五法と言って、数字の五を使うことが伝統である。おせち料理は、五節句料理の一番最初である。五節句とは、日本が農業中心社会だったころの習慣で、正月(西洋暦)、節分(旧暦の新年)、ひな祭り、端午の節句、中秋の名月で、季節の変わり目を表している。

 おせち料理は、縁起をかつぐ料理で、鯛は、メデタイ、カズノコは、子孫繁栄、昆布はヨロコブという意味を掛け合わせて、料理に使われる。百姓にとってタヅクリ(田作りとカタクチ鰯の干し物)は縁の切れないものである。

 割り箸は、おせち料理には禁物である。割る、という縁起のよくない言葉が含まれているからだ。お正月には、丸箸をださなければならない。ポジティブな名前の付けられた料理を食べて、新年をすばらしいスタートとしよう。

日本画を取り入れ、グラフィティ(落書き)を芸術作品に仕上げた藤田雅人(1ページから続き)

大学で、アニメ講座が広がる(1ページから続き

彫刻家イサム・野口の「彫刻デザイン」展、2月4日から5月15日(3ページから続き)

広告:仏教伝道協会、テレビシリーズ「仏教徒の生き方」毎週日曜日、午後6時半からチャンネル44

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わらび座、ロサンゼルス公演の演目(3ページに関連記事)

仏教伝道協会のテレビシリーズを放映中

日本を再訪問した14人の元英語補助教員のリスト(7ページに関連記事)

広告: パサデナ短大、サンタモニカ短大、ロサンゼルス短大での日本語クラス;小川不動産;東本願寺ロサンゼルス別院;日本舞踊・坂東三津拡会;日本語学園協同システム

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新年広告と文化クラス紹介

広告(上段左から):禅宗寺曹洞ミッション;緊那羅太鼓/雅楽;裏千家 松本宗静;裏千家 小泉宋由;LA着物クラブ;芥川婦身 着物教室 江戸千家茶道カリフォルニア閑雪会、裏千家 飯沼信子;粟屋会 琴と三味線;日本舞踊 花柳若奈;日本伝統文化振興協会;日本舞踊 正派若柳流 若柳久三;日本舞踊 坂東秀十実 「日本の四季」公演3月4日;琉球舞踊 宮城流能松会;玉城流冠扇会 与那嶺恵子琉舞道場;真境名本流琉舞道場 真境名愛子;照屋勝子琉球筝曲研究所

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14人の元英語補助教員たちが日本を再訪

日本政府による英語補助教員招聘プログラム(JET)は、設立以来、約20年間に、アメリカから約2万人を送り出している。旅行会社の近畿日本ツーリスト(トラベル・コンサルタント事業部=ニューヨーク)がスポンサーとなり、2004年からJETプログラム経験者を対象としたエッセー・コンテストが行われている。2005年は優秀者14人が選ばれ、12月に日本を再訪をした。

写真:日本側の受け入れ団体、自治体国際化協会(CLAIR)を訪問した元JETプログラム経験者。(写真提供は近畿日本ツーリスト)

発行人の日記 

映画「メモワール・オブ・ゲイシャ」(邦題「サユリ」)を見ました。この映画は、芸者の世界を正確に描いた映画という宣伝でしたが、役所浩司が、顔に傷のある役で登場したとき、この映画は、日本のヤクザ映画の影響を受けているのではないか、と思いました。芸者は、西洋では常に誤解されています。19世紀、日本から浮世絵がヨーロッパに流れ込んだとき、遊女、花魁、芸者の絵が、すべてゲイシャと紹介されてしましました。21世紀のハリウッドでは、ヤクザ映画が大量に流れ込んでいます。アメリカの映画監督の中には、ゲイシャもヤクザの一部と思い込んでいるひとがいるのではないか、と思います。

広告: 草月いけばな 北島蓉幸;気学 佐々木都;ホームスタイル・クッキング本の紹介;ミキー世木時計店;カガワ保険代理店

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雑煮:すまし汁

広告:わらび座公演 2月18日

広告:アルベルト城間とデイアマンティス公演、1月22日(沖縄県人会主催)

広告:日本美術専門のリー研究所


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by culturalnews | 2006-01-20 18:53 | 月別の日本語要約