英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


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日本の描き方が不正確と批判を受けている映画「メモアール・オブ・ゲイシャ」(邦題・サユリ)に出演した女優の桃井かおりさんが、監督を擁護(4ページに続く)

ハリウッドでは、70年前からアジアをテーマにした映画が上映されている。1950年に制作された黒澤明の「羅生門」が世界中で人気を得て以来、日本映画への関心は恒常的なものとなった。最近のアメリカの映画館では、アジアで制作された映画や、アジアをテーマにした映画がひんぱんに上映されるようになっている。

最近、アジアで作られ、アメリカでヒットした映画としては、「ヒーロー」「座頭市」「カンフー・ハッスル」などがあり、また、ハリウッド制作の映画では「キル・ビル」や「ラスト・サムライ」などがある。アメリカ人の東洋に対する関心は、一時的なブームではなく、長期的に続くであろう。

今月(12月)日本とアメリカで同時公開される映画で、話題になっているのが「メモアール・オブ・ゲイシャ」(邦題・サユリ)である。京都の祇園が舞台で、日本女性の行き方を描いた物語であるにもかかわらず、主要な役柄に日本人女優がほとんど起用されていない、ことで物議をかもし出している。

「メモアール・オブ・ゲイシャ」は、アーサー・ゴールデンの原作で、有名映画監督のスティーブン・スピルバーグがプロデューサー、2002年の映画「シカゴ」で、初監督ながらアカデミー賞最優秀作品賞を受賞した若手のロブ・マーシャルが監督を務めた。新田サユリという祇園の芸者が、貧しい漁村の家庭から上流階級の暮らしをするようになった半生を描いている。

主役のサユリには、中国人俳優のチャン・ツィイー、主役の相手役は渡辺謙、サユリのパトロン役に役所広司が抜擢されている。

この映画に出演している数少ない日本人女優としては、サユリを預かる置屋の女将役の桃井かおり、サユリと同じ置屋で暮らす芸者のオカボ役に工藤夕貴が登場している。アメリカ人の観客は、桃井かおりという俳優をこの映画で初めて見ることになると思うが、日本では30年にわたって映画に出演しているベテラン女優である。

ハリウッドでの映画制作を初めて経験した桃井によれば、アメリカ映画は、潤沢な資金を使って、日本映画とくれべると、はるかに大掛かりなセットを作ってはいるが、映画制作のやりかたは、日本とアメリカもまったくいっしょ、だという。

映画「メモアール」は公開前から、日本文化を正確に描いていないことや日本人俳優が主役でないことにたいして、ロサンゼルスの日本人や日系アメリカ人たちの間では、非難が沸き起こっている。そうした批判にたいして桃井は、「メモアール」はおとぎ話、私たち(女優)は、お魚のようなもので、映画自体は竜宮城を描いたようなもの。だいいち、日本の芸者が英語をしゃべること自体、考えられないこと。映画はあくまで、ファンタジーを描いたものだ、と割り切った考えを披露している。

(英文記事は、ギャビン・ケリーが担当)

写真(左側)女優の桃井かおりさん(カルチュラル・ニュース撮影)

写真(右側)映画「メモアール・オブ・ゲイシャ」の一場面から。置屋の女将役の桃井かおりさん(左)と芸者・豆葉を演ずるマレーシア系中国人俳優のミッシェル・ヨー(コロンビア映画提供)

アメリカ映画に浸透する日本音楽(5ページに続く)

日本の伝統楽器である尺八、琴、鼓、能管などがアメリカ映画の音楽で使われる機会が増えている。ハリウッドで、もっとも活躍している日本楽器の演奏者は吉沢政和さんである。大型映画として話題となっている「メモアール・オブ・ゲイシャ」の音楽製作の過程でも、吉沢さんは大きな役割を果たしている。

ロサンゼルスに住む吉沢さんが、ソニー映画から連絡を受けたのが、昨年12月、映画「メモアール」の中で鼓を打つ役の依頼だった。そして撮影終了後、音楽録音の段階になって今度は、尺八を始め日本楽器を演奏する仕事が入ってきた。

映画「メモアール」の音楽作曲家ジョン・ウイリアムは、今年8月4日、吉沢さんを呼んで、日本楽器の特徴について詳しい説明を聞いた。吉沢さんによれば「アメリカ人作曲家は、尺八のことを理解していないので、映画のシーンをみながら適当に演奏してくれ、というひとがほとんど。ジョン・ウイリアムのように、日本楽器を研究するひとは、これまでいなかった」という。

録音のときも、通常は音楽スタジオで5日間程度で、済ませてしまうところを、クラシック音楽の演奏会場として知られているUCLAロイス・ホールで、1ヶ月をかけて行われた。チェロのヨーヨー・マ、バイオリンのイツァーク・パールマンといった有名な音楽家が起用され、時間をかけたていねいな録音が行われた。

また、映画の中で使う予定をしていた「祇園囃子」の演奏許可が取れないことがわかったときは、吉沢さんは、それに変わる楽曲の楽譜、400小節を二晩で書き上げた。「メモアール」の映画音楽の中で、吉沢さんがアレンジもしくは、作曲した楽曲は、合計4曲になった。

吉沢さんによれば、1950年代、60年代のハリウッド映画は、日本をテーマにした映画を作るときは日本音楽を使うことにしていた。しかし、70年代、80年代になると、映画のテーマが日本でなくても、音色のひとつとして日本楽器を使うようになった、という。

アメリカ人作曲家は、西洋楽器では出すことができない音色が必要なときに、吉沢さんに尺八やほかの日本楽器を演奏することを依頼するようになった。映画「ジュラシック・パーク」で尺八が使われたときも、「ジュラシック・パーク」の作曲家ジョン・ウィリアムズが「尺八の音色が、恐竜の鳴き声に似ている」という思いつきからだった。

吉沢さんは、日本テーマとは関係のない映画で、音楽の演奏をするときのほうが、仕事がしやすい、と言っている。反対に日本テーマの映画の場合は、日本の楽器を、伝統的な使われた方とは、違ったやり方で演奏することを要求されることが多く、日本の伝統をゆがめてしまっているという気持ちになってしまう、という。

吉沢さんは岐阜県飛騨地方高山市に近い、河合村で育った。東京芸大で、クラリネット専攻で卒業しているが、芸大時代から、フルートやサクソフォーンなど、多種類の吹奏楽器を演奏している。1976年、マサチューセッツ州で開かれたタングルウッド音楽祭に参加するために渡米、その後、ロサンゼルスに定住した。

吉沢さんが、映画音楽で尺八を吹くようになったのは、1978年に映画「八月十五夜の茶屋」の音楽録音をしたとき。このとき、サクソフォン、クラリネット、フルートの奏者としてスタジオ録音に参加していたが、音楽監督から尺八を吹いてくれと依頼されたことがきっかけ。

この尺八演奏を聴いた、ロサンゼルス在住の日本人の作曲家・音楽プロデューサー喜多嶋修さんが、吉沢さんの尺八をハリウッドの音楽業界に紹介したことで、吉沢さんの映画音楽の仕事が広がっていった。吉沢さんが音楽録音に参加したハリウッド映画は、「ジュラシック・パーク」「ロスト・ワールド」「ガンホー」「バット21」「空手キッド・パートIIとIII」「ジョイラック・クラブ」などで、数多くのテレビ作品の音楽も演奏している。

吉沢さんは、スタジオ音楽家としてのソロ活動のほかに、琴演奏家のはしべ・ひろみさん、津軽三味線奏者の高橋建夫さんと組んで、「古今組」という名称での演奏活動を1993年から始めている。古今組は日本への演奏旅行のほか、アメリカ主要都市でのコンサートを行い、「粗輪」「和響」「禅ガーデン」「めでた」の4枚のCDを発売している。

(英文記事はタケシ・中山が担当)

写真(1ページ):尺八、能管、鼓、三味線、太鼓と和楽器をなんでもこなす音楽家、吉沢政和さん(カルチュラル・ニュース撮影) 

ディスカンソー・ガーデンで椿展(5ページに続く)

パシフィック・カメリア・ソサエティー(太平洋椿協会)の展示会が、2006年1月14と15日、28と29日の2回の週末にかけてディスカンソー・ガーデンで行われる。1月15日と29日の午後2時からは、同ガーデン内のカメリア・フォーレスト(椿の林)の散策が園芸学者の解説付きで行われる。ディスカンソー・ガーデンのカメリア・フォーレストは20エーカーの広さで、北米では最大の規模。数千種類のカメリア(椿科)の花が咲く。

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日系ペルー人バンドによる沖縄県人会のためのチャリティー・コンサート、1月22日

北米沖縄県人会は、1月22日(日)午後2時から、レドンド・ビーチ・パフォーミング・アーツ・センターで「アルベルト城間とディアマンテス」のコンサートを開催する。チケットは25ドル。収益は沖縄県人会館のエレベーター改修費用に充てられる。「アルベルト城間とディアマンテス」は、日本人によるペルー移住100周年記念イベントがペルーで開かれるため、レドンド・ビーチでの公演のあと、すぐにペルーに行く。

 「アルベルト城間とディアマンテス」はペルー生まれの日系3世たち。現在は日本に在住で、日本語とスペイン語で歌をうたっている。アルベルト城間は、1985年、ペルーの歌謡コンテストで優勝し、日本行きの航空券をもらったことがきっかけで、日本に行き、1991年に「ディアマンテス」を結成した。日本とアメリカでCDを発売している。第2回と3回の世界沖縄県人大会のテーマ・ソングになった「片手に三線(さんしん)を」を作曲している。

チケットの問い合わせは、沖縄県人会オフィスをはじめ、レストラン・コトシャ、ミッキー世木宝石店、マリオ・ペルービアン・シー・フード・レストラン、上原旅行社などで。


静岡県人会が百周年記念誌を発行

南加静岡県人会は、11月に創立百周年を迎え、記念式典を行い、百周年記念誌を発行した。日本人による「県人会」は、南カリフォルニア一帯で、19世紀末から20世紀始めに存在したアメリカ人による「ステイト・ソサイヤティー」と同様の役割を果たすもので、静岡県から来た移民たちへの援助を行った。

160ページになる百周年記念誌は、日系2世のアン五十嵐と南カリフォルニア大学で博士課程にいる板津木綿子(いたつ・ゆうこ)さんによる共同編集。1917年にロサンゼルス港で行われている静岡県人会のピクニックの写真や、1938年からの家族写真、1907年からの県人会名簿など、歴史資料として貴重な記録が収録されている。

百周年記念誌は、日英両語で編集されており、県人会の大半の会員が必要とする日本語の情報だけではなく、英語しか読むことができない、日系の新世代にも静岡県人会の歴史を伝えることを目的としている。百周年記念誌についての問い合わせは, itastu@usc.eduへ。

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リトル東京でお正月のお祝い、1月1日

南カリフォルニア日系商工会議所が主催する第8回目の「お正月イン・リトル東京」イベントが、1月1日、午前11時から午後3時まで、リトル東京のウエラー・コート・ショッピング・センターを中心に行われる。野外イベントはすべて無料。特設ステージでは太鼓演奏、獅子舞、書初め、琴演奏、空手の披露が行われる。着物ショーは、午後2時からウエラー・コートで。また、会場では餅つきが行われる。

伝統的なお正月行事は、最近の日本では、行われないところも多く、リトル東京のお正月行事は、子供たちに日本の伝統を伝えるとともに、アメリカ人に、日本を紹介するまたとない機会となる。

ニューオータニ・ホテルでのお正月行事は、午前7時から午後3時まで。ジャパニーズ・ビレッジ・プラザ・ショッピング・センターのイベントは、正午から午後4時まで。問い合わせは、南加日系商工会議所へ。

高野山ロサンゼルス別院で初護摩の儀式、1月1日

真言宗高野山ロサンゼルス別院では、元日午前10時から恒例の初護摩の儀式が行われる。おみくじ、破魔矢、お守り、絵馬、お札なども販売される。高野山別院は、初詣客を、三が日、午前10時から午後5時まで、受け付ける。

日米文化会館で事始イベント、1月8日(4ページに続く)

ロサンゼルスの日米文化会館では、お正月恒例の「事始」イベントを、1月8日(日)午後1時から、リトル東京の同会館プラザで行う。今年のパフォーマンスは、「秘境からの伝達者」のテーマで、弓道の儀式と和楽器トリオの古今組と中東音楽のユーバル・ロンによる合奏が行われる。

日米文化会館の恒例の色紙展は、「初話」のテーマで、1月8日から1月29日まで、同会館ビル1階のドイザキ・ギャラリーで行われる。

ロサンゼルス・カウンティー美術館・日本パビリオンの展示

日本画:風景 1月31日まで
版画:風景を描く 1月31日まで
根付展:中国の魅力 12月9日から2月7日まで

UCLAハマー美術館で版画展

UCLAハマー美術館では、建築家フランク・ロイド・ライトが20世紀の初頭、日本で収集した版画コレクションの展示を1月22日まで行っている。ライトは、日本で収集した版画を、米国で販売したことで、知られている。

ビオラ大学で、太鼓フェスティバル、2月11日(6ページに続く)

ラミラダのビオラ大学で、2月11日(土)午後7時半から太鼓フェスティバルを行う。一般公開イベント。出演はコーシン太鼓とキシン太鼓。太鼓フェスティバルは、学生に太鼓を紹介するために始まったが、今回は一般に太鼓を紹介する目的も含まれている。

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全米日本書道公募展、12月23日まで

ロサンゼルスの日米文化会館のドイザキ・ギャラリーで、12月23日まで、「全米日本書道公募展」が行われている。東京の全国書美術振興会が、毎年、主催しているもので、今年で10回目。米国とカナダから応募のあった360点が審査され、展示されている。最優秀賞・外務大臣賞には、ニューヨーク市在住のブカレスト生まれのルーマニア人、ステファン・アテニさんの作品が選ばれている。

リー美術館の新展示は「モダン・モード:新時代の日本の着物」12月6日から4月1日まで

明治後期から大正時代にかけて、絹の練り糸の生地に化学染料で染めた、銘仙は、日本の新時代を象徴するように、カラフルな斬新のデザインの着物だった。ハンフォードのリー日本美術館は、2005年夏、約70枚の銘仙を取得した。今回の展示は、同美術館にとって、初めての着物展示。ロサンゼルス・カウンティー美術館の染色部門上級学芸員のシャーロン・サダコ・タケダの監修による展示。

リー美術館のお正月イベント、1月21日

日米文化会館で事始イベント、1月8日(3ページからの続き)

日本の描き方が不正確と批判を受けている映画「メモアール・オブ・ゲイシャ」(邦題・サユリ)に出演した女優の桃井かおりさんが、監督を擁護(1ページからの続き)

広告:米国仏教伝道協会による英語テレビ番組「暮らしの中の仏教徒の道」毎週日曜日午後6時半から44チャンネルで

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新コラム・シェフズ・カッティング・ボード(板前のまな板) 

寿司シェフ・インスティチュート(寿司職人学校)の設立者アンディー松田のコラム。今月はステーキ・ハウスでも寿司がメニューに加わったという話題。

アメリカ映画に浸透する日本音楽(5ページに続く)

広告:日米劇場の公演、12月17日・ヒロシマ・コンサート、12月18日・映画「祇園囃子」と芸者講演会

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中学生たちが茶道を体験

江戸千家の茶道教師、芥川婦身さんが、シエラ・ビスタ中学校とリオ・ノルテ中学校で、11月16日と17日、お茶のお手前を披露した。

軍事ジャーナリスト神浦元彰の日本レポート「「キャンプ・シュワブ飛行場建設は、成田問題の再来になる。地元を無視した政策は通用しない時代」 日本語の原文は、http://cn4japan.exblog.jp に掲載されています。

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南カリフォルニア日系商工会議所の新会頭が決まる

発行人の日記 

今年も、12月号まで作ることができました。これまで、カルチュラル・ニュースを応援していただいているたくさんの方々に感謝しています。来年は、取材と新聞配布に、いっそうの努力を誓います。


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by culturalnews | 2005-12-14 17:09 | 月別の日本語要約
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カルチュラル・ニュース 2005年12月掲載  英文記事の日本語原稿

報告=神浦元彰

「キャンプ・シュワブ飛行場建設は、成田問題の再来になる。地元を無視した政策は通用しない時代」」

米軍再編の議論が活発化してきた沖縄で、新たな問題が浮上した。それは北部のキャンプ・シュワブ基地に海兵隊のヘリ飛行場を新設するという問題である。

これは現在の普天間飛行場が、あまりにも市街地に近く、騒音や航空機事故で市民生活に深刻な脅威を与えている。そのためにキャンプ・シュワブ沿岸の海を埋め立て、代わりのヘリ飛行場を作るという建設案だ。

キャンプ・シュワブの沿岸部にある米軍兵舎を取り壊し、さらに沿海の海を埋め立てて、全長が1800メートルのヘリ飛行場を作るという。埋め立て地には、滑走路の他に、広い駐機場が計画されている。

問題は、このことが地元に何の相談や情報提供もなく、知事や市長も知らない間に日米政府間で合意したからだ。

そこで地元に反対の声があがった。今まで大規模な公共工事を期待した容認派は、沿海埋め立てでは建設費が安すぎると失望した。また沿岸部の飛行場ということで、自宅の上空が飛行コースになった者も反対した。元々の新基地建設に反対派はもちろんだが、環境保護団体も埋め立て海域にジュゴンの餌である藻場があることから反対を表明した。

米軍は沖縄の負担を軽減するために、普天間基地を地元に返還し、第3海兵師団司令部と海兵隊員7千人をグアムに撤退すると表明したのに、キャンプ・シュワブ沿岸埋めてのヘリ飛行場建設には、沖縄の9割の人が反対する異常な事態になった。

慌てたのは日本政府である。日本政府は沖合埋め立てより規模も小さく、沿岸のため環境問題(海洋汚染)も少なく、地元の合意は容易と考えていたからだ。

全国メディアで地元の反対や不満が報じられると、あいついで与党の有力政治家が沖縄に向かった。それは日米合意の内容を説明するためと、一説では1000億円ほどの沖縄北部の振興補助金(450億円は使用済み)を、反対すれば凍結するという。これは一種の脅しである。

沖縄にはこの他にも政府の財政支援に期待することが多い。まず米軍基地がトランス・フォーメーションで返還されれば、基地で働いている日本人の失業対策がある。また基地返還後の跡地整備や、基地地主への補償、さらには新たな地域振興への財政支援である。

そのような話し合いもないまま、ヘリ飛行場の日米合意に住民の怒りが高まった。

日本政府は5年後に、ヘリ飛行場を完成させると米側に約束した。もし日本政府が地元を説得できることなく、強引に飛行場建設工事を始めれば、ちょうど30年前の成田空港建設と同じように、住民を無視した計画のために大混乱した騒動の再現となる。

まさにキャンプ・シュワブでの飛行場建設は第2の成田空港問題に引き起こす可能性がでてきた。
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by culturalnews | 2005-12-01 01:42 | 神浦元彰の世界の見方