英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


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カルチュラル・ニュース2008年11月号の日本語要約と解説

◎日本の現代セラミック(陶芸)展、ハンフォードのクラークセンターで11月22日から開幕 (P01からP06へ)

日本の現代セラミック(陶芸)作家30人の作品54点を集めた「粘土の中の寛大さ:ナタリー・フィッツ・ジェラルド・コレクションによる近代日本のセラミック」展が、11月22日からハンフォードのクラーク・センターで始まる。会期は1月30日まで。

日本の現代セラミックは実に、多様なスタイルと造詣技術で作られている。茶道の道具のように質素さや、未完成、無常を表現するわびさびのスタイルもあれば、色彩豊かな表現スタイルもある。日本のこうした多様なセラミックの伝統は新石器時代にまで、さかのぼることができる。日本の新石器時代は、世界史のなかでも最も年代が古い。

ニューメキシコ州サンタフェ在住の実業家ナタリー・フィッツ・ジェラルドが収集した現代日本作家のセラミックは、この両極端のスタイルを含めて、日本の陶芸作家を網羅している。

今回の展示作品を年代順に見ていくと、伝統を現代に取り入れた志野焼や瀬戸黒を完成させた荒川豊蔵(1894-1985)と北大路魯山人(1883-1959)の作品があげられる。荒川豊蔵は1955年に人間国宝に認定されている。

そして、民藝運動で知られている濱田庄司 (1894-1977) と弟子の島岡達三 (1919-2007) の日用品の素朴さの中に芸術性が見出される作品が続く。濱田庄司と島岡達三はいずれも、人間国宝になっている。

陶芸を、実用品の制作からオブジェを作ることに発展させたのが鈴木治(1926-2001)をリーダーとする走泥社(そうでいしゃ)運動(1948年から)だった。

その後に続く現代作家ではヤナギハラ・ムツオ(1934年生まれ)、森野彰人(1958-1992)、鈴木五郎 (1941年生まれ) らである。この時代の日本人陶芸家はアメリカ人の陶芸家にも大きな影響を与えている。鈴木五郎は、織部焼の手法を現代的に使っている。森野彰人はインストレーションで知られている。

クラーク・センターは、カリフォルニア州中部に位置し、ロサンゼルスから車で3時間。

◎日本画のプライス・コレクション・アンコール展が、開催中 (P01からP05へ)

江戸時代中期の日本画コレクションとして世界的に有名なプライス・コレクションの日米巡回展は約1年をかけて、アメリカではスミソニアン博物館、そして、さる9月14日にロサンゼルス・カウンティー美術館(LACMA)で終了した。LACMAでは、約3カ月の展示期間中に約4万人の入場者があった。

この有名展示の余韻を味わってもらうために、LACMA日本館では「プライス・コレクション・アンコール」展を9月21日から開催中、期間は1月4日まで。曽我蕭白、ナカミチ・スエサダなど25点が展示されている。

11月2日午後2時には、同美術館のブラウン・オーディトリアムで、コレクターのジョー・プライス氏のインタビュー映像が上映され、プライス本人が会場からの質問を受ける。入場は無料。予約は必要なし。

LACMAの根付展「民話と英雄」展8月28日から1月27日

LACMAの現代日本のセラミック展 10月4日から2009年5月31日
日本を代表する作家、コンドウ・タカヒロ、三代目徳田八十吉、鈴木治、カクレザキ・リョウイチなどの作品と、今回の展示でもっとも特徴ある作品となっている深見陶治(ふかみ・すえはる)の水平方向に伸びた作品も展示されている

◎世界中からインターンをひきつけるカリフォルニア州中部の日本美術館 (P02からP06へ)

ロサンゼルスの現代アーチストで、鎧兜(よろい・かぶと)販売のサムライ・ストアーの販売部長を務めるダーリン古川によるエッセー。自分の車を運転して、ロサンゼルスから3時間かかる、畑が広大にひろがるカリフォルニア州中部のハンフォードにある日本美術館・クラーク・センターを訪れた話。

ダーリンはクラーク・センターで、インターン(研修生)としてパリから来て、今年の初めから1年間の予定で滞在しているセリーヌ・メーエの話を聞いた。

セリーヌは、ルーブル美術館学校で美術史を学んだのち、国立東洋言語文明大学で日本語を勉強した。そしてソルボンヌ大学で美術史の修士号を得た。これまで、日本には短期間滞在した経験がある。

クラーク・センターには、現在2人の研修生がそれぞれ1年間の予定で滞在している。セリーヌの研修期間は2007年度冬季から2008年度冬季までで、11月22日から1月30日までの「粘土の中の寛大さ:ナタリー・フィッツ・ジェラルド・コレクションによる近代日本のセラミック」展がセリーヌの最初で最後のクラーク・センターでの学芸員としての仕事になる。

研修生として日本美術を研究するために、わざわざヨーロッパから、カリフォルニア州中部へやって来た理由を聞いてみた。セリーヌの答えは、大きな美術館は分業で、研修生は、まず作品に触る機会がない。クラーク・センターでは、実際の作品に触れることができるし、展示を企画するために、一人でなんでもやらなければならないので、身に付いた勉強ができる。

ダーリンは、セリーヌの案内で、クラーク・センター内のギャラリー棟に付属している所蔵庫の見学をした。ここある、京都の陶芸作家、深見陶治(ふかみ・すえはる)のコレクション数は、世界で最も数が多い。特に、深見の初期の作品は、日本には残っておらず、クラーク・センターしか所蔵していない。

セリーヌが担当する現代日本の陶芸作家の展示は、ニュー・メキシコ州サンタフェに住む実業がナタリー・フィッツ・ジェラルドが収集した作品の中から30人の作家、54点を選んだもので、伝統的な作風もあれば、現代芸術的な作品も含まれている。

ダーリンは、陶芸についての知識はまったくなかったので、セリーヌから焼物の産地や焼き方の説明をうけたときは、まったく面食らってしまった。

ダーリンは、クラーク・センターの印象を、ウエスタン映画の風景のような中に、忽然とすばらしい日本建築が現れる。この美術館の展示はすばらしいので、だれもが、一度は訪れることを勧める、と言っている。

◎イラストで描く日系アメリカ人の家庭:日本語しか話さないおばあちゃんと英語しか話さない孫娘 (P03)

ロサンゼルスの日米文化会館では、同会館のドイザキ・ギャラリーで、ジャネット・ミツイ・ブラウンが20年以上描き続けている絵本「おばあちゃん」シリーズのイラスト展示会を11月22日から12月20日まで、行う。

「感謝祭のおばあちゃん」「おばあちゃんとお正月」「おばあちゃんのお盆」の三冊からのイラストが展示される。

また、日系アメリカ人の日常生活で使われていた品物の展示も行われる。入場料は無料。

◎映画監督・黒澤明の偉業を称える展示がアカデミー本部ビルで3カ月行われる(P3)

映画監督・黒澤が残した100枚以上の脚本下絵が、脚本などと一緒に、ビバリーヒルズのアカデミー本部の1階と4階のギャラリーで9月19日から12月14日まで展示されている。入場料無料で、一般も見学ができる。黒澤明生誕100年記念事業の一環。


◎サンタバーバラで日本文化を広めたアメリカ人を記念する茶会イベント (P03)

サンタバーバラで、茶道や活花の紹介に貢献した故ハーティー・アン・ルック(2007年12月死去)を記念する茶会イベントが、サンタバーバラ・ボタニック・ガーデンで、12月6日(土)午前10時30分から午後2時まで行なわれる。

ボタニック・ガーデン内にある茶室「心観庵」は、2000年に、裏千家家元がハーティー・アン・ルックさんの名前にちなんで、名付けた。

◎明治神宮で見た東京の風景の美しさ (P04)

LA東京会は、発足10周年を迎えたことを記念して、東京をテーマにした写真コンテストを開催した。会長賞を取ったのが、この写真で、テーマ「明治神宮でみた東京の風景の美しさ」、バンナイズ在住のダニエル・タムランさんが2003年5月、明治神宮前で撮影したもの。

タムランさんは、長く米軍の軍属の仕事を務め引退した。若いときから続けているグラフィック・デザイナーと写真に引退後は打ち込み、活動を続けている。

写真は、明治神宮で咲き誇っている五月の花を見るために行ったとき、偶然に出会った式典帰りの着物のグループ。

タムランさんは1962年から1969まで、明治神宮のある代々木公園に近い原宿に家族といっしょに住んでいた。タムラン家の子供たちは、明治神宮で七五三のお祝いをした。当時は東京オリンピックの時代で、選手村も代々木公園の中にあった。また当時の代々木公園は、日曜日になると若者が集まり、パフォーマンスをするので、それを見るために、多くの人が集まる場所だった。

◎東京からのレポート「日展」 (P04)

アカデミー賞の日本絵画版といえるのが、日展。第40回日展が10月31日から12月7日まで、六本木の国立新美術館で行われている。今回は、14519点の応募があり、その中から選ばれた2349点が展示されている。

日展の起源は、明治33年(1900年)オーストリア公使だった牧野伸顕がヨーロッパの絵画水準の高さを見て、公設展覧会の開催を痛感したこと。明治39年(1906)に文部大臣となった牧野は、翌年、第1回文部省美術展覧会を開催した。

第二次大戦後、主催が社団法人となり「日本美術展覧会」と改称され、さらに昭和44年(1969)には、現在の名称「日展」が正式名称になった。

日展は、東京のあと、2008年12月13日から2009年1月16日が京都市美術館、1月21日から2月15日が愛知県立美術館ギャラリー、2月21日から3月22日が大阪市立美術館、4月25日から5月17日が富山県民会館美術館、6月27日から7月20日が福岡市美術館、8月8日から8月31日が長崎歴史文化博物館で、巡回展示される。

◎第19回カリフォルニア愛石会の展示 (P4-P5)

第19回目のハンティング・ライブラリー内フレンズ・ホールで開催される「カリフォルニア愛石会」の展示は、12月27日から1月2日まで(1月1日は休館)。水石を含めて約150点が展示される。

カリフォルニア愛石会は1983年に、盆栽愛好家のリガル夫妻(ラリーとニナ)によって設立された。当初日系人の盆栽専門家の指導を受けていたが、日系人の高齢化とともに、現在はアメリカ人会員が増加している。愛石会メンバーは、同時に盆栽愛好家である。

◎インスピレーション日本発:京都グランドホテルの料理長のレセピー紹介 (P05)

今月はヨシオカ・タケヒコ(ニックネーム・ヨシ)から教わったアイス・カービング(氷の彫刻)について紹介する。アイス・カービングができるようになって、わたしは、シェフとしてより創造的な仕事ができるようになった。アイス・カービングはロシアが発祥で、ついで日本で発展している。

アイス・カービングを初めて見たのは1988年のことで、場所はオレンジ・カウンティーの小さな製氷所だった。ヨシは300ポンド(約150キログラム)の氷塊をたちまちのうちに、飛び跳ねる魚や羽ばたく鷲、力あるれる龍に彫り上げていった。しばらく、ヨシの氷作業場へ通っているうちに、ヨシはわたしにアイス・カービングを教えてくれるようになった。

それから20年がたち、わたしは、今でもヨシとの付き合いを続けている。そしてわたしは、全米アイス・カーバー協会(NICA)のメンバーになり、15年がたっている。京都グランドホテルでは、お祝いの席、結婚式などの特別行事には、このアイス・カービングを用意することができる。

11月20日には、京都グランドホテル内のアザレア・レストランに氷の彫刻を並べて、サンクス・ギビング・バッフェ(バイキング)に色を添える。

マーティン・ギリガンは、ニューヨーク育ちで、ニューヨークの超一流ホテル、プラザ・ホテルやフォーシーズン・ニューヨークで調理場を指揮してきた。カリフォルニアで調理師学校講師をへて、2008年6月から、京都ホテルの料理長になる。

◎アンディー松田の寿司学校:レストラン経営者にも必要な基礎知識 (P05)

わたしの寿司学校にはさまざまなタイプのひとが習いに来ます。寿司調理の技術を身につけて、レストランのシェフになろうという人が一番多いのは、もちろんですが、すでにレストランを持っている経営者も、生徒にいます。

現在、メリーランドから来ている女性は、中華料理店の経営者ですが、この店では寿司メニューも取り扱っています。この女性経営者は台湾から来た人なので、中華料理のメニューや食材のことはよくわかります。しかし、寿司のことになると、正確な情報を得る場所が近所になく、困っていました。

アメリカでは、中華料理店やタイ料理店で寿司メニューがあるのは、もはや、めずらしいことではなくなりました。一般のアメリカ人は、アジア系の料理店であれば、寿司があるものと期待しているのです。経営者サイドから見ても、寿司メニューを入れることは売り上げを増やす絶好のチャンスなのです。

しかし、このメリーランドの女性経営者のように、日本食について、分からないことがある場合、寿司に関しては日本人の職人に任せるしかなくなります。すると、職人が辞めて、新しい職人が店に来た場合、調理方法が変わり、ときには、メニュー自体が変わってしまうことが、起こります。

レストラン経営者としては、食材コスト、メニュー、味付けは、常に同じでなければならないことなので、経営者自身がある程度の寿司の知識を持っている必要に迫られるのです。

この女性経営者が、私たちの寿司学校に問い合わせをしてきたときは、講師は日本人かどうか、寿司を教えることができる経験を持っているか、2ヶ月の講習が終わったあとでも、質問をすることができるか、どうかなど、細かいことを質問してきました。

もちろん、私たちの学校は、この女性経営者の要求にすべて答えることができます。通常の寿司職人養成クラスでも、食材コスト、レストラン経営、衛生問題は、いつも、わたしが、教えている内容なのです。

◎パシフック・アジア美術館で「サムライ・イメージ」展 (P7)

江戸時代に描かれた「サムライ・イメージ」と現代のアニメが描く「サムライ・イメージ」を比較する展示。サブタイトルが「浮世絵からアニメまで」と付けられている。期間は2月19日から8月9日まで。企画者はジュリアン・バミューダとデボラ・ディーコン。

◎第1回国際日本庭園会議(日本以外の庭園を対象)(P8)

日本庭園は世界53カ国で造られていることが確認されている。北米には約250の日本庭園がある。日本庭園関係者を集めた初めての国際会議が、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校の主催で、3月26日から29日まで同大学内のアール・バーンズ・ミラー日本庭園を中心に行なわれる。

記事に添付の写真は、上段左からオーストラリアのコアラ庭園、イリノイ州ロックフォードのアンダーソン庭園、カナダ・ケベック州ホールのカナディアン美術館。下段はロングビーチのアール・バーンズ・ミラー庭園。

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by culturalnews | 2008-10-30 03:45 | 月別の日本語要約