英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


by culturalnews

カルチュラル・ニュース2007年7月号日本語要約

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ロサンゼルスで童謡を紹介するコンサートを開催(1ページから2ページへ)

 1867年の明治維新で、西洋との交流を始めた日本は、西洋から音楽教師を招聘して、日本語の歌詞に西洋の曲を付けた歌を作りは始めた。やがて日本人の作曲家が子供向けの歌を作るようになり、この歌は「唱歌」とよばれ、小学校で教えられた。1918年になると、当時の進歩的な考えを持った文化人たちが寄稿した文芸誌「赤い鳥」は、新作の歌詞を発表し、それに曲が付けられ「童謡」と呼ばれるようになった。

 第二次世界大戦までに、数百曲の童謡・唱歌が作られ、全国の小学校で教えられたため、これらの曲は、日本人の心に刷り込まれた音楽になった。しかし、日本文化の重要な一部となっている童謡・唱歌は、これまで、ほとんど、外国に紹介されることがなかった。

 童謡・唱歌を外国に紹介するきっかけを作ったのは、ウィスコンシン州出身で、現在、東京在住のグレッグ・アーウインで、1990年から童謡・唱歌の翻訳を初め、すでに100曲以上を英訳している。アーウィンは、英訳版の童謡CDもすでに数枚を発表していて、この夏には、アメリカで童謡に関する英語の本を出版する。

 この夏、ロサンゼルスで、童謡を紹介するコンサートが行われる。熊本の日本国際童謡館から、専属歌手やべ・せいことそが・みまこの二人組み「DOYO組」が派遣され、8月11日午後2時と午後6時の2回、ロサンゼルス・ダウンタウンの音楽学校コルバーン・スクールのジッパー講堂で、童謡を歌う。日本国際童謡館は、2004年にベテラン歌手の大庭照子によって、童謡を世界に広めるために、設立された。

 このコンサートを企画したのは、ロサンゼルスの童謡愛好家で作る「童謡ロサンゼルス」で、このコンサートは、知的障害をもつ子供たちの音楽教育を支援するチャリティーも兼ねている。

 また、ロサンゼルスで、童謡を歌うアメリカ人の子供コーラス「レッド・ラッカー・ブリッジ・チルドレン・クワイヤー」も、英語と日本語で童謡を歌う。童謡の楽譜が入ったコンサート・プログラムは、2500部が発行され、コンサートで配布されたあと、アメリカの小学校に無料で配布される予定。チケットは、大人10ドル、子供5ドル。

二世ウィーク祭の継承を呼びかける日本舞踊の花柳禄美音師匠
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 今年で、67回目を迎えるリトル東京の二世ウィーク祭は、8月18日から26日にかけて行われる。祭のメインイベント「パレード」の先頭を務める「音頭振り付け師」は、これまで、9人のロサンゼルス在住の日本舞踊師匠が毎年交代で担当してきた。

 今年の振り付け師、モントレーパーク在住の花柳禄美音師匠は、二世ウィークで振り付け師を担当するのが、今回で5回目。1952年の初参加以来、もっとも、参加年数の長い日本舞踊師匠だ。カリフォルニア州で生まれた花柳師匠は、子供時代を鹿児島で過ごした。鹿児島時代に、日本舞踊に関心をもち、1949年にロサンゼルスに戻ってから花柳流の稽古を始めた。1965年に名取を許され、同時にロサンゼルスで日本舞踊を教え始めた。当時の花柳流では、名取の資格があると、教えることが許された。

 1972年になると花柳師匠の弟子は30人以上に増え、二世ウィークのパレードに参加できるようになった。2003年の二世ウィーク・パレードで、一度は、引退した花柳師匠が、今年の振り付け師を引き受けることになったのは、これまで、毎年交代で振り付け師を務めてきた9人の師匠のうち、3人が引退、3人が死亡したからだ。

 花柳師匠は、振り付け師としての参加は、今回が最後だと説明し、若手の舞踊家に、二世ウィークへの参加を期待している。「音頭にないパレードは、祭にならない。二世ウィーク祭を大きくしていきましょう」と呼びかけている。

ロサンゼルスの二世ウィーク・パレードに青森のねぶたが参加、8月19日(1ページから7ページ)

 今年の二世ウィーク祭は、青森からねぶたが参加するため、開催が例年より、1週間遅れ、8月18日から25日となり、パレードは、8月19日(日)に行われる。またパレードの開始時刻も、ねぶたの明かりを見せるために、午後6時からのスタートになった。

 ねぶたは、日本でも有名な祭りのひとつで、300年の伝統を持っている、巨大な灯篭で、きらびやかな絵が描かれている。ロサンゼルスでのねぶたには、ハネトと呼ばれる踊り子も、青森から参加する。

 ねぶたの期限は、9世紀ごろ、青森を統治したタムラマロが、敵を脅かすために作り上げた巨大な化け物が起源という説と、中国が起源の七夕祭りの灯篭流しで、灯篭が徐々に巨大化した、という説がある。

日本文化を商品販売に活用しているサクラクレパス(2ページから6ページに)

 6月9、10日の2日間にわたって行われたハワイ大相撲の最終イベントは、2日間のトーナメントの優勝者、新横綱白鵬に贈られた「サクラ・カップ」だった。ハワイ大相撲のスポンサー企業のひとつサクラクレパスは、総合優勝者のために「サクラ・カップ」を寄贈、授賞式には、大阪の本社から西村貞一社長が駆けつけ、白鵬に手渡した。(写真)

 サクラクレパスは、カリフォルニア州ヘイワードにある子会社「サクラ・カラー・プロダクツ・オブ・アメリカ」を通じて、アメリカとカナダで、サクラ製品の販売を行っている。サクラ・アメリカの社長マーク・チサキ氏によれば、アメリカで販売されているサクラ製品は、すべて日本で製造されているため、同社の製品と日本文化が結び付いていることを強調することは、同社の販売方針のひとつになっている。

 サクラ・アメリカ社は、1997年には握りが通常より大きい「相撲グリップ」シャープペンを発売している。また水彩絵の具のブランドには「鯉ウォーター・カラー」を使っている。副社長で、商品開発とマーケティングの責任者ピーター・オーヤング氏は、鯉という名前から連想するさまざまな色彩と、水との連想、そして、水彩絵の具の商品名は、ぴったりの組み合わせだと、説明している。また、鯉は、長生きをする生き物なので、サクラ・クレパス社の歴史も、合わせて象徴している、という。

 サクラクレパス製品には、子供用の絵画用具ばかりでなく、大人や専門家用の高級製品も含まれており、生涯を通じてサクラクレパス製品を使ってもらいたい、というのが、同社のねらいだ。この販売方針にも、短期の利益ではなく、長期的な考え方で事業を進める日本の哲学が反映されている、という。



仏教伝道TVシリーズ(2ページ)

テレビ局KXLA(チャンネル44)で毎週日曜日午後6時30分から放送されている仏教伝道シリーズ「仏教徒の生き方」の7月の番組は、オレンジ・カウンティー仏教会のジョン・ターナー氏とビル・ダース氏が、解説を担当する。

高齢者福祉サービス「敬老」のためのチャリティー・コンサートに菅原洋一が出演、9月22日(2ページ)

 第5回目を迎える、日本人高齢者のための福祉サービス団体「敬老シニア・ヘルスケアー」の資金集めのためのチャリティー・コンサートは、9月22日午後2時から、トーレンスのエルカミノ大学マーシー講堂で開催されることが、主催団体から発表された。今回は、菅原洋一が出演する。そのほかのゲストは、沖縄民謡の桑名知子、地元ロサンゼルスからは琉球民謡の石原春雄さん、琉球舞踊のジョセフ・ジョーンズさんが出演する。指定席80ドル、一般席45ドル、12歳以下の子供は10ドル。

2007年二世ウィーク祭は、8月18日から25日まで(3ページ)

 第67回二世ウィーク祭は、「日系アメリカ人の文化とコミュニティーを祝う」をテーマに8月18日から25日までリトル東京で行われる。今年のハイライトは、青森から参加するねぶた(関連記事を1ページに掲載)。8月19日のパレードに、ねぶたが参加する。そのほかの主な行事は、7月21日のぺビー・ページェント、8月4日から19日までの日系ゲーム、8月18、19日は、武道、文化展示、車展示、アニメ・コスプレ・コンテスト、8月18日が二世ウィーク女王コンテスト、8月25、26日が相撲、車展示、太鼓演奏、文化展示、アニメ・フェスティバル、8月26日の夕方、ストリート音頭で、閉幕する。

ヒロシマ被爆者のアメリカ治療の実話に基づいた演劇が、ロングビーチのインターナショナル・シティー・シアターで上演される、8月31日から9月23日まで(3ページ)

 アメリカで暮らす日本人女性をテーマにした脚本を書き続けているベリナ・ハス・ヒューストンによる新作「女神アフロディテを求めて」が、ロングビーチのインターナショナル・シティー・シアターで8月28日から30日までは、プレビュー、8月31日から9月23日まで(木、金、土、日)が一般上演のスケジュールで行われる。

 第二次世界大戦終了から10年後のニューヨーク、広島で原爆に遭い、ケロイドを被った日本人女性が整形手術のために送られてきた。日本軍との戦いで息子を失った手術担当の米人医師と被爆女性の葛藤を描いている。「アフロディテ」とは、ギリシャ神話に登場する母性を象徴する女神で、平和を現している。制作・演出は、インターンナショナル・シティー・シアターのディレクター、シャシン・デザイ氏。

博物館展示、「アメリカで庭を作る:日本庭園を越えて」、10月21日まで
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 ロサンゼルスの全米日系人博物館では、展示「アメリカで庭を作る:日本庭園を越えて」を、6月17日から10月21日まで開催している。アメリカでの日本庭園の歴史と影響力、日系アメリカ人の庭師と造園業者をテーマとした展示。

 アメリカで初めて日本庭園が作られたのが、1876年のフィラデルフィアでの博覧会。以後、アメリカ人の日本庭園にたいする関心が広がって行く。西海岸の日系アメリカ人は、日本庭園造りの仕事を担うと同時に、現地の植物を使った庭造りを進めて行く。

 展示は、日米文化会館の学芸員、小阪博一さんと同博物館のクレメント・ハナミさんによる共同デザインで、庭を散策するにつれて景色が見えたり隠れたりする「見え隠れ」手法が、ギャラリー内に使われている。

 展示内容は、造園業にまつわるエピソードやアメリカの有名な日本庭園の紹介。1920年代半ば、シアトルで400トン以上の石を集めた日本庭園を造った日本人がいた。クボタ・フジタロウで、彼の残した日本庭園は、今日では、公園の一部になっている。

 ロサンゼルス・カウンティが運営しているディスカンソー・ガーデンは、アメリカ人富豪が、第二次世界大戦中、立ち退き命令を受けた日本人苗木業者から苗木や植木を引き取ったことが始まりだった。アメリカで生まれ、広島で育ち、再びアメリカに戻ってきた二世のジョン仲は、カリフォルニア盆栽協会の創立メンバーのひとり。ワシントンDCの国立植物園の中には、ジョン仲の名前を付けた盆栽パビリオンがある。

源氏物語フェスティバル、8月24-28日(3ページ)

 徳島市にある四国大学から世羅博昭教授を向かえて、8月24日から28日まで、世界最古の小説『源氏物語』をテーマにした時代衣装の展示と講演会、そして『源氏物語』輪読会がロサンゼルスで行われる。
 
 『源氏物語』輪読会は、8月27、28日の2日間、ロサンゼルスの協同システム日本語学校本部校舎で午前10時から午後5時まで。世羅教授は、古典文学の先生を養成する仕事に20年以上携わっており、『源氏物語』指導書も出版している。

 徳島市内の瀬尾静子きもの学院から6人の講師が参加、平安時代の衣装の着付けと解説が行われる。会場は、8月26日(日)午後1時からパサデナのパシフィック・アジア美術館。8月25日(土)午前10時からパサデナの協同システム日本語学校パサデナ学園。また、8月24日(金)午前10時からは、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校日本庭園で、時代衣装の写真撮影会が行われる。

展示「見えない世界を探索する」クラーク・センター、7月31日まで(4ページ)

 カリフォルニア州セントラル・バレー、ハンフォードにあるクラーク・センター日本美術館では、7月31日まで、「見えない世界を探索する:日本美術によるインスピレーションの世界」を展示している。観音や涅槃図などの掛け軸、屏風など、33点が展示されている。

 7月21日(土)には、ロサンゼルスからバスを借り切って、日帰りのバスツアーが行われる。参加費は、49ドル。カルチュラル・ニュース主催。






旅行情報:滋賀県のミホ・ミュージアム(4ページ)

滋賀県のミホ・ミュージアムでは、7月14日から8月19日まで、「アルカイック・スマイル」展を行っている。古代ギリシャの彫刻に見られるアルカイック・スマイルは、東洋の美術にも影響を与えている。東洋、西洋のアルカイック・スマイルを展示する。写真は、円空の木像ハリチ(17世紀の作品)

ロサンゼルス・カウンティー美術館の展示(5ページ)

版画展:時間の概念、9月11日まで  日本は歴史的に農耕を基本とした社会で、明治までは太陰暦が使われて来た。しかし、1873年からのグレゴリオ暦の導入で、それまで、時刻を表していた干支や太陰暦の習慣が消えてしまった。

日本画:時間と場所、9月11日まで  季節とそのときの人間の感情を表現した絵画。

カリフォルニア州立大学生が、お茶のお手前を体験 (5ページ)

 カリフォルニア州立大学ノースリッジ校の伝統日本文化クラスでは、5月1日、ウエストヒルズにある裏千家、飯沼宗信さんの自宅を訪れ、野外での「リュウレイ」作法によるお手前と、室内でのお手前を体験した。リュウレイ作法は、明治時代に、畳に座る習慣がない西洋人にお茶をもてなすために生まれた作法。お茶を体験した学生のひとりは、これまで、経験したことがない静寂を感じたと感想を述べていた。

寿司職人養成学校のチーフ・シェフ、アンディー松田のコラム(7ページ)

 寿司職人学校は、相変わらずの人気だ。7月はデンバーとオハイオ州から、個人授業を受けるシェフがいる。この2人のシェフが働いている店は、いずれも日本食レストランではないが、最近は、どんなにはやっている店でも、寿司をメニューに入れなければならない傾向が出てきている。

 ラジオ番組に出演して寿司の歴史について話をした。オクラホマ州からの電話での質問で、淡水魚は刺身にして食べることができるのか、という質問が来た。これまでも、何度も説明したが、淡水魚は、海の魚と違って、体内にバクテリアや回虫を持っているため、生で食べることはできない。

 7月末は、サンタバーバラのウニ諮問委員会に参加して、新しいウニ料理を披露する。ウニ諮問委員会はウニの販売拡大を目的としており、新メニューをアメリカ人に紹介して、アメリカでのウニの消費を増やそうとしている。ウニ諮問委員会が認めてくれれば、このメニューは、一般に公開することができるので、期待してほしい。

ロサンゼルス生まれのアメリカ人歌舞伎役者が、里帰り(8ページ)

 ロサンゼルスで生まれ、育った金坂健は、3歳のときから日本舞踊を始め、17歳で、坂東拡七郎の名取となった。昨年12月、師範免状を得たため、5月5日の端午の節句に、ビバリーヒルズの自宅で舞台披露を行った。

 伝統芸能に詳しいひとびとの間では、金坂は中村雁京の芸名で知られている。金坂は、UCLAに在学中、東京大学に留学した。このとき、大阪の松竹上方歌舞伎塾の入門試験に合格、2年間の研修生となった。塾を卒業後は、歌舞伎役者、坂田藤十郎に気に入られて、坂田が率いる近松座の座員となった。金坂は、現在でも近松座の一員ではあるが、海外公演のときに一座に参加することになったため、活動の中心をロサンゼルスに移した。

 金坂は、日本では、伝統芸能への関心が急速に衰えていることを心配している。日本の伝統芸能に関心を持つ外国人が日本に来て、伝統芸を受け継ぎ、日本人に教える時代が来ている、と感じている。さらに、時代が進めば、日本人が、日本の伝統芸能を学ぶために、海外へ出かける時代が繰るかもしれない、という大胆な予測も立ている。

近鉄がトーレンスに都ハイブリッド・ホテルを建設(8ページ)

鉄道大手、近鉄の子会社、近鉄エンタープライズ・カンパニー・オブ・アメリカは、8月からトーレンスで、「都ハイブリッド・ホテル」の建設を始める。総事業費2000万ドルで、約3エーカーの敷地に7階建て、215室のホテルを建てる。竣工予定は、2009年初旬。ホテルの背後には日本庭園を造る。内装は、落ち着いたトーンでのアジア的なデザインとなる。近鉄は、リトル東京に都ホテルを経営している。

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by culturalnews | 2007-07-18 17:00 | 月別の日本語要約