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英字新聞カルチュラル・ニュースの日本語要約


by culturalnews

Cultural News 2006年3号日本語要約

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世界に認められる相撲大会をめざすカリフォルニア相撲協会(4ページに続く)

 相撲の歴史は、1500年以上も前にさかのぼる。最近の相撲には、アメリカ人、モンゴル人、ブルガリア人などの外国人が台頭し、横綱もでている。しかし、一方で、女性は、土俵に上がらせない、触らせないという伝統を守り続けている面もある。日本発の格闘技は、世界中に広がっている。その中で、相撲もまた、アメリカ人のあいだで、人気を得ている格闘技のひとつである。

 今年で、6回目になるUS相撲オープンが、4月9日正午30分から午後4時まで、ロサンゼルス・コンベンション・センターで開催される。選手たちは、日本、東欧、北欧、モンゴル、そしてアメリカ各地からやって来る。地元、南カリフォルニアからも、多くの選手が参加する。選手たちの職業は、さまざまで、重量もさまざま、女性選手も参加する。

 US相撲オープンは、サンタモニカ大学とUCLA学外講座で、外国人学生に英語を教えているアンドリュー・フラウンドによって設立された。第一回の大会は、2001年にUCLA学内にある体育館で行われた。引退した小錦が参加し、大会に華を添えた。

 フラウンドさんが、相撲に出会ったのは、15年前の日本滞在中だった。東京で英語の教師をしていたとき、雑誌広告で相撲のことを知り、土俵が目の前に見える席を買った。初めての相撲を、朝9時から夜6時まで見た。1994年に再び、英語教師として日本へ行き、相撲をさらに深く知ることができた。1997年にロサンゼルスに来たフラウンドさんは、同じ年のジャパン・エクスポで行われた相撲大会にでた。このことがきっかで、相撲仲間を集めて、UCLA学内で定期的に練習をするようになり、カリフォルニア相撲協会が始まった。

 2001年に、ブルガリア出身で、1998年と99年のアマチュア相撲世界チャンピオンのスベットスラブ・ビネブと、ロサンゼルスで出会ったことで、相撲に対する啓発を受けたフラウンドさんは、同年、UCLA学内で、第一回のUS相撲オープンを始めた。最初の相撲大会の参加者は25人で、技量的には、レベルが高くなかったが、小錦の参加で、相撲大会は盛りあっがた。

 その後の大会には、元横綱曙、元横綱武蔵丸、そして日本からの選手が参加している。会場も、UCLA学内の体育館から昨年はロサンゼルス・コンベンション・センターへと移動している。選手のレベルも、回を重ねるごとに高くなっている。今年の参加選手は、日本、モンゴル、ブルガリア、ノルウェイ、ドイツから来る。

 外国からの参加選手は、ビザをもらえなくで、参加できないことが、これまであった。今年は、ロサンゼルスに留学中のモンゴル人と知り合うことができ、ビザの問題なく、モンゴル人選手が参加することができるようになった。モンゴル人の相撲は、日本人の相撲のようにスピードと技量があるので、今年の大会の話題になるであろう。

 地元選手の中では、ロサンゼルス市警察の警察官をしているトロイ・コリンズ(39歳)がずば抜けている。コリンズは、2002年から毎年、中量級と無差別級でメダルを取り続けている。コリンズの前向きな姿勢は、相撲大会の模範ともいえる。

 カリフォルニア相撲協会に集まってくる選手たちは、フットボールやレスリングが好きだったという若者で、相撲をテレビで定期的に見ている、というひとはいない。しかし、相撲を続けているうちに日本の伝統や文化への理解を深めている。大会で、相撲を初めてみるアメリカ人たちも、相撲がスポーツとして楽しめるものであることに気づくようになっている。

 昨年の大会では、静岡相撲連盟から2人のレフリーが参加し、US相撲オープンは、厳格さを持った大会となった。US相撲オープンは、軽量、中量、重量の3階級に無差別階級を加えた4クラスと、男女別の試合を行っている。フラウンドさんの目標は、US相撲オープンを、ロサンゼルス・マラソンのように世界的に知名度をもった国際大会にすることだ。
 4月9日の相撲大会には、だれでも参加できる。観客の入場券は、一般が15ドル、VIP席が45ドル。

(英文記事は、ギャビン・ケリーと東 繁春が担当)

写真1ページ:カリフォルニア相撲協会メンバーの写真(カルチュラル・ニュース撮影)

トリビア <相撲> 高見山の貢献(4ページに続く)

相撲は、神事として古くは古事記にも記録されている。娯楽として大衆に広まったのは、江戸時代である。相撲の殿堂「国技館」が建てられたのが、1909年で、日本相撲協会は、1925年に設立された。第二次世界大戦中は、有名力士も出征し、相撲はすたれたが、戦後の日本復興とともに、相撲人気も復活、1958年には、年6回の興行が確立した。

 相撲の決め手は、約70種類ある。その中でも、基本技と言われるのが、「突き出し」「突き倒し」「押し出し」「押し倒し」「寄り切り」「寄り倒し」など。力士は、場所ごとの成績で、番付が変わっていく。

 外国人力士の活躍が目立っている。アメリカからは、高見山、小錦、曙、武蔵丸が出ている。モンゴルからは旭鷲山、白鵬、そして現在ただひとりの横綱朝青龍が出ている。

 1960年代までに、アジアの国やブラジルから力士になった外国人はいたが、外国人力士として成功を収めたのは、高見山(米国名ジェイムズ・クハウルア)が最初である。高見山は、ハワイ・マウイ島出身で、高校時代、フットボールのトレーニングとして相撲を始めた。1964年に、ジェッシーの名前で、初土俵を踏んだ。高見山の97場所連続出場、幕内での1398試合連続の記録は、まだ破られていない。1984年に引退、1986年に東関部屋を起こし。1993年には、同部屋から曙が横綱に昇進した。

 高見山の成功は、その後、小錦、武蔵丸らハワイ出身力士の進出につながった。モンゴル出身力士のパイオニアは旭鷲山だった。(出典:学研発行「日本:二ヶ国語ガイド」、ストーン・ブリッジ出版「ビック・ブック・オブ・相撲」、カリフォルニア相撲協会)  

イラスト1ページ)相撲でもっとも、よく使われる決まり手のひとつ「寄り切り」(イラスト制作=山本由紀子)

写真:日本の色彩 水仙 (廿楽美登利=つづら・みどり=写真展から)(4ページに続く)

 日本では冬から春にかけて沢山の種類の水仙が咲きますがその中の一種です。一寸ななめから撮ってみました。水仙で有名なのは鎌倉の臨済宗円覚寺派瑞泉寺です。

 東京・練馬区の廿楽美登利さんは、現在66歳、50歳をすぎて写真家になったというめずらし経歴です。室内で、自然光だけで花を撮るという撮影方法を確立し、『五十歳からの挑戦』(グラフ社)、初心者のための写真表現『花と心をかよわせて』(文化出版局)、『室内で撮る花のポートレート』(講談社)を出版している。また、フランス語にも堪能で、「星の王子さま」の新訳『プチ・プランス』(グラフ社)を共訳で、出版している。

 廿楽美登利写真展「日本の色彩」が、9月に、カリフォルニア州立大学ノースリッジ校で予定されている。

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釈迦の誕生を祝う「花祭り」リトル東京で、4月8、9日

 ロサンゼルス仏教連盟が主催する釈迦の誕生を祝う「花祭り」が今年は4月8、9日を中心に行われる。募金活動を目的としたゴルフ大会以外は、すべて入場は無料。

 3月11日は浄土宗本院で、英語俳句教室が開かれる。3月31日は、子供向け仏教サマー・キャンプの資金集めのためのゴルフ大会が、カリフォルニア・カントリー・クラブで行われる。花祭りリトル東京清掃は、4月1日、土曜日に行われる。

 メインイベントの第一日目、4月8日、土曜日は、午後7時から、リトル東京の東本願寺で、ロサンゼルス在住の仏教学者らによるパネル・ディスカッションが行われる。討論は、KXLAで毎週日曜日午後6時半から放送中の仏教伝道番組「仏教徒の生き方」の内容にも合わせてあり、パサデナ仏教会の開教使を勤める、ウンノ・テツオ師が司会する。

 パネリストは、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の教授で、ベスト・セラーになった仏教解説書も出版しているフランツ・メットカルフ博士、ロヨラ・メリーマウント大学教授で、カトリック神父を務めながら仏教研究家であるジェイムズ・フレデリック博士、アメリカ人で、ベトナム禅とスリランカ・テラバディン仏教の両方を会得しているクサラ・ビクシュ師、そしてロサンゼルス禅センターのウエンディー・エギョク・ナカオ老子。

花祭りの祝賀イベントは、4月9日、日曜日、午前11時から、東本願寺で行われる。西本願寺ロサンゼルス別院の松林忠芳輪番と東本願寺ロサンゼルス別院の伊藤憲昭輪番が法話を行う。イベントでは、東本願寺の太鼓グループ、きつね太鼓(子供)と凡夫太鼓をはじめ、南カリフォルニアのトップ太鼓グループ、緊那羅太鼓、太鼓プロジェクト、禅太鼓などが出演する。飲み物と結び弁当が販売される。

全米日系人博物館で彫刻家イサム野口展、5月14日まで

「イサム野口-彫刻デザイン」展が5月14日まで、リトル東京の全米日系人博物館で行われている。4月22日には、オレンジ・カウンディにある野口の彫刻「カリフォルニアの風景」とリトル東京日米文化会館にある彫刻「一世のために」を見学するツアーが行われる。

ジェリー伊藤さんのミニコンサート、4月9日

 ニューヨーク生まれで、第二次大戦直後から日本で歌手として活躍したジェリー伊藤さんのミニコンサートが、4月9日午後2時から、リトル東京の日米文化会館で行われる。伊藤さんは、9年前、東京にいたとき、脳溢血で倒れ、言葉が話せなくなった。伊藤さんの母国語が英語であるため、言語回復訓練をアメリカですることになり、ロサンゼルスに移住した。回復訓練のおかげで、以前のように、歌を歌うことができるようになった。ミニコンサートでは、回復のようすを友人、知人に披露する。チケットは20ドル。

パサデナ桜祭り
 
 パサデナのローズ・ボウルで、4月1、2日の土、日曜日、パサデナ桜祭りが行われる。パサデナ桜祭りは、パサデナ市に桜を寄贈しようと4年前から始まっている。

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坂東流家元、坂東三津五郎十代目がロサンゼルスにやってくる、6月11日

 日本の坂東流が主催するチャリティー日本舞踊会が、6月11日、リトル東京の日米劇場で行われる。坂東流家元、坂東三津五郎十代目が、ロサンゼルスで舞踊教室を開いている3人の坂東流師匠の協力を得て、敬老シニア・ヘルスケアのための募金ショーを行う。

 ロサンゼルス公演のため、日本から踊り手、裏方など約30人が来る。ロサンゼルスからは、坂東三津拡師匠、坂東三津佐師匠、坂東和勝恵師匠の3つの教室から、計30人が出演する。

 アメリカでのチャリティー公演は、坂東三津五郎八代目の発案で、九代目、十代目にその意図が引き継がれてきた。坂東流としては、初めてのアメリカでのチャリティー公演となる。6月11日は、午後1時と6時の2公演で、それぞれ、チケットは50ドル。

モントレー・パーク市の桜祭り、4月22、23日(6ページに続く)

 9回目になるモントレーパーク市の桜祭りが、4月22、23日の土日に、同市のバーンズ公園で行われる。日本文化の展示や食物屋台、商品販売が行われる。入場は無料。モントレーパークの桜祭りは、1970年代前半に退役軍人グループのための募金活動として始まり、1980年代には、日本文化を紹介するイベントに発展した。数年の中断があったが、1998年からモントレーパーク市の行事として再開した。昨年は、約8000人の入場者があった。
 
 アメリカの桜祭りは、1912年に、当時、東京市長の尾崎行雄がワシントンに3000本の桜を贈ったことが始まりで、モントレーパーク市の桜祭りもワシントンに合わせて行われている。
 
 ステージでは、ジャズバンド、日本の古典からコンテンポラリー音楽まで幅広く演奏している古今組、太鼓の禅太鼓、太鼓プロジェクト、琉球国祭太鼓、日本舞踊の藤間カンセイ会、花柳ロクフクミ会、坂東秀十美会などが出演する。プログラム詳細は、3月になってモントレーパーク市のウエッブサイトで発表される。

トーレンス姉妹都市協会の文化祭、4月8、9日(6ページに続く)

 千葉県柏市と姉妹都市を結んでいるトーレンス市では、姉妹都市協会が毎年、「文化祭」と銘うってイベントを行っているが、今年は、4月8、9日の土、日曜日に行われる。武道の公開演技、日本音楽や太鼓の演奏、盆栽や生花の展示など、が行われる。トーレンス市では、毎年7月に高校生8人を3週間、柏に送っている。文化祭は、この高校生派遣費用を募ることも、目的としている。

美術館カレンダー
 
パシフィック・アジア美術館(パサデナ)「美しさの表現:花柳街の女たち」花魁や芸者をテーマにした日本画、着物、装身具などの展示する。3月10日から6月18日まで。

UCLAハマー美術館「日本からの手紙」第二次大戦直後の日本を撮影した写真展。ハリウッド写真家ジョン・スワープの写真115点の展示。3月5日から6月4日まで。

ロサンゼルス・カウンティー美術館の日本パビリオン:日本画、根付展

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世界に認められる相撲大会をめざすカリフォルニア相撲協会(1ページからの続き)

トリビア <相撲> 高見山の貢献(1ページからの続き)

広告:ロサンゼルス仏教連盟の花祭り

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LA着物クラブが総会を開く

書籍紹介:ウエイ・オブ・タイコ(太鼓道)

寿司職人学校の校長、アンディー松田のコラム

寿司職人学校の生徒が老人ホームを料理で慰問

広告:コミュニティー・トラベル・サービスの日本旅行(10月9日~21日)

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日本のこころを求める山陰旅行企画、10月9日から

写真は、島根県安来市の足立美術館。

東サンゲーブル・バレーの日本語学校

モントレーパーク市の姉妹都市協会の活動

ロングビーチ市に姉妹都市の三重県四日市から医師研修

 3月18日から3月1日まで、四日市市民病院の医師、(写真、左から)水林竜一さん、安積(あさか)明子さん、岩瀬勇人さんの3人が医学研修のため、ロングビーチ市を訪れた。ロングビーチ-四日市姉妹都市協会の会員医師らの斡旋によるもので、今年で5回目。

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日系引退者ホームなどの運営団体の45周年記念晩餐会、6月24日

奨学金募集

東繁春の発行人日記

 カルチュラル・ニュースが、日本の中学歴史教科書で紹介されることになりました。4月から全国で60万部配布される東京書籍の教科書に約半ページ、400字で、紹介されています。カルチュラル・ニュースを、日本文化を外国人に紹介する活動の一例として取り上げ、生徒に、どのように、外国人と付き合ったらいいのか、と問いかけています。

8ページ

家庭料理:巻き寿司と稲荷寿司

広告:坂東流チャリティー舞踊会、6月11日

広告:日本美術専門のリー研究所

広告:白形伝四郎商店のお茶


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by culturalnews | 2006-03-17 16:51 | 月別の日本語要約